今まで数多くの職人を見てきました。その中でも、今まで出あった事のなかった職人がいる。先ず、素直な性格で何でも吸収する。初めてのことでも躊躇しない。性格なのか元からの資質なのかどちらにしても姿勢が秀でていた。何でも吸収するがいらないものは捨てる。やっぱり資質の問題だろうと思う。
先日、「茅ヶ崎の文化景観を育む会」が丸一年経ち今月の最終例会を迎えた。市職員、フードコーディネーター、老舗旅館専務、日本画家、作家、建築家、建築史家、美術館長、地酒蔵元と多彩な顔ぶれこの一年で実のある活動が出来ました。リノベーションという歴史建造物を単純に保存するだけでなく、レストラン経営や展示館経営に転化させる動態保存を推進しています。忘年会を兼ねているのでいろいろなお話が出ていましたが建築物の保存についての話にはそれぞれが燃えています。会としての方針は、動態保存が基本で賛同していますが庭については私自身、個人的にはチョット違います。
先述したように現在では先々代のお客様は皆無です。寺社仏閣と違って施主の交代があります。それから相続の問題。文化財保護の道もありますが施主のいない建築物や庭は代替りした施主の住まいや庭になります。戦後、施主の意向が子々孫々まで残る時代ではなくなって居ます。希望が無い限り、施主のいない庭は死んだも同然。ここのところ一世代で終わる庭も多く見てきました。
庭に至ってはその時代ごとに求められる姿であればよいと思っています。それが和でも洋でも、そのどちらでもない庭でもです。この茅ヶ崎でもおよそ松のスケールにそぐわない宅地が増えています。無理にでも残そうとする考えもどうかと思います。世代を交代された庭が新たな形となって再生することを望みます。当初は、砂防林として植えられ、密集した宅地に枯らさない程度の手入れ。手入れが「手入れをするための手入れ」だとしたらなんの為の手入れか問うのも怖い。

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