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2010.10.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類



そうした判断が自分ではできない認知症のお年寄りは従来は家族或いは行政が本人に代わって判断しそれなりに「措置」をしてくれていた。
ところが2000年に介護保険が発足し、福祉サービスの利用者は自分で事業者と契約をして、自分の判断で介護サービスを受けることが出来るようにはなったものの、契約者として自分が直接当事者にならなければならなくなった。
知的障害者も同じで、2003年に支援費制度が施行され、2006年4月1日には法改正により障害者自立支援法が施行され、措置から完全に契約制度に移行したのである。

ところがこれで新たな問題が生じた。
法律的には契約が成立するためには、当事者として「意思能力や行為能力があること」が不可欠な要件として立ちふさがったのである。
認知症患者や知的障害者とはまさにこの「意思能力や行為能力」が欠落している人なのである。従って契約を交わしたところでそれは契約として法的な要件を満たしたことにはならず無効となる可能性が出てきたのである。

それではと本人の代わりに家族が契約したとしても、残念ながら家族というだけでは法律的に代理権がある訳ではなく、たとえ身内であっても法律的には効力が生じないのである。たとえ親であっても子供が20歳を過ぎれば、親権である「身上監護権」も「財産管理権」も喪失する訳だから、単に親だから言って子供の代わりに契約は出来ないのである。
それなら本人と家族と代理契約を結べば良いかと言えば、本人が「意思能力・行為能力」が欠落している訳だから、この契約も法的には成立しないことになるのである。


成年後見制度を利用する場合、まず本人の配偶者や4親等以内の親族が家庭裁判所に後見開始審判の申し立てをすることから始まる。
本人の判断能力の程度によって「後見・保佐・補助」の3類型があり、その決定によって代理すべき行為の範囲も異なるが、まず診断書を添えて申し立てをすると家事審判官は医師に本人の精神状態について鑑定を依頼することになる。
医師の鑑定と平行して、家裁の調査官が本人と申立人に面接し、本人の状況や意向を確認をし、調査や審問や鑑定診断書の内容を家事審判員が総合的に判断して、後見開始の可否と成年後見人等を決定することになる。

前置きが長くなってしまったが、本題はここからである。
私には施設にお世話になっている知的障害者の姉がいるが、母が死亡してからは私が保護者としての役割を担っていた。ところが前述のように支援費制度が施行されてから施設のサービスを受ける為には契約が必要となり、本人を代理する契約者として法的な立場が必要となった。そこで早速家庭裁判所に医師の診断書を添えて「補助」の審判の申し立てをしたのである。
ところが驚くべきことに、家裁からは「保証」を飛び越して、いきなり判断能力の欠落の程度が最も高い昔の禁治産に該当する「後見」で審判を開始する旨の回答があったのである。

これになぜ驚いたかと言えば、彼女が知的障害者であることを示す自治体が発行する「療育手帳」では障害の程度が軽度であるとして「B1]と認定されており、厚労省が管轄する障害基礎年金の障害等級は「2級16号」でこれは中軽度者に対する支給額になっていたからである。
それが法務省の管轄する法定後見人制度では、姉は判断能力がもっとも欠落している重度の「被後見人」と認定されたのである。
ところがその後、障害者自立支援法の施行にともない新たに「障害程度区分」が1~6段階に設定され、その区分によってサービス内容や給付額が決定されることになり、またもや姉は認定調査を受けることになった。その認定の結果は中程度の「4」であった。これは入所資格が認められる最低ラインの認定であった。おまけにこれは3年ごとに認定が繰り返されることになる。

管轄の省庁で同じ障害者を「軽度」と判断したり、「中度」と認定したり、「重度」と見なしたりこの整合性のなさはいったい何なのであろうか。
せっかく多額の鑑定料を支払って審判して認定して貰った「被後見人」であるから、せめてこれに該当する人は、障害基礎年金は「1級」に該当し、障害程度区分は一々認定調査なしで最低でも「4」以上に認定するとでもすれば、随分とスッキリすると思うが、これは所詮叶わぬ戯言であろうか。





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Last updated  2010.10.06 11:50:23
コメント(10) | コメントを書く


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Re:戯言(たわごと)(10/06)  
まゆはけ  さん
成年後見制度の手続きは大変だと友人が言ってましたが・・・
認知症の義母を施設に入れる為に、条件として成年後見制度の手続きが必要だった要です
この進んだ世の中でお役所仕事だけが何故だかアナログでと思うのは私だけかしら・・・
一つの事を行えば全てに通じるシステムの開発は役所には無理なのでしょうか! (2010.10.06 14:05:16)

Re[1]:戯言(たわごと)(10/06)  
まゆはけさんへ

障害者に関することだけでも、この10年で措置制度から支援費制度に変わり、この支援費制度の利用者が一気に増えて財政が破綻し、今度は障害者自立支援法に改正になりました。そしてこれは悪法だとの大合唱で民主党政権ではこれを廃案にし、抜本的な改正制度を模索すると公約しています。
おかげで関係者はそのたびに右往左往で、複雑怪奇なシステムとなってしまっています。
悲しいかなこれまでの経緯を見るかぎり、今のような縦割りの行政では、すべてに通じるシステムの開発など夢のまた夢の物語だと思っています。 (2010.10.06 15:28:08)

Re:戯言(たわごと)(10/06)  
たまよ1066  さん
管轄の省庁で同じ障害者の程度の度合の整合性がないのは私もおかしいと思います。一つの基準に決めるのと
専門家が判断を行うべきだと思っています。 (2010.10.06 19:45:39)

Re:戯言(たわごと)(10/06)  
管轄の大元がそれぞれに違っているからなのでしょうか。

しかも、こちらでは軽度、あちらでは重度、どんな基準があるのでしょう。
どれも国の上の機関だとしたら、一番重いものに合わせるとか、一番新しい基準に合わせるとか、そういったことって出来ないものなのでしょうか。

法律そのものもよくよく考えて行けば、おかしいなと思うことってあるんですね。それなら、法律を作る際に、法律の専門家がもっときちんと見極めるとか、一般人に当てはめたときに違和感が生じないのか、とか、そういったことはおざなりにされているのでしょうか。

お役所仕事も横のつながりがあまりないのでこういうふうになるのでしょうね。
何とも不思議な結果になってしまったんですね。 (2010.10.06 20:40:26)

Re[1]:戯言(たわごと)(10/06)  
たまよ1066さんへ

たとえば「療育手帳」ひとつ取ってみても、自治体によっては違う名称を使っていますし、この手帳を提示すると受けられる特典も必ずしも全国で通用するわけでもないのですよ。

障害者自立支援法による障害程度区分の調査は、第一段階では市町村役場の職員が聞き取り、それをコンピュータに入力することから始まりますので、職員の聞き取り方の熟練度によって大きな差が出てきます。このこともたいへん問題になってはいますが、色々おかしなことが生じています。 (2010.10.07 09:34:18)

Re[1]:戯言(たわごと)(10/06)  
もっちんママさんへ

新しい法律が出来るたびに、官庁は新しいシステムも作ります。従来からあるものを統合したり活用したりするのは、自分の省庁の沽券にかかわるとでも考えているのでしょうね。

その結果が、この整合性のない複雑怪奇な現象を生んでしまいました。一番迷惑をするのは、その対象になる当事者ですが、役所はそんなことはちっとも考えていないようです。
(2010.10.07 09:41:36)

Re:戯言(たわごと)(10/06)  
Mrs. Linda  さん
これは非常に難しい問題ですね。お役人は物事を難しくしますから。

私達のように身寄りのない者はどうなるのか心配です。 (2010.10.08 10:08:30)

Re[1]:戯言(たわごと)(10/06)  
Mrs. Lindaさんへ

日本の官僚は、皮肉でなくてほんとに優秀だと思います。
ただ日本製品が、たとえば携帯電話にしても高機能すぎてグローバルスタンダードになれないのと同じように、官僚もそれ故に民間スタンダードになれないのかも知れません。
シンプルイズベストの発想をもっともっと取り入れて欲しいと念願しています。 (2010.10.08 10:16:54)

Re:戯言(たわごと)(10/06)  
灯里☆  さん
何回も呼んで勉強になりました。身内にいないと関心がなく覚える気にも慣れなかったのですが友人のNさんのお母さんは施設と家の交代で入退会しています。財産があるのでぼけないうちにと弁護士を入れて財産の相談をしているのですが証明書が認知症になっていない事の診断書が必要になっても本人が受診拒否しているのですすまないそうです。97歳なので明日の事は分からぬのに。お母さんはいつも世話をしているNさんにあげるといっても姉妹が横車を押します。
財産があるのも争いの元になりますね。nさんは何もほしくないからたまには他の姉妹もお母さんの世話をしてほしいと嘆いています。精神障害の施設も法が変わるたびに他お変だといっていました。 (2010.10.10 09:18:05)

Re[1]:戯言(たわごと)(10/06)  
灯里☆さんへ

契約制度である支援費制度が始まったとき、行政指導もあったと思いますが、後見人制度の利用が大前提の様な雰囲気でした。おそらく利用者側の負担増やすでに施設を利用している人たちがすぐには成年後見人制度の導入が図れず、大混乱状態に陥りました。
そのような状況から、契約も正式にいえば法的に妥当と言えるモノではなくても見過ごされ、厳しく言われなくなりました。
そのためその後は後見人制度を利用する人が増えていないようですが、本当は知的障害者については、保護者亡き後を考えると、はやく成年後見人制度を導入していほうが、将来はきっと本人の為になると信じています。 (2010.10.10 09:45:08)

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