HONEY PIE'S SILVER SHELTER

Sep 10, 2006
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カテゴリ: 北村一輝道


これは随分前、実はきりとりと同じ日に見たのだが、
なかなか書く気にならなくて。
無国籍男を見てから、もう一度見直したんだが、
やっぱりなんとも、うにゃうにゃと。

でもなー、とりあえず初見の感想は、自分にとっては大事。
回数を重ねると、記憶が上書きされてしまうから。
一期一会という覚悟は、人に対してと同じに、対作品にも必要。

で。あえて、最初の細切れの感想(に加筆して説明したの)を、

これを一度片付けないと、なんだか自分が気持ち悪い。

まず、修ちゃんの髪型が、好きじゃない。
下手なデザイナーカット臭くて、襟足がぴょんと持ち上がっていて、
トサカまで立っていて、遠目には帽子がのっているよう。
風で乱れると、林家三平師匠みたい。
なんか、可愛げがないのだ、これ。

あと、パンツのシルエットが良くない。
若いもんのずりさげスタイルまでにはいっていなくて半端。
結局スーツがいちばん似合っているかも。

予期せぬ時は、色気のないグレーの綿ボクサーで、
売りのお仕事の時は、光物のブリーフだから、


出てくる女の人たちは、普通にしていると綺麗なのに、
喘いでいる姿が醜い。
くすり打たれて頭おかしくなってる時のは、特に無残、
目を覆いたくなるほど不愉快。

熟女クラブのお姐さんは、さすがの年季と貫禄で素敵(笑)



理解できなくても、好きになることはあるけれど。
わからない時は、とりあえずわかりたいなと思うだけでも、
愛の範疇であるはずなのだが、
私は修ちゃんをわかりたいとも、あんまり思わず。

まずはやくざの兄ちゃんの女、次はやくざの親父の女。
最初のも多分、彼女の方が修ちゃんを巻き込んだんだろう。
彼女達が修ちゃんを好きになるのは、わかる、簡単だ。
おっとこまえで優しく自分を助けてくれる相手だもの。

もてる男も辛いんでしょうが、
では、一体、修ちゃんは彼女達のどこを好きになったんだろう?
という疑問が、頭をもたげる。
この人は、ほんとうに彼女達を、両方ともですが、
愛している、または、愛していた、のだろうか?

そうも思えず。

トモロヲさんの船水さんに、惚れていることは確か。
彼女達といる時よりも、船水さんと2人でお喋りしている時の方が、
嬉しそうで、どこか照れくさそうで、甘えてすらいて。
とってもプリティな笑顔になっている。

かつて船水さんに助けられて、恩を感じているだけでなく、
人間的に慕っているのは明らかで、
つられてヤクザの下働きもすれば、
付いてくるかといわれて、微塵も躊躇なく「はい」と返事をする。

船水さん程の魅力と存在感は、彼女達には感じられないし。

修ちゃんはどうも、
相手に自分が必要とされていることが至上のよう。
より自分を必要とし、より強く求める方へと流れていくのだ、
より可哀想な方へと。
あ、より若い方へ行ったという見方をすればわかりやすいし、
面倒臭くないから、それでいいや。

って。いいでしょうか、それで?

え~、これで終わるのも芸がないので、もうちょっとがんばろう。

優しいんだろうし。放っておけないんだろうが。
少女との絡みを見ると、つまりボランティアか、お姫様のナイトか?
ビルから落ちそうになっている人を助けに飛んでいく、
スーパーマン、とか。
でも、電話ボックスに入っても修ちゃんは変身しないしな。
自分から飛んでいこうともしていないし。

例えば、修ちゃんは、
共依存のデス・スパイラルを下降している、とすると。

アルコール依存症の夫を持つ奥さんに見られるような。
助けを求められてケアをすることが、目先の目標になり、
行動の指針になり、自尊心のよりどころとなる、
といったような。

きっと彼は、自分1人では何をしたらいいのか、
どこに向かったらいいのか、わからないのだ。

導いてくれる船水さんに会い心酔し、親と呼び、
より困難なハードルを携えた相手に会い、入れ込んでしまうのは、
自分の内側の空虚が、他者の目的を必要とするから。
無目的に生存し続けることの意識下の苦痛から逃れんがために、
依存する相手を梯子し続ける、とかさ、

あら、結構近い路線のような気が(笑)

ゴルフ練習場前、親父さんの彼女を面前で呼び捨てにする。

一見、感動的ではある。
愛の表現か、恋の情熱か、彼女を元気付けたい一心で、
己が身の末を、省みず。

冷静に考えれば、それが与える影響を無視した、
予想される不必要なトラブルをわざわざ招聘するような、
とても拙い行動であることは明らかだろう。
船水さんまでその場にいたにもかかわらず、
修ちゃんは、自分を止められない。

ここで鉄砲玉が登場しなかったら、どうしようとしていたのか?
なにも考えていなかったんじゃないのか?
まあ、自分は捨て身だったにしても、
船水さんの顔がつぶれることを、本人も自覚していたはずなのに。
こんなことしたら、親父に彼女のガードを堅くさせるだけだろうに。

この不用意な呼びかけが、
彼女に強く逃亡を決意させることになったのだろうから、
まったくの無駄な行動だったわけでもないのだが、それは結果論で。

この時の修ちゃんには、周囲も、未来も、自分すら、見えていない。
この瞬間の、彼女しか見えない、あくまでこの瞬間の。

危ない。
これは恋の情熱で片付けられないだろう。
ロミオとジュリエットだって、もっと慎重で戦略的だったもの。

修ちゃんを制御不能にしたものは、アディクションかも、と。

結局彼女は、修ちゃんに頼らず、自力で脱出。えらい。
もし、彼女が自力で脱出できなかったら、修ちゃんはどうしたか?
どうもしようとしなかったんじゃないのか?

一緒に暮らしていた女性が肩を押してくれなかったら、
あの部屋の扉を、修ちゃんは出ることができなかっただろう。
自分から断ち切れはしない。
そんな修ちゃんが、彼女を略奪に及ぶことはないだろう。

修ちゃんは最後まで、どこからも逃げようとはしない。
逃げないからといって、向き合うというのでもない。
もともと強い自我や計画性を持ち合わせてはいないから、
いきあたりばったりで他人任せで、
なんというかつまり、
呼ばれて飛び出て、じゃじゃじゃじゃーんな感じ?

・・・そうか。

修ちゃんには、カンちゃんが必要なのだ。
くしゃみで呼び出してくれる、ご主人さまが。
どこにでも行けるのに、どこに行ったらいいのかわからないという、
見えない壺の中に囚われていて。

くしゃみひとつで呼ばれ、くしゃみひとつで掻き消えもする、
どおりで、修ちゃんの輪郭は曖昧だ。

この後、壺は誰の手に渡るのだろう?
今度はどんな女に、自分の肉体を与え、存在を委ねるのだろう?

なんちゃって♪

あらま、なんか、どんどん混乱してきた。
もう、止めよう。意地になってるぞ自分(笑)

私は北村さん好きだから、それなりに見どころもあるけれど、
それなりに、じゃないわ、わんさか、あるが、
普通に映画を見たら、つまんなかったで終わってる、きっと。

以下、断片。

長門さんが彼女に執着する理由が、
自分の死んだ実の娘に似ている(!)からだというのがキショい。
吐き気がするから、一遍死んでくれ。

上杉さんはその昔飛ぶ鳥落とす勢いで色っぽかったのに、
おっちゃんになっちまってる、とほほ。

一回二回、つぼでうまく使ったならしみじみするかもしれない、
山崎さんによるテーマ曲が、
耳にタコができるほどこれでもかとループかと思うほど使われ、
食傷した。

船水さんは、かっこよかった。
自分でも向いてないかもと言っているけれど、
どうしてこんな人が、極道になんかなったのか?

これに限って言えば、
修ちゃんより船水さんに惚れる、かもなぁ。

ほとぼりが冷めたら、そのうち、また見るです。





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Last updated  Sep 10, 2006 07:31:35 PM コメント(6) | コメントを書く
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