January 3, 2005
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短い本で言ってることは簡潔なのだが結構難しい。


心の発生
 核酸の発生→細胞の発生→個体の発生→神経の発生→記憶の発生→心の発生

休日に楽しんで読書をするための書とはとても言い難いが、こんな本を読めるのも長期休暇ならではである。

心がはたらく場としての世界の入れ子構造というのもある。

物質世界→生物世界→心の世界
(ひらたく言うと後者が前者に寄生している)

そして世界が世界として成立するためには次の4つの要請を満たしていることが求められる。


基本要素  その体系の最小の要素
基本原理  証明することができない基本中の基本の原理(公理)
自己展開  基本原理が基本原則に則って変化をするときの法則

それを各世界にあてはめると

物質世界

特異点   ビックバン
基本要素  素粒子
基本原理  物質とエネルギーの不変則
自己展開  エントロピー増大則


生物世界

特異点   核酸の出現

基本原理  自己複製
自己展開  自然淘汰


心の世界

特異点   統覚の出現
基本要素  表象

自己展開  意志の自由

と、いうことである。
ちなみに、エントロピーとは無秩序の量的単位である。
物質はほっておけば秩序的なものから無秩序に変化するのに対し、生物の営みはその逆である。
体内において必死に秩序をつくりだしているのである。
冷厳なる物理法則に対してけなげなものである。

本書では、その他記憶の発生による時間、空間の発生、他者の発生、社会の発生、はては生物世界の自然淘汰則に相当する心の世界の規範則の探求等、200ページそこそこの本にしてはその展開が多岐にわたっている。
教科書的知識を身につけたい方にはおすすめである。(実際、読後感としては生物の教科書を読破した感がある)
ちなみに、やたら発生の証明が多いのは著者が発生学の教授だからである。と、思う。







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Last updated  January 3, 2005 05:32:40 PM


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