私の『ヒロミチ・オカリナ』

母子おかりな


《私の『ヒロミチ・オカリナ』》

久し振りに黒野さんを訪ねました。
以前から気になっていたG管とF管の調整と、ギター伴奏をお願い
するためです。G管とF管の調整は、簡単にやって下さいました。
そのあとが、実は問題です。黒野さんはわたしのお気に入りの、
ヒロミチ・オカリナのC管を、調整したい、とおっしゃるのです。
そうすると、こんなに素晴らしいC管になるよ!と言って、最新の
ヒロミチ・オカリナを吹かせて下さいます。まだ、釜に入れる前
のも、吹かせて下さって、意見を求められるのです。

ところが、私は今吹いているC管が気に入っていて、最新のヒロ
ミチ・オカリナの音色は、実は、私の求めている音色ではないの
です。

今までは黒野さんに失礼かと想って、言わないでいたのですが、
今言わなかったら、この大事な私のお気に入りのC管が、音色が
変わってしまいます。

そこで仕方なく、意を決して、「実は、私の求めているオカリナの
音色は、黒野さんが以前に求めておられた音色で、今、黒野さん
が求めておられる音色は、私の求める音色ではないのです。
ごめんなさい。このC管は、調整しないで下さい。もう私の求めて
いるC管は、(黒野さんが以前に求めておられた音色ですので)
(このあいだ、それを知って)今のこの私のお気に入りのC管が
最高のC管で、これ以上のものは得られない、と想っている
のです。」

そう言いますと、少し困ったような表情でしたが、さすがに
黒野さん。素晴らしい方です。
「分かりました。また暇を見て、岡梨奈孝至さんの求めておられる
そんな音色で、もっとよく響くのを作ってみましょう!」
私にはその時の黒野さんは、少し予想がはずれた、といったふうに
想われました。そうしてそのあとは力強く、こうおっしゃって
下さったのです。

「必ず作ってみます。きっと出来ると想います!」
「黒野さんに出会って、お蔭様でここまで来られました。これも
ひとえに、黒野さんのお蔭です。」と私。

本心は多分、黒野さんは私の大事にしているヒロミチ・オカリナ
のC管を、黒野さんの求める素晴らしいC管にして、私が驚き、
喜んで吹く姿を、期待されたのではないかと想います。

明日はクリスマス・イヴ。突然お電話して、夜の9時にお伺いし
気が付いたら12時近くになっていました。

(ヒロミチ・オカリナについての情報は、リンクから黒野氏の
ホームページへアクセスすると、得られます)



おれんじおかりな
・・ オカリナRing ・・

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