ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

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2016/07/13
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「すぐに止むだろうけど、髪が濡れるのは嫌だな」

その中で颯秩が選んでくれたのはバードケージ型の傘だ。
傘の部分こそ透明だが、
骨組みが青・赤・黄色・緑といったカラフルな色合いで気に入った。

「ありがとう。払うよ」
「いいよ、それくらい。俺が壬にあげたかったんだから」
颯秩の傘は16本の骨組で、ビニール傘とはいえ強風に耐える丈夫な品のようだ。
余程、髪が気になるのか。

僕に対して気遣いがあったので颯秩という人の性格や気配りが気になり始めた。

心を開くように早速、傘を差してみる。
「ああ、似合うね。思ったとおり」
「何が」
「壬にはすっぽり体が収まるバードケージの傘がいいと思ったんだ。
うん、狙いが当たった」
「ひとりで喜んで」
「嬉しくないの? 誉めているんだよ。まるで小鳥が籠の中でじっとしているみたい。
今の壬にかぶる」

何処が誉めているのか。
しかし真新しい傘のお陰で嫌な気持ちになれない。


雨は強くならずただ霧吹きでかけたような小雨が続いている。

「さっきのお店さあ」
ぼんやりと颯秩が呟いた。
「市松屋?」
「昔、お茶屋さんだったんだ。だから本当は2階で遊べる」

「とぼけているの。遊郭みたいなものだよ」

そんな風に見えなかった。
ただ、変わったカフェだなあとは思ったが。
ああ、でもあのおばあさんは何処となくやり手な感じはした。
ひひひ・と普通は笑わないものな。


「ホテルみたいな? でも普通にしていればいいのに隠す必要があるのかな」
「普通じゃ法に引っかかる。だからカフェで隠している。
まあ、壬が気付かなかったくらいだし成功しているんじゃない。身を隠すのに」
「颯秩も使うのか?」
「まさか。不衛生だよ。カフェは保健所が立ち入るから小奇麗にしているけど」
「そうなのか。外側からではわからないなあ」

「壬もそうだよね」

「え?」


「外見は変わっても中身が伴わないとね」
颯秩は時々鋭い言葉を投げかける。
「変わったって言われたよ。兄さんに」
負けずと言い返す。
「どんな風に?」
墓穴を掘った。性欲に駆られた猿のようだとは言えない。
「お兄さん、どんな感じにとらえているのかな。
俺は変わりつつあると思う。自力でここまで来た。後は俺が変えてあげる」

「それって」

「誘っているの」

颯秩が傘を閉じて僕の傘の中に頭をひょいと入れるとキスをした。
雨に濡れるだろうに、7秒くらい唇が離れなかった。

「甘い」
ぺろりと舌で唇を舐めて颯秩が言う。
慌てて唇を拭いながら「ソフトクリームのせいかな」
食べなければ良かった。
拭うのも勿体なかった。

「でも人前でキスは、バカップルみたいで。おかしいよ」
「誰かに見られるスリル、好きでしょ。むしろ構わないか。
皆の前でキスしたもんね」
からかわれている。
悔しいけれど、気持ちが良くて言い返せない。


「あの角を曲がって、すぐ。道順、覚えているでしょ」

歩いていく先は僕でもわかる。
颯秩がバイトをしているバーだ。



「日曜日はクローズじゃないの」
「合鍵を持ってる」
流石、オーナーに惚れこまれて信頼されているであろう颯秩は違う。


「傘は中に持ち込んで。誰かがいるってわかったら面倒だからね」
照明のついていないバーの店内は暗く、とても人が集まる場所には見えなかった。
綺麗に掃除はされているだろうけれどまるで何かの抜け殻だ。

「おなかすいてる?」
「いや、別に」
「じゃあ、後でこしらえてあげる。日持ちのする食材ならあるからね」

そして颯秩が手招きをする。
「この奥から2階へ上がれる。仮眠室なんだ。
終電に乗り遅れたスタッフが寝泊まりする部屋」
「そこで何をするんだ」
「すっとぼけているな。興ざめさせないで」
まるで猫に威嚇されたかのような感覚。
決して負けないけれど威圧されている。

厚いカーテンに閉め切られた窓。
店内とは違って簡素な作り。
マットレスが2つ置いてあるだけで、確かに仮眠室らしい。

「そんな気分になるとは自分でも思わなかったけど。
壬を見ていたら可愛くて放置できなくなった」

背中を向けたまま颯秩がシャツを脱いで綺麗な項や肩甲骨が露わになった。
それだけで僕は欲情を隠せない。
同じ男として、これほど美しい背中・いや、容姿を持つのが羨ましくあり、
同時に自分のものにしたい衝動に駆られた。

「颯秩、触りたい」
「いいよ」
ジーンズを膝まで下してくれた。

颯秩の茎に恐る恐る触れた瞬間、なぜか咳き込んで僕の下着が濡れた。
どうしてと下着を下すと白濁した液体が僕の茎と連なって糸を引いている。

「感じたの」
甘い囁きに気が動転して、下着で拭った。

「甘く見ているな。それで終わりじゃないよ」
マットレスに倒され、のしかかられて身動きが取れない。
しかも股間が濡れている、乾かない。
確かに颯秩の茎に触れてその熱さと硬さに僕の内の何かが反応して、
出てはならない液体が吹き出しているのだ。

颯秩の背中、肩甲骨、細い腰のラインにぎりぎりまで下されたジーンズ。
なにより荒ぶる茎が僕を駆り立てる。

「壬、綺麗な鎖骨」
そう呟いて熱い舌でなぞる。
「誰も知らない体か、そそるね」
乳首を吸うとねぶりだし「誰も知らないはずが立つものだね」
頬の熱さに耐えながら見やると乳首がくっきりと立っていた。
「恥ずかしい、もうやめて」
「止まれるわけないでしょう」
くっと颯秩が笑った。

「同じ男なのに、何を無理なお願いしているの」


「替えの下着が無いから早く脱がないと帰れないよ」
颯秩が性急に僕のパンツを脱がし、濡れた下着を乱暴にマットレスの下へ放った。

「さて、俺も気が長いほうじゃあないから」
僕の穴に指を挿入して広げようと激しく蠢く。

「痛い! 痛いよ、やめてくれよ」
「どうしてかなあ。抵抗されると燃えるんだよね」
相手の事を考えないのか、颯秩らしくない。
「無理っぽいけど。止まれないな」
ぐにっと僕の穴に押し込まれるものを感じた。
それは激しい痛みを伴い、僕が全身を揺らして抵抗しても突き進んでくる。

「力を抜いて」
「抜けないよ、やめてって言っているだろう」
「仕方ないなあ」
颯秩は僕の腰をなぞるとまたキスをした。

「……怖くないし。ひどいことしないから」

甘い声だ。


しかし挿入は尚も続き、
やがてぐいぐいと突き上げられて、
僕の体と颯秩の体がぶつかり合う音が僕の悲鳴をかき消した。
「あ、ぁあああああ、ん、んー! あ、無理っ、や、あ、ああ!」
颯秩の熱い茎が僕の中で何かを探っている。
蠢いている、ぐいぐいと突き進んでは僕を壊そうとしている。
それは中でも膨張しているかのようで僕の体は耐えきれない。
こんな、ひどい。

それでも僕は。

「は……」
息を弾ませる颯秩が恋しい。

僕は手を伸ばし颯秩の指に絡ませて引き寄せた。
もっと近くに来て欲しい。
息が上がるなか、ようやく発した主張に颯秩が応えるように握り返してくれた。


















●1回消えまして●

これも自分が悪いのですが書いていたのが消えました

記憶を頼りに書いたので後で修正するかもしれません



初めてならこの感じのエロでどうだろうかと思っています
最初から激しいのも、あれかなあ
いいのか
それなら書いてしまう


宇多田ヒカルさんのアルバムが楽しみです





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Last updated  2016/07/15 09:18:35 AM
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