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2010.06.21
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カテゴリ: 科学と教育

・監督不在のサッカーで勝ちつづける方法



もちろん私たちは知っている。研究者仲間の会合で酒が入ると毎回この話題になる。「この国の科学はどうなるのか?」と。「なんでこんな政策になるのか?」と。「○○先生(予算配分を牛耳っているとされるが真偽は明らかでない大御所の先生の名前は一体何を考えているのだろうか?」と。そして必ずこう結ばれる。「今のままではいけない」と。

だが、それでもまだ私たちにはどこかに甘えがあるのだ。あるとき急に文部科学省と経済産業省と財務省が大方針転換をして、あまたある科学技術政策と高等教育・大学院教育の制度をドラスティックに改善し、今よりもよい未来の日々が来るかもしれない、と。少なくとも、今よりもうほんのちょっとだけ、研究がしやすくて、科学が楽しめて、雑用や書類書きが少なくなるような、そんな日々が来るにちがいない、と。そんな、小さなささやかな希望を慰めに、日夜、オーバーワークしながら、我が国の最先端を支えている中年たちの、なんと多いことよ。

だが、いいかげんもう気づかなければならないのだ。確かに、私たちにとって「ほんのちょっとだけいい時代」というのは、くるかもしれない。もしかしたら。だが、我が国が長期的な科学技術政策・成長戦略をもち、それを施策に反映させて、我が国の科学技術創造立国戦略がこの国に卓越した国際競争力をもたらす、なんてことが、すぐに起きるとは到底信じられない。私だけでなく、きっとみんな信じていないだろう。

だが。それでも、だからといってこのまま負け組になることを心よしとするのか? 否である。だから私たちは頭を切り替えなければならない。監督がいないサッカーチームで、なんとか勝ちを拾うためのサッカーをするために。すくなくとも大負けしないサッカーをしつづけるために。

・指示なしで現場判断でパスをだす

ようするに、監督の指示がなくても、司令塔が不在でも、ピッチを広く見渡して、現場の判断で一流のサッカーをめざせばよいのだ。もし自分がいまバックスの位置にいるのなら、フォワードにベストのパスを出せばいいのである。誰だかしらないフォワードがその場に走り込んでくることを信じて。もし自分が、敵のマークのついていないフォワードなのだとしたら、誰かがロングフィードをあげてくれることを信じて、オープンスペースをひた走りに走ればよい。誰だかしらないMFを信じて。やっちゃいけないのは、自分ですべてのボールをコントロールしようとしたり、パスを出さないで抱え込んだりすることだ。それでなくても、日本の科学ソサエティーは、欧米のそれに比べてはるかに閉鎖的だという説がある。

だが、本当に誰だか知らなければ、パスの出しようも受けようもないって?そりゃ確かに道理だ。だとしたら、せめて選手の顔くらいは見ておいてもそんはないだろう。そう、異分野の若手に合いにいく、これはきっと重要だと思う。もともと若くしてPIにならんという人々は、総じて優秀で勤勉で、しかも人柄がよい(例外もいるかもしれないが)。オープンマインドの重要性なんか百も承知の人々ばかりだ。だとすれば、日頃からほんのちょっとコミュニケーションの機会を増やしてさえおけば、いざとなったら一瞬のアイコンタクトだけで咄嗟に高度なセットプレーができたりするんじゃなかろうか?

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最終更新日  2010.06.28 13:47:55 コメントを書く
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