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妻の葬儀後、刑事を辞めた男は、久しぶりに京都の神護寺を訪れた。

命日であるこの日、そこには白い花の束が・・・表題作他6編収録の短編集

少しかわった題名ですが、京都を舞台にしたミステリー短編集です。(連作ではない)
(貴船菊はキク科ではなく金鳳花科のようです。写真をみたらコスモスみたいでした)
もっとも、事件を仰々しくあつかっているのではなくて、それよりも人の心のうつろい、邂逅なんてものに焦点をあてています。

古都・京都。
祇園祭り・宵々山・粽(ちまき)、大文字・送り火、八坂神社・おけら参り、節分祭、方相氏・・・などなど。私は修学旅行等で行ったくらいなので観光地としての顔しか知りません。が、『一夜飾りの町』などは、生活の匂いを感じられて、こういう京都もいいです。

全体的に恋愛小説といった趣が強いです。

ミステリーとして結末に唸った!とかいうのはそれほどでもないのですが、人の情念だとか、巡りあわせだとか、不思議な縁というようなものの見せ方がとても巧いなぁと思います。
好きなのは『銀の孔雀』と『幸せの方角』かな。

柴田よしきさんは、【緑子シリーズ】しか読んだことがなくて勢いと迫力とパワーで読まされてしまう(笑)ので気づかなかったのですが、こんなに落ち着いてしっとりとした文章だったんですね。
そして【自分は女だと思っている人のため】に書くというのが念頭にあるそうです。
私が読んでも、「こういう女はいないだろ」と突っ込みをいれたくなる話は結構あります。やけに都合が良かったり、聞分けが良かったり、何にも考えてなさそうだったり、とにかく不自然な感じ。
なので【緑子シリーズ】を読んだ時は衝撃がありました。お飾りではないハードボイルドの女性の登場人物だったので(もちろん主役ですが)
男性が読んでも楽しめると思いますが、女性でなければわからないところなんてのも当然あるのでしょうね。(その逆もまたしかり)

それにしても多作!!他にもシリーズものがあるようだし。
次、柴田さんを読むときは何にしよう? ホラーか。





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最終更新日  2003年05月19日 23時19分01秒
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