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2026年08月04日
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カテゴリ: 障がい福祉

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日本は地理的な条件から、台風や地震、集中豪雨といった自然災害が非常に発生しやすい国です。災害が発生したとき、私たちや大切な家族の命を守るためには、どのような仕組みで防災が行われているのかを知り、日頃からどのような準備をしておくべきかを正しく理解しておくことが欠かせません。 
ここでは、日本の防災体制の根幹をなす「災害対策基本法」の仕組みや歴史をはじめ、災害時に発表される避難情報の見方、避難時の具体的な行動ルール、ご家庭で準備すべき防災グッズ、そして避難に支援が必要な方のための計画づくりまで、分かりやすく順番に解説していきます。 
1. 災害対策基本法とは?日本の防災を支える土台の仕組み 
「災害対策基本法(さいがいたいさくきほんほう)」という法律の名前を聞いたことがあるでしょうか。この法律は、一言で言えば「日本の防災体制における一番の土台となる、憲法のような法律」です。 
私たちが普段目にする避難情報や、災害が発生したときの国の対応、自治体が作成する避難場所の整備などは、すべてこの災害対策基本法に基づいて行われています。 
法律が作られたきっかけと誕生の背景 
災害対策基本法が作られたきっかけは、1959(昭和34)年9月に日本を襲った「伊勢湾台風」です。紀伊半島に上陸した伊勢湾台風は、高潮や河川の氾濫を引き起こし、死者・行方不明者が5,000名を超えるという、戦後最大級の甚大な被害をもたらしました。 
当時も防災に関する法律や仕組みは存在していましたが、実際に巨大な災害が起きたことで、当時の日本の防災制度には二つの大きな欠陥があることが明確になりました。 
一つ目は「縦割り行政の弊害」です。河川の管理、海岸の防護、消防、被災者の福祉といった対応が、国の省庁ごとにバラバラに行われており、横の連携がほとんど取れていませんでした。 
二つ目は「責任体制の曖昧さ」です。いざ災害が起きたときに、国と自治体のどちらがどのような権限を持って行動するのか、統一されたルールや計画が存在していませんでした。 
こうした深刻な反省から、「国全体の防災の基本となる統一的な法律が必要だ」という声が強まり、伊勢湾台風から2年後の1961(昭和36)年に災害対策基本法が制定されました。 
法律が定めている4つの柱 
災害対策基本法の内容は膨大ですが、大きく分けると以下の4つの柱で構成されています。 
役割の明確化(誰が何をするか):国、都道府県、市区町村をはじめ、電力や通信、交通などを担う指定公共機関、そして住民自身が、防災のためにどのような責任と役割を果たすべきかを明確に定めています。災害は政府や自治体だけで防げるものではなく、社会全体や個人が協力し合う必要があるという考え方が根底にあります。 
防災計画の策定(どう備えるか):災害が起きる前にどのように備えるかを定めています。国が作成する「防災基本計画」をベースに、都道府県や市区町村が自らの地域の特性(海に近い、山が多いなど)に合わせて「地域防災計画」を作成することを義務付けています。 
組織の設置(緊急時にどう動くか):災害が発生した際、混乱を防ぎ素早く意思決定ができるよう、組織の作り方を定めています。国には「中央防災会議」や「非常災害対策本部」を置き、自治体には「災害対策本部」を設置して、迅速に救助や情報収集を行えるように規定しています。 
災害対応と被災者支援の手続き(どう助け・復旧するか):実際に災害が起きたときの具体的な手続きを定めています。避難指示を出す基準や、救助物資をスムーズに運ぶための「緊急輸送道路」の確保、そして被災者が支援を受けるために不可欠な「罹災(りさい)証明書」の発行手順などが盛り込まれています。 
2. 過去の大災害とともに進化した法改正の歴史 
災害対策基本法は、一度作られたら終わりの法律ではありません。制定されて以降も、日本が未曽有の大災害に見舞われるたびに、現場で浮き彫りになった課題や教訓を踏まえて見直し(法改正)が繰り返されてきました。過去の失敗を繰り返さないよう、命を守るための運用へと絶えず進化してきた歴史があります。 
阪神・淡路大震災(1995年〜)による強化 
都市部を直下型地震が襲い、建物倒壊や火災で甚大な被害が出た阪神・淡路大震災では、「迅速な初動対応」と「自治体同士の広域連携」の重要性が浮き彫りになりました。 
この震災以降、官邸主導で素早く情報を取りまとめて現場指揮を行える仕組みが整えられました。また、被災した自治体が他の自治体や自衛隊へスムーズに応援を要請できる手続きが作られたほか、救助車両や支援物資を運ぶルートを確保するために、一般車両の交通規制を迅速に行う権限が強化されました。 
新潟県中越地震など(2004年〜)による強化 
中山間地域で発生した新潟県中越地震などでは、山崩れによって道路が遮断され、多くの集落が孤立する被害が相次ぎました。この経験から、「防災情報の確実な伝達」と「迅速な避難の確保」が重視されるようになります。 
市町村が避難に関する判断を正しく行えるよう、気象庁や都道府県が危険な情報を迅速に自治体へ伝達する義務や連携体制が強化されました。 
東日本大震災(2011年〜)による強化 
未曽有の大津波と広い範囲に及ぶ甚大な被害をもたらした東日本大震災では、「広域避難」と「個人への支援」が大きなテーマとなりました。 
自分の街だけでは避難先を確保できない事態を想定し、市町村の枠を超えて住民が避難するためのルールが整備されました。また、高齢者や障害のある方など自力で逃げることが難しい方を守るため、「避難行動要支援者名簿」の作成が全国の市区町村に義務付けられました。 
さらに、津波などの危険から一時的に命を守る「指定緊急避難場所」と、避難生活を送るための「指定避難所」という二つの言葉の定義が明確に区別されるようになったのも、この震災の教訓によるものです。 
令和3年改正(2021年)による強化 
近年多発する豪雨災害では、行政が出す避難情報が複雑で伝わりにくいという問題がありました。そこで2021年の法改正では、情報の分かりやすさを向上させるための大きな見直しが行われました。 
従来使われていた「避難勧告」という言葉を廃止し、「避難指示」という表現に一元化しました。これにより、住民が避難を始めるべきタイミングがより明確になりました。また、要支援者一人ひとりの具体的な避難方法をあらかじめ定めておく「個別避難計画」の作成が、自治体の努力義務として導入されました。 
3. 5段階の警戒レベルと避難時に取るべき行動 
現在、気象庁や自治体から出される防災情報は、誰もが直感的に危険度を理解し、迷わず行動できるように「5段階の警戒レベル」という共通の枠組みに統一されています。 
数字が大きくなるほど危険度が高くなり、レベルごとに「住民が取るべき行動」がはっきりと決められています。 
5段階の警戒レベルの意味と行動ルール 
ここでは、警戒レベル1から5までの状況と、それぞれの段階で私たちが取るべき行動を具体的に解説します。 
レベル1:早期注意情報(警報級の可能性) 
状況や危険度:災害が発生する可能性はまだ低いものの、今後の気象状況が悪化するおそれがある段階です。 
取るべき行動:テレビやラジオ、スマートフォンなどで、最新の防災気象情報に注意を払い始めてください。日常生活を送りつつも、災害への意識を少し高める段階です。 
レベル2:大雨・洪水・高潮注意報など 
状況や危険度:気象状況が悪化し、大雨注意報や洪水注意報などが発表されている段階です。ハザードマップなどを確認し、自主的に避難する心構えを高める必要があります。 
取るべき行動:避難行動の再確認を行います。自分のいる場所が危険なエリアに入っているかハザードマップで確かめ、避難ルートや非常持ち出し袋の準備を点検してください。 
レベル3:高齢者等避難 
状況や危険度:災害が発生するおそれが高まっている段階です。避難に時間がかかる人にとっては、安全な場所へ移動を始めるべきタイミングとなります。 
取るべき行動:高齢の方、障害のある方、乳幼児を連れている方、体に不自由がある方など、自力での迅速な避難が困難な人やその支援者は、危険な場所から速やかに避難を開始します。その他の住民も、いつでも逃げ出せる準備を整え、必要に応じて自主的な避難を始めます。 
レベル4:避難指示 
状況や危険度:災害が発生するおそれが非常に高く、危険な場所から全員が避難しなければならない段階です。 
取るべき行動:危険なエリアにいる人は、全員速やかに安全な場所へ避難してください。対象地域にいるすべての住民が行動を起こすべき重要なタイミングです。 
レベル5:緊急安全確保 
状況や危険度:既に災害が発生しているか、あるいは災害が直前に迫っていて、命の危険が極めて非常に高い状態です。 
取るべき行動:すでに避難所へ向かうこと自体が危険な状況です。命を守るための最善の行動(自宅の2階以上に移動する、近くの頑丈な建物に飛び込むなど)をとってください。 
避難情報の知っておくべき重要ポイント 
警戒レベルについて理解する上で、特に覚えておかなければならない非常に重要なポイントがあります。 
それは、「レベル5(緊急安全確保)は必ず発令されるとは限らない」ということです。 
レベル5が発令された時点では、すでに周囲の道路が冠水していたり、土砂崩れが発生していたりして、外に出て移動すること自体が命取りになる場合があります。そのため、「レベル5が出たら逃げよう」と考えるのは非常に危険です。 
避難行動は、必ず「警戒レベル4(避難指示)」が出た段階、あるいは避難に時間がかかる方の場合は「警戒レベル3(高齢者等避難)」が出た段階で完了させておく必要があります。 
レベル4「避難指示」が出たときの具体行動 
危険な場所(河川の近く、土砂災害警戒区域、低地など)にいるときに警戒レベル4が発令された場合、以下の2つの方法のどちらかで身の安全を確保します。 
原則:「立退き避難(たち退いて安全な場所へ移動)」 基本となる行動は、危険な場所から離れ、安全な場所へ移動することです。移動先は、自治体が指定する「指定緊急避難所」だけではありません。安全な場所にある親戚や知人の家、安全なエリアに位置するホテルや旅館なども有効な避難先となります。環境の変化によるストレスを抑えるためにも、複数の避難先を検討しておくことが大切です。 
例外:「屋内安全確保(自宅などでの退避)」 激しい暴風雨の最中である場合や、夜間で周囲が見えない場合、すでに道路の一部が冠水している場合などは、外に出て移動すること自体が事故や遭難につながります。そのような場合は無理に外出せず、建物内で少しでも安全な場所へ移動する行動を取ってください。 具体的には、土砂災害のリスクがある場合は崖や斜面から一番離れた部屋へ移動します。洪水のリスクがある場合は、建物の2階や3階といった高い部屋へ移動する「垂直避難」を行います。 
4. 警戒レベル3「高齢者等避難」が出たときの過ごし方と判断 
警戒レベル3「高齢者等避難」は、災害が本格的に発生する前の段階で、避難に時間がかかる人たちが余裕を持って安全な場所へ逃げ切るための大切な行動タイミングです。 
どのような人が対象になり、いつ、どのように動くべきかを詳しく見ていきましょう。 
対象となる人の具体的イメージ 
「高齢者等」という名称がついていますが、決して高齢者だけを指しているわけではありません。自力で素早く避難することが難しいすべての人と、その方をサポートするご家族や支援者が対象となります。 
具体的には、以下のような方々が該当します。 
ご高齢の方、障害を持っている方、介護を必要としている方 
赤ちゃん(乳幼児)や小さな未就学児を連れているご家庭 
妊娠中の方 
ケガをしている方や、体調が優れない方 
夜間や悪天候の中で動くことに不安がある方 
これらの対象者をサポートする家族やヘルパー、地域の人 
なお、上記に当てはまらない一般の住民の方は、この段階ですぐに立ち退く必要はありません。しかし、非常持ち出し袋を手元に置き、いつでも逃げ出せる格好に着替えるなど、「避難の準備」を完了させる必要があります。また、危険を感じた場合は自主的に避難を始めても構いません。 
動き始めるベストなタイミング 
警戒レベル3が発表されたときが、まさに移動を開始する合図です。「まだ大丈夫だろう」と判断を遅らせないことが重要です。 
特に注意したいのが「時間帯」と「天候の変化」です。 
もし、夕方から夜間にかけて警戒レベル4が出ると予想される場合は、暗くなって視界が悪くなる前の、日中(明るい時間帯)のうちに警戒レベル3の段階で移動を終わらせておくのが賢明です。 
また、雨や風が強くなってからでは、車椅子を押したり、子どもを抱っこしたりして歩くことが一気に困難になります。道路がまだ安全な状態のうちに動き始めることが、無事な避難につながります。 
具体的な移動のステップ 
警戒レベル3で避難を開始する際は、以下のステップで順順に進めていくとスムーズです。 
ステップ1:避難先を決めて事前に連絡する まずはどこへ避難するかを決めます。要支援者や小さなお子様がいる場合、指定避難所だけでなく、環境の変化によるストレスが少ない安全な親戚・知人宅や、設備が整ったホテルなども選択肢に入れます。行く先が決まったら、向かう旨を相手や関係者に連絡します。 
ステップ2:持ち物と自宅の戸締まりを確認する 必要な持ち出し品をまとめます。特に、持病の薬やお薬手帳、粉ミルクや紙おむつなど、現地で手に入りにくいものを優先してカバンに入れます。自宅を出る際は、電気の火災を防ぐためにブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉め、しっかりと鍵をかけて出発します。 
ステップ3:安全なルートで移動する 避難する際は、できる限り2人以上の大人で行動するようにします。また、ハザードマップで事前に確認しておいた、浸水のおそれがある道路や土砂崩れのリスクがある場所を避けた安全なルートを選んで移動してください。 
5. 要配慮者がいるご家庭の防災チェックリスト 
災害に備えて非常用グッズを準備する際、一般的な防災用品(懐中電灯や食料など)はもちろん重要ですが、特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、「他のもので代用がきかない専用品」を最優先で揃えておく必要があります。 
持ち物は「すぐに持って逃げるリュック(1〜2日分)」と「自宅や避難先で数日間過ごすための備蓄(3日〜1週間分)」に分けて整理しておくと、いざというときに迷いません。 
乳幼児がいるご家庭のチェックリスト 
赤ちゃんや小さな子どもは、環境の変化にとても敏感です。避難所などで普段と違う環境になっても対応できるよう、日常使い慣れているものを少し多めに準備しておくことがポイントです。 
リュックに入れる非常持ち出し品(1〜2日分) 
粉ミルク・液体ミルク:液体ミルクは缶や紙パックから直接飲めるアタッチメントや使い捨て哺乳瓶と一緒に用意します。 
使い捨て哺乳瓶・使い捨てカップ:洗う水が手に入らない場所で重宝します。 
離乳食:温めずにそのまま食べられる、スプーン付きのパウチや缶詰タイプを選びます。 
紙おむつとおしりふき:紙おむつは15枚程度。おしりふきは体を拭くシートとしても兼用できます。 
使用済みおむつ用の防臭袋:避難所など密閉された空間での臭い対策に不可欠です。 
抱っこひも:瓦礫が散乱していたり道路が冠水したりしている場所ではベビーカーが使えなくなるため、必ず準備します。 
着替えとスタイ:2〜3セット程度。 
使い慣れたおもちゃ・絵本・お菓子:環境の変化によるストレスを和らげ、子どもを落ち着かせるために重要です。 
母子健康手帳と保険証のコピー:避難先での医療受診や身元確認に使います。 
自宅用の備蓄品(3日〜1週間分) 
ミルクや離乳食のストック:普段消費しながら新しいものを買い足していく「ローリングストック」で常に一定量を保ちます。 
紙おむつのストック:1〜2パック程度。 
ベビースキンケア用品:乾燥や肌荒れを防ぐワセリンやローションなど。 
高齢者・要介護者がいるご家庭のチェックリスト 
高齢の方や介護が必要な方は、環境の変化や衛生状態の悪化によって体調を崩しやすいため、医療用品や衛生用品を中心に備えを固めます。 
リュックに入れる非常持ち出し品(1〜2日分) 
お薬手帳のコピーと常用薬:持病の薬は数日〜1週間分をすぐに持ち出せるようにしておきます。 
予備の眼鏡・老眼鏡・補聴器:補聴器の予備電池も忘れずにセットにしておきます。 
大人用紙パンツ・尿とりパッド:数枚〜1日分。 
義歯(入れ歯)・洗浄剤・保管ケース:水がない場所でも衛生を保てるようにします。 
食べやすい介護食・高栄養ゼリー飲料:噛む力や飲み込む力が弱くなっている方に合わせて準備します。 
トロミ調整剤:誤嚥(ごえん)を防ぐために必要な場合に用意します。 
口腔ケア用ウェットシート・液体ハミガキ:水が使えない状況で口の中を清潔に保つために役立ちます。 
着替えと防寒具:体温調整が難しいため、使い捨てカイロや羽織るものを多めに入れます。 
自宅用の備蓄品(3日〜1週間分) 
常用薬の予備:主治医と相談し、余裕を持って処方してもらうようにします。 
介護食のストック:パウチや缶詰など、長期保存ができるものを揃えます。 
紙パンツや衛生用品のストック:1〜2パック以上。 
全世帯共通の基本チェックリスト 
ご家庭の状況にかかわらず、全員が揃えておくべき基本の防災用品です。 
飲料水:1人1日3リットルを目安に、最低3日分(できれば1週間分)を確保します。 
非常食:水や熱湯を入れるだけで食べられるアルファ化米や、缶詰、乾パンなどを用意します。 
携帯トイレ・簡易トイレ:断水時に最も困るのがトイレです。家族の人数×1日5回×数日分を目安に多めに用意します。 
モバイルバッテリー:スマホの充電を切らさないため、大容量のものを用意しておきます。 
懐中電灯・ヘッドライト:夜間の停電や避難時に必須です。両手が自由になるヘッドライトが特におすすめです。 
現金(小銭を含む):停電時は電子マネーやクレジットカードが使えず、お店の手動お釣りが不足することもあるため、10円玉や100円玉を含めて準備します。 
6. 個別避難計画の作成手順と地域の支援体制 
「個別避難計画」とは、災害が発生したときに自力で避難することが難しい高齢者、障害のある方、乳幼児のいる世帯など(避難行動要支援者)一人ひとりに対して、「誰が、どこへ、どのような方法で避難をサポートするか」をあらかじめ具体的に決めておく計画書(タイムライン)のことです。 
2021年の災害対策基本法改正により、全国の市町村に対してこの個別避難計画を作成することが努力義務として定められ、現在各自治体で取り組みが進められています。 
個別避難計画を作る4つのステップ 
計画を作成する際は、ご本人やご家族だけで悩む必要はありません。自治体の担当者や福祉の専門家と協力しながら、以下の4つのステップで進めていきます。 
ステップ1:対象の確認と情報共有の同意 まずはお住まいの市区町村の福祉窓口や防災課に相談し、自分が自治体の「避難行動要支援者名簿」に登録されているかを確認します。そして、作成した計画や個人情報を、警察、消防、地域の支援者(民生委員や自治体など)と共有することに同意します。 
ステップ2:災害リスクと身体状況の整理 ハザードマップを使って、自宅周辺にどのような災害リスク(河川の氾濫、土砂災害など)があるかを確認します。あわせて、避難時に車椅子やストレッチャーが必要か、医療機器の持ち出しが必要かなど、身体の状況と必要なケアを整理します。 
ステップ3:支援者と避難先の決定 「誰が助けるか」「どこへ逃げるか」を具体的に決めます。支援者(避難支援等実施者)には、近所の住民、民生委員、自主防災組織の人、親戚などから1〜2名以上をお願いします。避難先としては、指定避難所だけでなく、福祉設備が整った「福祉避難所」や、安全な場所にある親戚宅などを選定します。移動手段(徒歩、車椅子、車など)も併せて定めます。 
ステップ4:計画書の記入と地域での共有 自治体が用意している計画書の用紙やウェブフォームに内容を記入し、自治体へ提出します。完成した計画書の控えは、ご本人、支援者、地域の自治会などで大切に保管し、いざというときに使えるようにしておきます。 
計画書に記載する主な項目 
個別避難計画のシートには、災害時に迷わず動けるよう、以下のような項目を具体的に記入します。 
基本情報:氏名、生年月日、住所、緊急連絡先、かかりつけの病院、担当のケアマネジャーの連絡先など。 
避難を開始するタイミング:どの警戒レベルが出た段階で動き始めるか(例:警戒レベル3「高齢者等避難」が発令された時点)。 
避難支援者の情報:主となって助けてくれる人と副支援者の氏名、住所、電話番号。 
避難場所と避難ルート:一時的に集合する場所、最終的に逃げる避難所、危険な場所を避けた安全な移動経路。 
特別な配慮事項:車椅子の操作が必要、持参すべき医療機器や薬品、アレルギーの有無、抱っこ紐の使用など。 
自治体や関係機関によるサポート体制 
個人やご家庭だけで計画を作成するのはハードルが高いため、地域や専門職による様々な支援制度が用意されています。 
ケアプランとの一体的な作成:要介護認定を受けている高齢者の場合、日頃から関わっている担当のケアマネジャー(介護支援専門員)が、日常のケアプラン作成とセットで個別避難計画の作成をサポートしてくれる自治体が増えています。 
民生委員や福祉事業者による訪問聞き取り:障害福祉サービスを利用している方や高齢者の一人暮らし世帯などに対しては、民生委員や福祉スタッフが直接自宅を訪問し、聞き取りを行いながら計画づくりを一緒に進めてくれます。 
地域でのマッチング(調整会議):「近所に頼れる知り合いがいない」という場合でも諦める必要はありません。自治体が自主防災組織や消防団、民生委員などと連携し、地域の中で助けてくれる支援者を探すマッチングの手助けをしてくれます。 
福祉避難所の事前指定:一般の避難所での生活が難しい特別配慮が必要な方については、あらかじめ受け入れ先となる「福祉避難所」を計画の中で指定・調整してくれるケースもあります。 
作成を希望する場合の第一歩 
もし「自分や家族のために個別避難計画を作りたい」「要支援者名簿に登録したい」と思った場合は、まずはお住まいの市区町村の「防災課」や「高齢者福祉課・障害福祉課」、または担当のケアマネジャーや「地域包括支援センター」へ相談してみてください。自治体の手順に沿って、必要な申請用紙の提供や作成のサポートを受けることができます。 
7. まとめと日頃からの備えの大切さ 
災害対策基本法は、過去の数多くの災害と尊い犠牲から得られた教訓をもとに、絶えず見直され進化してきた法律です。そして、その法律に基づいて運用されている「警戒レベル」や「個別避難計画」は、私たち一人ひとりの命を守るために存在しています。 
行政や地域による支援体制は年々強化されていますが、災害が起きた直後は公的な支援(公助)が届くまでに時間がかかることも事実です。だからこそ、「自分の命は自分で守る(自助)」、そして「地域でお互いに助け合う(共助)」という意識が何より大切になります。 
ハザードマップで自宅のリスクを確認する、非常持ち出し袋の中身を点検する、家族や近所の人と避難について話し合ってみるなど、今日からできる小さな備えを一つずつ進めていきましょう。 
8. 防災に役立つ関連商品 
日常生活の中で災害への備えを進めるにあたり、持っておくと非常に役立つ代表的な防災関連グッズをご紹介します。 
液体ミルクおよび専用アタッチメント 調乳用のお湯や衛生的な水が手に入らない停電・断水時でも、缶や紙パックから直接赤ちゃんに授乳できる利便性の高いアイテムです。哺乳瓶を洗う必要がないため、乳幼児のいるご家庭の非常持ち出し袋に常備しておくことが推奨されます。 
防臭袋付き非常用簡易トイレ 災害発生時に最も深刻な問題の一つとなるのがトイレの確保です。水が流れなくなった洋式便器に袋をかぶせ、凝固剤で便や尿を固めて処理できます。高い防臭性能を持つ袋がセットになった製品を選ぶことで、避難所や自宅での衛生環境と快適性を保つことができます。 
大容量ソーラー充電対応モバイルバッテリー 被害状況の確認、避難情報の入手、家族との安否確認など、災害時のスマートフォンは生命線となります。停電が長引いた場合でも対応できるよう、大容量で太陽光からも充電できるソーラーパネル付きのモバイルバッテリーがあると安心です。 







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最終更新日  2026年08月04日 07時08分21秒
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