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2008.08.21
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テーマ: 洋楽(3622)
カテゴリ: 70年代洋楽
Big Starというバンドを作った アレックス・チルトン は、ロック史上に残るカルト・スターとなってしまった。
誉めているのかケナしているのか、 書いている自分もよく分からない のだが、とりあえずこれは事実だと思う。
実際、アレックスという人は、好きな人にとっては"神レベル"なアーティストかもしれないが、そうでない人には 「誰それ?」 な存在ではないかと。
それくらい、落差のある才人なのだ。
パワポオタである自分にとっては、当然、 前者 なワケだが。。。



ブルー・アイド・ソウル系グループ、 ボックス・トップス のヴォーカリストとしてだった。
代表作として知られる 「The Letter(あの娘のレター)」 は、'67年9月に全米1位を記録。
ジョー・コッカーにも歌われたこの曲は、60年代ヒット・ポップスのファンなら知っている人も多いだろう。

しかし、チルトンの本領はボックス・トップスを脱退した時からはじまる。
地元メンフィスに戻ったチルトンは'71年、高校時代の級友である クリス・ベル と、そのバンド仲間だったアンディ・ハメル(b)、ジョディ・スティーヴンス(Dr)とともにビッグ・スターを結成する。
バンド名は、彼らが見たスーパーマーケットの店名から取られたという。

エルヴィス・プレスリーの故郷でもあるメンフィスは、黒人音楽のメッカとして知られていたが、チルトンやベルの指向していたものはそれとは全く違っていた。
二人が作ろうとしたのは、 "60年代ブリティッシュ・ビート"風のギター・ロック
それは、ビートルズやキンクスなど、彼らが少年時代に親しんだ音楽へのオマージュでもあった。

チルトンとベルの共作を大半とした12曲は、ビッグ・スターの1stアルバム『No.1 Record』('72年、上ジャケット)としてまとめられた。
そこにおさめられた音楽は、 「ビートルズのコーラスと、キンクスやThe Byrdsのギター・サウンドを合体させた」 という形容がふさわしいものとなっている。
のちに"パワーポップのルーツ"とも言われるこのサウンドは、今聴いてもシンプルで強く、美しい響きをたたえていると思う。


クレジットはアレックス・チルトンとクリス・ベルの共作となっているが、楽曲およびアレンジはベルの個性が色濃く出ている。
あたたかな感触を持つギター・サウンド、センシティヴなメロディは、素晴らしいの一言。サビ部分の 広がるような美しさ は特筆ものだ。
計算されたコーラス・ワーク にも注目したい。独特かつ清涼感あるハーモニーが曲の完成度を高めている。
演奏はタイトに引き締まっており、そのせいか、バラードでありながら湿っぽくならない絶妙の仕上がりとなった。
ちなみに、アレックス・チルトンの唱法はボックス・トップス時代のものとは まったく異なっており 、言われなければ「The Letter(あの娘のレター)」と同じ歌い手だとは誰も気づかないだろう。
それほどまでにこの曲は美しく、そして繊細だ。

アルバム自体も素晴らしい出来で、一部の評論家からは高い評価を受けたという。
だが、 事実上のインディ扱い だったこともあり、何のプロモーションもされなかったこの作品は、当時まったく売れなかった。
そのうえ、チルトンと音楽的に対立したクリス・ベルは程なくバンドを脱退。
ビッグ・スターは、チルトンを中心としてさらにアルバムを二枚出すがやはり売れず、そのまま消滅してしまう。

クリス・ベルは、正式な音源を発表することも出来ないまま、 '78年に交通事故で死去
チルトンはその後もソロ活動を続け、ロカビリー・バンドで演奏したりもするが、一時はレストランで皿洗いをするまでになってしまったという。
才能に恵まれながらも、時代の中で居場所を見つけられなかった男達の悲劇だった。

だが、ビッグ・スターおよびチルトンの名は、アンダーグラウンド・シーンの中で生き続け、 次世代のミュージシャン達 によって再びスポットを当てられる。
'86年にメジャー・デビューした バングルズ は、1stアルバムの中で「September Gurls」をカバーしていた。
リプレイスメンツは、'87年のアルバムで「Alex Chilton」というその名もズバリの曲を収録している。
その後もR.E.M、プライマル・スクリーム、ティーネイジ・ファンクラブといったバンドの後押しにより、チルトンの評価はウナギ昇りとなる。
'93年には、ポウジーズのメンバーを加えた編成でビッグ・スターは再結成された。
'94年には、幻とされていた1stと2ndがCD化され、その素晴らしさが若い世代にあらためて知られることとなった。
'05年には 27年ぶりのオリジナル・アルバム 『In Space』も発表され、'06年にはトリビュート・アルバムも出ている。
そういえば チープ・トリック も近年のライヴで、ビッグ・スターの曲をカバーしていたっけなぁ。

ポップで美しく、だけどコマーシャリズムに媚びない鋭さを持ったビッグ・スターの音楽は 孤高 であり、これからも輝きを失わないと思う。
愚直でガンコ親父面で、本能のままに、だけどいーかげんに現在も音楽活動を続けるアレックス・チルトン。
優れたメロディ・メイカーでありながら 時々トチ狂ったようなこともする この男には、カルト・スターの称号がふさわしい。
クリス・ベルも草葉の陰でほくそ笑んでいることだろう。

ビッグ・スター名義でのアルバムはすべてが必聴!

つーコトで「Ballad of El Goodo」を聴くには ここ をクリック。
元祖パワーポップともいえる名曲「September Gurls」(2ndアルバム収録)は こちら


※ポム・スフレのメインHPでは クリス・ベルのソロ・アルバムについて 取り上げられています。





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Last updated  2008.08.21 04:14:52
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Re:Big Star 「Ballad of El Goodo」(08/21)  
PeTeR  さん
このバンド、と言うか、アレックス・チルトンの名前はR.E.M.を通して知りました。

Re[1]:Big Star 「Ballad of El Goodo」(08/21)  
PeTeRさんどうもです。

>このバンド、と言うか、アレックス・チルトンの名前はR.E.M.を通して知りました。
>でも、未だに聴いてない…。(苦笑)
-----聴いてソンはないと思います。
まずは上のリンクにある曲をどうぞ。

ではでは。
(2008.08.26 08:48:11)

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