自分の玉手箱

自分の玉手箱

初めて結ばれた夜




主人がしばらくの間いなくなってしまった。

主人が発った翌日、私たちは飲みに行った。

楽しいひと時を過ごした後、私は自宅とは逆方向のタクシーに彼と同乗していた。

一人暮らしの彼の部屋は狭くて雑然としていた。

私たちは、もう一人の友人と泊まった時のようにセミダブルのベッドに平行に横たわる。

でも、いつまでも平行のままではいられない。

触れ合ううちに私の体は悦びを感じていた。

そこまでいっても、私はなお一線を守ろうとしていた。 一線を越えさえしなければ、深入りせずにすむと思っていた。

たくさん抱き合った後、私たちは再び平行に横たわった。

上を向いて目を開いたままの彼は、「悶々としてねむれない」と言った。

そんな彼の辛そうな表情を見た私は、もはや弱い女と化していた。

そして、私たちは短い間だけ結ばれた。

その時は本当に短かったけど、これがその後の二人の関係のありかたを変えた。





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