[2004・5末 帰国]
卒業式、荷物の片付け、アパートの引越し。
時間が着実に過ぎていった。
帰国日が近づくにつれ、眠れない夜が続き、
意味もなく、いつも泣いてた。
かれに会うと必ず、わたしは泣いて、
『すぐに迎えに行くから』というかれの言葉を、
『絶対嘘だ』と信じなかった。
『なぐさめに、そんな嘘言うくらいなら、今別れようよ。
ホントにわたしのことを好きだ、大事だと思ってくれてるなら、
今わたしを自由にして』と懇願しました。
そんなわたしに、かれは『嘘じゃないから』と何度もくりかえした。
2004年5月31日サンフランシスコ国際空港にて。
出発時刻の1時間半以上前に、
空港に到着して、受付を済ませたのに、
わたしたち二人はベンチに座って、ずっと話してました。
時間が差し迫っているのを知りつつも、
『もう行かなきゃ』と言う私に、
『まだいいんじゃない?』と言うかれ。
そういうことを何度か繰り返し、
無常にも時間は過ぎ、ギリギリの時間になり、
かれと最後にHugして別れました。
わたしは一人でセキュリティーゲートを越えました。
かれの方を振り返ると、
遠くでかれが泣いてるのが見えました。
ゲート付近に居るガードマンに、
『ココへは関係者以外は入れないから』と押し戻されても、
わたしに見えるように、高く手を上げて、手を振ってくれてました。
わたしもかれに見えるように、
一度だけ大きく背伸びをして、手を振りました。
かれは今でも『あの時のきみの手を振る姿が忘れられない』と言います。
あの時のわたしには、あれがせいいっぱいだった。
振り向いたら、
『普通じゃいられなくなる』と分かっていたから、振り向かなかった。
振り向けなかった。
2004年5月末、大学卒業後、日本へ帰国。
帰国して以来、それまでの強い結婚願望は無くなりました。
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最終更新日:8/29/2005