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2008年10月23日
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カテゴリ: こんなの読んだ!

高校生の頃に、「太宰治全集」を読破し、その後社会人になった頃に1度、そして今回で3回目。
今、この作品を読んで、高校生の頃は、あんなに太宰が好きだったのに、ちっともこの作品のこと分かってなかったな~と思いました。
今でも理解しているかどうかは自信はないのですが。

もし、太宰が今の時代に生きている作家で、今の時代にこの作品を世に出していたら、彼があれほど望んでも手にすることが出来なかった芥川賞を受賞していたかもしれません。それくらい、現代にぴったりくる作品だと思います。当時は、時代が(選考委員たちが?)太宰に追いついていなかったんじゃないでしょうか?

主人公の「葉蔵」は、自分のことを人間失格と言っているけれど、失格というより、彼は人間そのものなんだと思います。
というと語弊があるとすれば、「人間のみっともない部分全てが表に出ている存在」と言えるかもしれません。
人間同士の関係というものがうまく結べず、自分にうそをつかずに生きようとすると、あのような破滅的な生き方になってしまうのでしょう。
それを折り合いをつけ、なんとか人間関係を結び、どうにかこうにか「世間」を生きていくのが人間だとするなら、そういう意味では彼は「人間失格」です。


信じがたいような恐ろしい事件を起こしてる犯人たちが、まさにそうでしょう。
でも、それは自分とは全く違う生き物がやってることではなく、自分の中にもそういう部分はあるのです。
それによって、誰かを傷つける行動をとるかどうか、その一線を踏み越えないでなんとか生きてる人がほとんどだというだけで。
それを太宰はこの作品で見せ付けています。
「道化」を演じて人間関係を作るところなんて、絶対自分の中にあると確信してます。悲しいけど。

それにしても、太宰の文章はいつ読んでも天才的にかっこいいと思います。
言葉の選び方なのか、リズム感なのか、独特な句読点の打ち方も、文体の変化の付け方も、彼にしか出来ないと思います。
長編なら、ストーリーテラーとしての力量も問われるけれど、彼のような中・短編主体の作家であれば、よどみなく読ませる詩のようなリズム感が絶対必要。今の若い人に、夏目漱石や三島由紀夫は読みづらくても、太宰はきっと読めるはず。
イマドキの高校生が「渋谷は喜劇名詞か悲劇名詞か?」なんて遊びをしてたら、ちょっと怖い気もしますが。

最近は、いろんな出版社が古典的名作をいろんな装丁で文庫に作り直してます。
人気漫画家に表紙を書かせたり、横書きにしたり。

「人間失格」がショッキングピンク一色のカバーですよ!黒とか白とか灰色ではなく、ショッキングピンク、というところに卓越したセンスを感じ、ブックカバーもかけず読んでしまいました。そのまま持っててもおしゃれなんだもの。
若者に媚びてない感じも良い!(そのほうが逆に、若い人にはウケると思います。)

大学の時にある先生が、「まあ、若い頃には太宰に熱をあげることはよくあるけど、大人になるとそれほどでもね・・・」なんて言ってましたが、それは違う、と反論したい気持ちでいっぱいです。

ただ、ちょっと残念なのは、後ろの解説(太宰研究で有名な、奥野健男氏の文章。1972年の解説そのまま。)が長くて面白くないことでしょう。太宰の文章は全く古びていないのに、彼の解説は古臭いです(爆)誰か他の人に書き直してもらえばよかったのに。
まあ、これから読む人は読まなくて良いと思います。





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最終更新日  2008年10月30日 00時20分48秒 コメントを書く
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