おたる家ママの楽しんでくれたらいいな日記

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2007年08月29日
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カテゴリ: エッセイ
こんばんわ

 夜はめっきり涼しくなったような気がします。店が終わって帰って来る頃は車のエアコンは

切っても大丈夫なくらいですね。もともと冷房がキライな私。夏でも冷房なしで寝ています。

北海道はクーラーいらずですから、東京に引っ越してクーラーのお世話にならないと、夏は生

きていけなくなってから、体調がくずれたような気がします。

 喘息になったり、手足にひどいアトピー性皮膚炎ができたりと、ひどい状態でしたが、この

マンションに引っ越して来て、クーラーを使わなくなったら、調子がよくなりました。

 体を冷やすのはよくないですね。汗をかかないといけません。


 ウチの娘の事故の相手と車を買ったディーラーで話し合いをしました。登場した3人組を見

て倒れそうになりましたね。一人は右の肩から手の甲の近くまでタトウーが入っているではあ

りませんか。後の二人はB系と言われるファッションです。私の目には3人がチンピラチック

に見えます。今時の男の子なんでしょうが、タトウーが入った若者と話しをするのは、生まれ

て初めての経験です。みんな22歳ととても若い。ウチの娘とかわりません。

 驚いたのが、みんなちゃんとした敬語が使える事です。金髪タトウーのお兄ちゃんは、見た

目と違ってとても丁寧な言葉使いです。

 「俺達の見た目で判断しないで下さい」なんておっしゃいます。

 次の日ちゃんとお金は振り込まれ、今娘の車は修理に出しています。

 事故の相手(金髪タトウーじゃない人)は最後まで免許証を見せてくれなかったので、きっ

と無免許なんじゃないでしょうか。修理の明細書をつかんでいる指先が、ふるえてました。

 任意保険も切れてて使えないとのことなので、22歳の若者にとって10万以上のお金は、

痛い出費だったことでしょう。でも、自分のしたことの責任はとらなければなりません。

 次の日ちゃんとお金が振り込まれていました。90%以上、お金はもらえないと思っていた

ので、ホッとしました。

 B系のお兄ちゃんの、ちゃんとした言葉遣いにいたく感心し、人は見かけによりませんと思

った出来事でした。






母の庸子がうつ病になったようだと、姉の雅美から連絡を受けた香夏子は深く心が沈みこん

でいくのを感じていた。

 70歳になる母親のそう長くないであろう残りの人生に、暗い影を落としたのは自分だと思

うと涙がとまらなかった。

 雅美は香夏子のせいではないと言うが、庸子はとても真面目な性格だ。40歳をすぎた娘を

こんなふうに育ててしまったのは、自分の責任だと感じたに違いないのだ。

 あのひどい別れから1年半がすぎた。庸子はこの1年以上、ずっと自分を責め続けていたに

違いない。大人になり自分の手の届かないところに行ってしまった娘のしでかした事を、自分

の責任と感じ、ふさぎ込んでしまったのだろう。

 香夏子の父親と離婚してから再婚もせず、娘二人を育て上げ、何の不自由もなく暮していけ

るはずの母だったはずだ。それを壊してしまったのは自分なのだ。

 香夏子は申し訳なさでいっぱいになるが、母のうつ病を治してあげることはできない。うつ

病は自分との戦いだ。見守っていることしか、なす術がない。

 夫の慶司との関係は最悪なままだ。そのことがなお更、庸子の心配の種となり、庸子の心を

壊していった原因なのだ。

 慶司は相変わらず香夏子の前には姿を見せなかった。もう1年以上慶司とは言葉を交わして

いないことになる。姿さえ見せない夫。プライドを傷つけられた夫の心は、もう二度と元に戻

ることはないだろう。次男の裕貴に、お母さんとはお前が高校を卒業したら離婚すると、言っ

ているらしかった。

 「お母さんとお父さんは僕が高校を卒業したら、離婚するの?」

 「お父さんがそう言うのなら、きっとそうだと思う」

 「だからお父さんは家に帰って来なくなったの?」

 「そうね。お父さんはもうお母さんが嫌いみたい。でも裕貴や惇のことは大切に思っている

と思うわ」

 うつむいた裕貴の目に涙がたまっている。裕貴はとても繊細でやさしい男の子だ。この春か

ら高校生になった。少年から大人への入り口に立った裕貴の目に自分達両親はどう映っている

のだろうか。このまままっすぐに育ってほしいと、香夏子は心から思う。

 20歳をすぎた長男の惇は、香夏子を許してはいないが、少し大人になったようだ。

 「父さんは父さん。母さんは母さんで生きていけぱいい。僕は母さんのしたことは許せない

けど、母さんと話そうとしない父さんもどうかと思う」

 香夏子には返す言葉が見つからなかった。ただ涙があふれていた。


 その日は朝から雨だった。春の冷たい雨がふとそんな気にさせたのか、香夏子は大通り公園

のはずれにある窓の大きなカフェに入った。昼過ぎから母の庸子の様子を見に出かけた帰りな

のだ。午後4時という中途半端な時間のせいか、店はすいていて、窓際の席に座る事ができ

た。暖かいコーヒーを注文し、ぼんやりと外をながめる。お使いにでた若いOLだろうか。パ

ンプスを気にしながら、ガラスの中の香夏子の前を急ぎ足で通り過ぎる。

 多分自分とは一生かかわる事のない、通り過ぎていくだけの人を見ているのが香夏子は好き

だ。

 だんだんと外が暗くなってきた時、窓ガラスに見覚えのある顔があった。同じ札幌に住んで

いれば、こんな事かあるかもしれないと思ったのは、逢いたくないという恐怖だったのか、逢

いたいという期待だったのか、香夏子にはわからない。

 香夏子の席の後ろ側のカウンターに、ハヤがいた。

 「ずっと香夏子を見てた。元気だったか?」

 席をたって、コーヒーのお金を清算し、この場からいなくならなければならない。香夏子は

そう思うのに、そこから一歩も動けないでいた。

                             つづく





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最終更新日  2007年08月30日 03時01分30秒
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