田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2007年10月21日
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カテゴリ: ほどよく
「岡山大学卒業 元大阪地検特捜部のエース検事の弁護士。


そんな見出しだったと思う。
興味深かった。

おそらく、大学は出世コースの大学ではない。
なにしろ、検事というエリート社会だ。
それでも、特捜のエースということは仕事が抜群だったに違いない。
でも、彼は検事を辞めざるえなかった。
想像を絶する悔しい思いがあったのではなかろうか。

屈辱をどの位味わったのだろうか。

そんな、彼、田中森一さんが書いた自叙伝が出版された。
「反転-闇社会の守護神と呼ばれて」 である。

かなり売れているようだ。
僕と同じく興味を持つ人が多かったのだろう。

本屋で見かけてすぐに僕は購入して、読了した。

面白かった。
検事であろうと、弁護士であろうと、とことんまでやらない気概。
検事になり、実家にヘリコブターで凱旋する安っぽい成功談話。
(お金はかかっているだけに、むしろ安っぽい)
弁護士になってからの、裏も表もどちらとの人間とのやりとりを行う姿。


田中森一さんを取り巻く人間達も、一筋縄ではない。
裏打ちがしっかりしている。
実際にいた人間だが当たり前なんだけども。

成り上がりの闇紳士が表の名士の財布としていいように、結局は使われてしまうこと。
そもそも、彼らが金を持って、浪費しかできない人種であること。

奇のてらいなく、田中森一さんが関わっている人間を書くことで、そういうのが浮かび上がってくる。

というか、人間が奇妙だから書き方に奇をてらわなくていいのだろうけども(苦笑)

でも、僕は彼らへの書き方に著者のシンパシーを感じる。
田中森一さんは闇からでも成り上がる人間に、かつて貧しかった自らと同種の匂いを感じているのだろう。
そういう付き合いは弁護士になってからのほうが、俄然、増える。

ただ、僕の個人的な感想では検事時代のエピソードのほうが断然、面白かった。
贈収賄などで潤う社会の悪と戦いながら、組織の上司からも手足をもぎ取られてしまう。
八方塞がりのなか、孤軍奮闘する彼の姿は立派だなとは、思う。
そのやり方に多くの問題があったり、社会の悪と検察の組織の上部に微妙なバランスがあったとしても。

それに、比べて弁護士になってからのストーリーには面白みが足りないように思う。
金銭的に豊かになるにつれ、ますます、安っぽくすさんでいく彼の姿だって興味深い。
つきあっている人間だって、弁護士になったほうが、様々な姿である。
なんか、足りないように思う。

きっと、すがすがしさだ。

弁護士になってからの彼は知っていても言えないことが未だに多いのではないだろうか。
彼だって刑事事件の被告人である。
嘘はついていないにせよ、書けないことは弁護士になってからのほうが多いはずだ。
僕の推察にすぎないのだけど。
検事時代も書けないことはあるだろうけど、捜査で得た秘密は社会悪に対する秘密である。
あまり、後ろめたくはないし、問題も今となっては起こらないのだろう。

国家正義の名目が検事にあるのに比べて、つまりは弁護士はヤヤコシイ。
どちらかを立てると、どちらかが沈む。
魑魅魍魎のどろどろとした世界。
まやかしであっても正義によって立つ検事より、弁護士はすっきりしない。

この書籍のサブタイトルは「闇社会の守護神と呼ばれて」である。
確かに、それは間違えていないだろう。
でも、僕は守護神というよりも弁護士にお世話になっている闇社会と、表と言われている社会の接点で、折り合いをなんとかつけようとしている姿が見える。

つまりは、こういうことなのかもしれない。

「法曹界の仕事は、しょせんドブ掃除である」
(339頁より引用)

※もっと、「なんだかなー」なら『 目次・◎ものがたり 』まで





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最終更新日  2007年10月23日 12時33分01秒
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