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「ぼくは、音楽になりたい」。ドイツのニュルンベルク駅で、オルガニストであるヨーゼフはそう言った。その道の最高権威ラインベルガー教授より全てを受け継ぐべき男であった。しかし、彼は事故にあい、右半身不随となってしまう。絶望を知りながらも、吹っ切れたかのように気丈に振舞っていたヨーゼフはある日忽然と姿を消す。それから9年・・・ブエノスアイレスより一枚のディスクが届く。

「ぼくは、音楽になりたい」


面白かった!今年一番かも。
第10回ファンタジーノベル大賞受賞作だそうです。初め読んでいるうちは「どこがファンタジー?」という感じですが、実は設定が2004年なんですねぇ。徐々に要素が出てきます(SF的ですが)。でも私は全然気になりませんでした。
オルガニストの話ですから、当然音楽用語がよく出てくるのですが、文章がとてもすっきりしているので読みやすく、音楽(特に楽器やクラシックに関する)知識がなくても問題ないと思います。
まぁ、そんなことより内容にいくとして。
科学と芸術の融合、音楽と言葉と意思の融合、ミステリの要素もある。何よりも一人の天才の狂気ともいえる到達点への渇望の物凄さ。ここまで人間は思いつめることが出来るのでしょうか?特にラストは圧巻です。果たして彼には神がおりたのか、悪魔がついたのか。儚くて切なく、残酷ですらあるけれども、美しい物語でもあると思います。

瀬名秀明さんの解説によると、この話は文庫化にあたって大幅な改稿があったようです(私が読んだのは文庫)。視点を三人称から一人称へと。なのでここでは、テオというヨーゼフの友人の視点で書かれています。テオは音楽家ではありますが、所謂一般的な人物であり、天才ではない。その彼の眼からヨーゼフが捉えられているから、余計凄さが伝わるのでしょう。余談ですが、新人賞を文庫化する際の大幅な改稿のもう一つの例として『ジャガーの男』が挙がってました(この場合は一から三人称)奇遇ですこと(笑)

山之口洋は(ヤマノグチヨウ)と読み本名のアナグラムのようです。


 読書中 『丹波家殺人事件』 折原一





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最終更新日  2003年03月10日 00時27分19秒
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