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著者・編者 | 知念実希人=著 |
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出版情報 | 実業之日本社 |
出版年月 | 2019年4月発行 |
末期癌を宣告された外科医の岬雄貴は、酒浸りの日々を送っていた。ある日、不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすが、現場に1枚のトランプが残されていた。そのカードは、連続殺人鬼「切り裂きジャック」が置いたものだった。
南波沙耶は歌手を夢見て家出し、親友の上松恵美と一緒に少し危険なアルバイトをして生活していた。事件に巻き込まれた沙耶を救ったのは、偶然通りかかった岬だった。2人の奇妙な共同生活が始まる。
岬の同僚で恋人だった柴田真琴、ジャックを追うたたき上げの刑事・松田公三、売れない週刊誌記者・宇佐見正人、暴力団組長で御曹司で沙耶を付け狙う楠木慎一‥‥岬は、研修医時代に膵臓癌で他界した先輩医師の言葉を思い出した――「俺はな、人生の意味はあの世に行く瞬間に決まると思うんだよ」。各々が成すべきと思うことを実行に移す。
「レゾンデートル」とは、「存在意義」「存在理由」を意味するフランス語の哲学用語。
医師で作家の知念実希人さんのデビュー作。岬雄貴がヒーローで、南波沙耶がヒロインという位置づけになるのだろうが、それ以外の登場人物の視点でめまぐるしく話が切り替わる。
そして、登場人物のキャラクター設定が綿密にできており、読んだ人によって思い入れる人物が変わるのではないだろうか。私が好きなのは週刊誌記者の宇佐見正人――エピローグで岬に対し、「同情でなく敬意」を抱いたところに惹かれた。
にしても、岬雄貴にしろ速水晃一(『 ジェネラル・ルージュの凱旋
』海堂尊,2007年4月)にしろ、なぜお医者さん作家が描く外科医は剣道馬鹿なのかw