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2010.02.07
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カテゴリ: 読書
本日の読書



リストラ専門会社の物語「君たちに明日はない」のドラマ化で注目中の垣根涼介氏の、大絶賛骨太のピカレスク犯罪小説。

物語は衛藤の青年時代から始まる。衛藤は戦後のブラジル移民である。戦後移民は今から考えれば棄民政策の最たるものであり、ブラジルではおそらく4万人くらいが野垂れ死にした。そのことを恨みに思うブラジル邦人二世が、外務省と当時の関係者に復讐する、という話である。

それにしても「棄民」というのは、本当にひどい政策だ。そしてそういうひどい政策でも、一見みためがよくて、その当時の政策として成立して走り始めてしまうと、政策変更や過去の政策への反省はなされない。それは、保身と事なかれ主義と現状を追認する、現在の官僚主義では、無理なのである。

これまでに多くの省庁が間違った政策を行ってきた。その間違いを総覧し、同じ間違いを行わないようにする、間違いが行われたらそれを正す(ただす場合には緊急の予算措置も伴う)、といったシステムがない。議会と政権与党と財務省が主導で予算つくりをし、各省庁はその予算を「取りにいく」、政策に失敗したら予算は「削られる」という図式では、被害者救済がなされないのである。

現在、博士課程卒業後の理系研究者・ポスドクたちが、高学歴ワーキングプアとなり、「平成の棄民政策」などと揶揄されているが、それを救済するような政治的・行政的仕組みもなかなか機能しない。文部科学省の政策にしてもそうである。「ゆとり教育」の失敗の責任と後始末をだれがとるのだろう?

ワイルドソウルでは、主人公たちが、マスコミをうまく誘導しつつ、世論を形成し、外務省庁舎には銃撃を行い、生き残っていた当時の関係者には制裁を加え、主犯3名のうち2名は無事海外逃亡を成功させた。さて、現実の高学歴棄民たちは、いつの日か日本政府に復讐をするのだろうか?

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最終更新日  2010.02.10 20:22:34 コメントを書く


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