猫のオトヒメ騒動記

猫のオトヒメ騒動記

ヒメの闘病


同様の症状を抱えた飼い主さんの役に立ちますように・・・。

以下の文章は、ヒメが最後に通院した病院へのお礼状です。
一部を削除してありますが、病院にお渡ししたものとほぼ同じです。

現在もこの病院には、家族の猫が通院しています。
オトメも、落ち着いたら検診に連れて行く予定です。


拝啓

新緑の候、本間獣医科医院磐田本院の皆様には益々ご多忙にてご活躍のこととお慶び申し上げます。

この度は、ヒメの治療をしていただき、ありがとうございました。
以下、1.ヒメの最期に関するご報告、2.皆様へのお礼、3.安楽死に対する私の思い、4.ヒメの治療について、5.オトメのこと、の5点を記しました。何卒ご高覧下さいますよう、お願い申し上げます。

1. ヒメの最期に関するご報告
 最期を迎えた日は、病院から帰宅する際に元気が無かったものの、何だか少し嬉しそうにキャリーの中から外を見ていました。帰宅直後は、自力で歩けそうになかったため、ベッドスペースにしている押入れの近くまでキャリーに入れたまま連れて行き、そこから自分でベッドスペースに入りました。
 数時間後、自分で部屋から出て3メートルほど先のトイレまで行き、ウンチをしてくれました。意外なことに、少し茶色がかった形の良いものでした。トイレから出ることは出来ませんでした。こういう場合も、彼女は私がいるときにトイレを使うくらいの知能があります。
トイレから抱き上げてベッドスペースまで戻したところ、自分で寝る場所を少し変えて、押入れの奥に顔をうずめるようにしていました。しばらく観察していたところ、ウンチを失禁していることに気づき、オシリを拭いてあげると、嬉しそうに横たわっていました。このときのウンチは、トイレでしたものより柔らかく、山吹色でした。
 オシリを拭いた後は、自分で再びベッドスペースの中の暖かい場所に移り、しばらくは、力なく横たわりながら、仔猫のように少し気持ち良さそうに前脚で踏み踏みの仕草をしていました。
 脚が少し冷たくなっていることは、退院時から気づいていたのですが、これが低体温かも?と思いながらも、未だ信じられずにいました。また、後に気づいたのですが、私が目を離している隙に、別の部屋まで行って胆汁を吐いていました。緑色でした。
 夕刻、水を飲ませてやろうと、お気に入りの白い毛布を私の膝に敷き、抱きかかえると、前脚を私の太腿の上に乗せて可愛らしいポーズになりました。毛布ごと抱きかかえて移動させ、毛布の上でシリンジで水を飲ませようとしたところ、苦しがって吐き出しました。そして、口を開けてうめき声を上げました。これが、ヒメの最期の声でした。
 私は、未だ最期であるとは判らず、ヒメの頭を手のひらにのせ、水で濡れた口元をぬぐい、さらに口回りの垢を擦って落としてあげると、私の手の中で、気持ち良さそうな表情をしてくれました。この後、段々動かなくなり、これが死なのか??と戸惑う私が頭を抱き身体を撫でている間に、最期を迎えたようです。
 まだ生きているようにも見えるヒメを一旦ベッドスペースに戻した後、何度も「ありがとう、一緒にいてくれてありがとう、10年間楽しかった・・・」と言い続けました。
20分くらいあとだったでしょうか。後ろ脚を触ると硬くなっていました。

2. 皆様へのお礼
 ヒメの治療については、獣医師の皆様は勿論、看護師の皆様にも大変お気遣いいただきまして、ありがとうございました。殊に「黒縁メガネ(の一個人)が大嫌い」という彼女のために、外見を変えようとしてヒゲを増やしたり、マスクをして下さった皆様、本当にありがとうございました。お礼が遅れまして申し訳ございません。
また、入院中も大変優しく接していただいたと思います。帰宅後、ウンチの失禁という彼女にとってはかなりプライドが傷つく筈のことでさえ、拭いてあげればすぐに喜んだので、判ります。
 退院時の様子から、ヒメは小沢看護師をかなり気に入っていたように思います。優しく接していただいたのだと思います。ありがとうございました。
 喜多看護師には、最初に訪れた日から丁寧に接していただき、殊にヒメが異常な状態になった日(5月3日(日))にも、電話と診察に優しく対応していただきました。お陰で、私が安心することができました。

 獣医師の皆様には、それぞれに得意を生かして治療にあたって下さったと思っております。

 土川先生には、最初の通院日で高アンモニア血症を教えていただき、5月8日(金)には弱ったヒメから細い針で採血をしていただきました。

 長竿先生の皮下輸液は、4月下旬の通院当初から、帰宅後すぐにオシッコに行くことが少なく、体内に少しとどまった後に出てくることが多かったように思います。アンモニアを流す目的で行っている皮下輸液としては、とても上手だと思いました。
 5月3日(日)には、静脈点滴ではなく皮下輸液でヒメの後ろ脚が動かないことを改善して下さいました。輸液後、数時間で元のおとなしいヒメに戻りました。これは、食事が少しでも減ると危険な状態(かなり痩せ、食べた分だけ体重が増え排出した分だけ体重が減っているような状態で、私は「殆ど質量が保存されている」と申したことがあります)だったヒメにとって、良い方法だったと思います。この日、先生が見せて下さった強制給餌のお手本は、怒りまくるヒメに動揺している私にとっては、落ち着くことのできるものでした。
当方からお願いした多めの皮下輸液に関しては、私は肺水腫を心配したのですが、処置の後に、しばしば聴診器で確認して下さっていました。
 5月7日(木)には、診察だけでヒメの静脈点滴の必要性が高いことを教えて下さいました(その日は、カロリーエース30ml程度を食べていたので、翌日、土川先生に相談することにしました)。

 中井先生には、何度も給餌の励ましをいただき、5月上旬には、猫缶をいただきました。翌日、アイシアのペースト状の缶フードを少しだけ舐めました。ビリルビンさえなければ、自分から食べることが復活したかも知れない時だったと思っています。

 深夜に通院した際に診察していただいた先生(掛川の先生と仰っていました)には、投薬の内容について、丁寧に説明をしていただきました。本間獣医科の獣医師の中では、インフォームドコンセントが上手な方だと思いました。

 皆様、ありがとうございました。

3.安楽死に対する私の思い
 安楽死に関しては、未だに結論がありません。
 入院3日め、苦しそうに頭を上下させるばかりで、周囲の状況が判っていないような姿を見ると、もし治らないのであれば、到底続けさせることはできない、と思いました(質量が保存されているような時期の後、3日間殆ど何も食べていなかったので、極度の栄養不良だったのかも知れません)。
 その一方で、最期の日、明らかにヒメは未だ生きる意思があったと思います。自力でトイレまで行ったのがその意思の表れの一つだと思っています。入院前の生活を普通にしようとしていました。私にとっては、最期まで、そんなプライドを持った「おヒメさま」でした。ヒメが頑張っている姿を見ると、何とか生かしてあげたかったと思うのです。

4.ヒメの治療について
 肝臓の疾患に由来する高アンモニア血症と高ビリルビン血症については、土川先生が「退院の時期がわからない」と仰ったくらい難しい病気だと思います。過去に聞いた話では、ヒメのような症状は、若年期に野良猫として過ごし、飢餓を経験してあばら骨が浮いたような状態で拾われた猫のシニア期に多いそうです。
 どうか今回のヒメの治療を、今後、同様の症状を抱えた猫の治療に役に立てて頂きたく、素人ではありますが、私の意見をお伝えいたします。獣医師の先生達に対して、僭越ではありますが、どうぞご容赦下さい。

4.1 退院の時期について
 退院に際しては、「ビリルビンを体外に出すこと」「臓器が正常に近い状態で働いていること」「必要な栄養を摂取できていること」が、判断基準になると思います。
 ビリルビンを体外に出すことについては、オシッコの色で判断できるかも知れません。
 臓器の状態については、消化器に関しては嘔吐の有無とウンチの状態を見る必要があると思います。心臓と肺臓については、ひとまず聴診でしょうか?
 また、退院後、帰宅してからの様子を考えますと、少なくとも「栄養不良による死亡」を死因の可能性から除外することは、長期の入院により出来たかも知れない、と思いました。
 5月初旬、ヒメの体重がほぼ一定になり、強肝剤の助けを借りて、トイレに自力で往復できていた頃は、カロリーエースを1日に40~50ml程度食べていました。一方、1日に10mlや20ml程度の時には、少し苦しそうでした。
したがって、少なくとも40ml/day程度の食事を数日間続けた後に、静脈点滴を外せばよかったかも知れないと思っています。

4.2 高ビリルビン血症の確認について
 4月18日(土)の血液検査では、ビリルビンは正常値でした。その後、5月8日(金)に検査するまでの間に、血液中にビリルビンが溜まったと考えられます。この間に静脈点滴をしていれば、長竿先生が仰った「みたことない数値」にならずに済んだかも知れない、と思います。
 今から考えると、血液検査をするキッカケになりえたと思う時は少なくとも以下の4回です。
 1. オシッコの色がかなり薄いローズピンクになっていた時。
 2. アンモニアによる嘔吐と思われるものが少し減り、自力でトイレに往復できるようになった頃(5月初旬)、つまり肝機能が少し快復したと思われる頃。この頃、赤っぽかった鼻がピンクに戻り、鼻についていた黒い垢が落ちました。
 3. 肝性脳症を疑われる症状で、後ろ脚が動かなくなり、ヒメが怒りまくった日(5月3日(日))。但し、この日の血液検査は、私がお断りしました。
4. ウンチの色が綺麗な黄色だった日(5月4日(月)から7日(木)の間だったと思います。)

4.3 5月8日(金)の血液検査の結果について
 5月8日(金)の血液検査の結果については、当日、土川先生から以下のことを教えていただきました。
(1)ビリルビンの値が高いので、吐き気が生じていると思う。ALPの値が高いので、胆管のあたりに問題があると考えられる。
(2)GOP、GPTは、少し良くなっている。アンモニアも少し下がっているが未だ高い。

私は、その場では、その他のことを数値を見ても判りませんでしたが、データを自宅に持ち帰り、自分で考えたことと、それによる結論は以下の通りです。

(1)アミラーゼの値が異常に低く、中性脂肪の値が高くなっているので、膵臓の状態が悪い可能性が考えられる。
(あ) 膵臓が悪いと嘔吐や食欲不振があるので、肝機能を快復することが難しい。したがって、ヒメが十分に食事を取れるかを注意する必要がある。
(い) 膵臓の状態については、血糖値が正常であるので、後は、ウンチを見ると良いと思う。
(う) 仮に胆管の異常が膵管や膵臓のあたりで起こっているとすると、快復が難しいかも知れない。
(2)ビリルビンとALPが異常値である一方で、コレステロールは正常値である。肝酵素の値も改善している。また、BUNは正常範囲に戻っている。入院中の症状は、オシッコでビリルビンが流れているが、目や耳に黄疸の症状は出ていない。
 (あ) 症状より、血液中のビリルビンは、肝臓由来のものであり、肝酵素及びBUNの値とともに、肝機能が快復してきていると考えられる。
 (い) コレステロールが正常値ならば、胆管の全てがふさがった状態ではないと思う。
 (う) コレステロールとビリルビンは、分子量はさほど違わないが、ビリルビンは5員環が4つ連なった構造であり、さらに抱合などがあるため、かなり大きい。酵素であるALPも大きい。分子レベルの大きさの違いにより、胆管を通り抜けるか否かが変わるのであれば、胆石などでは無さそう。
 (え) 白血球は正常値であるため、血液検査の時点では、炎症も無さそう。但し、正常値の中で、過去より少し高くなっていることをどう考えるのかは、私には判らない。
 (お) (あ)から(え)より、胆管の異常は肝臓の中で起こっている可能性が高い。肝臓が脂肪肝等により膨らんで胆管を圧迫したか、肝臓の快復に対して肝臓内の胆管の快復が遅かったために、ビリルビンが血液中に流れ出ることになったのかも知れない。
(3)クロールについては、残念ながら採取する血液の不足により、測定不能でした。もし測定していれば、腎臓の状態を推測することができたと思います。

 なお、ビリルビンが血液中に増加することで吐き気が生じると言う説明は、当初理解できませんでした。自宅でゆっくり考えて、ようやく「血液が汚れすぎることにより、恐らく酸素を運搬する能力が低下するのだろう」と思いました。もしかしたら、酸素を必要とする細胞に対して、ビリルビンがヘムと拮抗しているのかも知れないとも思います。
 膵臓や血流(心臓)の機能低下が、酸素不足等による一時的なもので、ビリルビンを排出すれば戻るものかどうかは、症状で確認するしかない、と考えました。
 したがって、上記(1)(2)より、静脈点滴により、ビリルビンをオシッコで体外に排出させてやりつつ、食事とウンチの様子を観察すれば、もしかしたら、快復するかも知れない、と言うのが私の結論でした。

 入院期間を通じて、土川先生からは快復を期待できるという説明はありませんでしたが、静脈点滴を外せば必ず死ぬと言う説明もありませんでした。そもそも、退院の決定は、静脈点滴を一旦外し、様子を確認した後に、夕方又は翌日に退院することになっていました。

 この状況で、自分の結論が正しいのかは、戸惑いがありました。

 (仮に、私の結論通りの治療を先生からオファーされる場合には、「静脈点滴を長期に亘って継続し、食事による栄養補給を続ければ、ある程度の快復の可能性があるが、静脈点滴を外した後に、高ビリルビン血症が再発するか、また他の症状が発生するかは不明です。」と言われることになると思います。経費もかかることなので、どの飼い主でもやることかは判りません。)

 入院中の症状は、当初予定していた入院期間(2泊3日)では、食事の改善は全くなく、3日目に面会に行った際には、ケージの中で苦しそうにしているヒメを見ました。しかし、その翌日(3泊した後)には、ヒメは周囲の様子を気にしてケージの奥で後姿になっていました。土川先生からは、その日の朝5mlのカロリーエースを食べて嘔吐していないと教えていただきました。その後、食事量は、少しずつ増え、退院日(5泊した後)の朝には、一度に10mlを食べてくれていました。
 ウンチに関しては、4泊した後(静脈点滴を外した日)に、面会に行けなかったので、電話で様子を聞いた際に土川先生に尋ねたところ「(本日)黄色の柔らかいウンチが少量出ていた」との回答でした。この状態で静脈点滴を外したことに、かなり驚いたのですが、少量の食事をしているので外しているとのことでした。

 4.1に書いたことと重複しますが、症状から考えると、もう数日入院させておけば、食事により体力の快復が進み、その間に肝機能の快復とビリルビンの排出が進むので、もしかしたら助かったのでは、との思いがあります。

4.4 給餌とウンチについて
 カロリーエースによる強制給餌(シリンジご飯)のタイミング等について書いておきます。
 食事は、疲労させないために時間をかけずに手早く・・・とも思いますが、一人でやっていたこともあって、逆に時間をかけてゆっくりしていました。5mlを食べさせては、5分程度休ませることを繰り返しました。食事の量によりますが1度の食事に30分くらいかけていました。休んでいる間に、オシッコを失禁されたことも何度もありました。

 高ビリルビン血症になるまでは、1度の食事で15~20ml程度を給餌する場合、腸の働きが普通でしたら、その直後に少し寝たりした後(私一人で給餌するので、猫パンチがあり、ヒメが疲れると思います)、約3時間後に苦しそうになります。大体は、伏せの姿勢で頭を上げたり、壁に寄りかかったりします。頑張ってアンモニアを吐いているようです。かなり臭くなっています。食事を終えてから5~6時間後には、少し楽になるようです。
 皮下輸液と同時にH2ブロッカーを投薬してもらいましたが、これが有効になるのが、おおよそ、皮下輸液から3時間後で、そこから24時間程度効いているようです。したがって、昼12時前後に皮下輸液をするとして、夕方4時から6時頃、夜11時過ぎ、朝6時~8時頃(苦しそうな時間が皮下輸液から23時間後程度に収まるので吐き難い)、の3回が食事タイムになります。
 また、オシッコの直後だと吐きやすかったと思います。特にビリルビンが溜まっていった頃に、その傾向が強かったと思います。

 便秘をしている間は、食後2~3時間程度は比較的元気にしていました。食後4~6時間後くらいの間に、アンモニアを吐き、7~8時間後に楽になるようです。複数頭いるため、ウンチの確認が難しく、便秘をしているのに気づかなかったのですが、この時間のずれている期間が大体便秘していた間と一致していたように思います。偶然かも知れませんが、参考になれば良いのですが・・・。

 他の猫のウンチと区別できる点は、ラクツロースによる軟便であること、ウンチに毛が入っている場合はギラギラ光るが、グルーミングをしない場合はつるんとして毛が入っていないこと、です。綺麗な黄色(カロリーエース色)のウンチは、要注意(すぐに血液検査をした方が良かった)ですネ!

 入院直前、殆ど食べられなくなる前の日は、1回の食事に5ml食べさせては30分休むことを繰り返しまして15ml程度を食べさせました。これで何とか24時間で30ml程度を確保することができました。これにより、静脈点滴を開始した後3日間、殆ど食べられなかったのに、何とか食事が快復するに至ったと思います。

4.5 繰り返し発生したヒメの症状について
 2月下旬以来、ヒメは嘔吐を繰り返しました。
 何度も見られた症状について、一応書いておきます。ご参考まで。
 (1) まず、食欲が無い、又は、少ない日があります。その後、翌日には食欲は快復することもありますが、戻らないこともあります。
(2) おおむね(1)の翌日か翌々日くらいに、ふるえたり、目つきが悪くなったりします。初期は、不安そうに私を見つめてふるえていました。5月頃になると、特に赤と黄色の両方の強肝剤を使った日には、かなり苦しそうに睨み付けるような目つきになっていました。
(3) (2)の翌日になると、嘔吐が始まります。

 これが、毎回脂肪肝が起きていることを意味するのかは判りません。ふるえが始まった時点では、既に嘔吐は決定しているように思います。

4.6 過去にヒメを診察した獣医さんの話
 ヒメを避妊してくれた獣医さんは、勤務医さんだったため、現在の所属は不明です。今回のヒメの症状を予見して下さった方の一人です。おおむね、上記に書いたことと一致する話をしてくれたと思います。・・・が、私の記憶はしばしば欠落や間違いがあることがあるので、正しいかは不明です。
 上記の他には「5月上旬の肝性脳症を疑う症状があると、快復率が下がる。これを避けるためには、4月上旬からシリンジによりカロリーエースを給餌していると良い」と仰ったと思います。「0.5缶/dayでも何とか快復するが、1缶/dayだと、肝性脳症を疑う症状が出ず、ほぼ快復すると思う」と言われたような記憶があります。
 また「一般に飼い主は、4月前半は、必要栄養カロリーの1割か2割程度を食べていれば猫が歩き回るので安心しているが、獣医はそれでは危険だと知っている。にも関わらず、それを説明する獣医が少ないので、手遅れになることが多い。」とも言われていました。憶えていればよかったと思います・・・。
 東京に住んでおりました際にかかりつけ医だった獣医さん(品川区、オッター動物病院の平田先生)も、ヒメの症状を予見して下さっていました。シニアになって太った後、寒い時期に痩せて嘔吐した場合は、120ml程度の皮下輸液を毎日2週間程度続けると、食欲が戻って快復することが多い、と仰っていました。これを過ぎると強制給餌が必要になると言う話でした。

5. オトメのこと
 現在、私の部屋には、ヒメの忘れ形見のオトメ(10歳、メス)がいます。猫の習性に関して無知な私が選んだオトメは、恐らくそのときの出産で最初にコブクロから出てきた仔。磐田に戻って来るまでの間、2匹と私の3にんの共同生活は、大変ではありましたが、私にとっては、できる範囲で協力しあい、自分の精神年齢やコンプライアンスの理解を高めることができる、良い家族でした。
 ヒメの闘病中には、オトメへのケアが行き届かなくなったのですが、ワガママをいうことなく、ヒメが休んでいるときに私に甘えてくれ、ヒメのために用意したグルメなキャットフードもヒメが食べないときにだけ食べていました。押入れにヒメのためのベッドスペースを設置しても、何ら不思議がらず、具合の悪いヒメのためのもの、と納得しているようでした。
 今後も、オトメの検診や治療などでお世話になることがあるかも知れません。特にシニア猫に多い内科の疾患に関しては、長竿先生のお力にすがることが多いと思います。また万一弱ったときには、土川先生に採血などをお願いするかも知れません。そんな理由でお世話になることは、本当はあって欲しくはないのですが・・・。
 幸いにも複数の先生がいらっしゃる医院ですので、私が迷うときには、それぞれの先生のご意見を伺うこともあるかも知れません。
 どうぞよろしくお願いします。

 末筆ながら、皆様の益々のご活躍と沢山の猫の健康をお祈りいたします。

かしこ
本間獣医科医院磐田本院の皆様
院長 本間 克己 様


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