Ability~一章~〔Ⅲ〕

既に火の手は上がっていた…。セルハはアネルの手を取り走った。アネルの家を出た時にはセルハの家は火が全てを覆っていた…。一瞬呆気に取られていた。其の時後方から攻撃された。セルハは咄嗟にアネルを庇った。
「…っ旅人……」
そう…攻撃して来た奴は旅人だったのだ…。やはりあれは、予知夢だったのだ…。
「セルハっ!!?」
セルハはアネルを庇った為、攻撃を直に食らったのだ。其の為意識が薄れて来たのか何も喋らなかった…。
「旅人…嫌…邪気とでも呼ぼうか…?村をこんなにした挙句セルハまで…絶対に許せない…」
「っふ…小娘の戯言。そんな事を言っても此の村には攻の能力を持った者は居ない。唯の女が何を言おうと怖くともなんともないわっ!」
其の時…。アネルは変な感覚を覚えた。しかし…初めてではない。何時だろうか?

「覚醒の時は来たり。今此処に我の力を与えんとする。汝アネル・ハミアル持って産まれた其の聖なる力を解き放て」
あの声だ…。今でも尚脳裏に残っているあの優しい声…。
「貴方は…貴方は誰なのっ!」
必死に呼んだ。真剣な面持ちな彼女を…。彼女はアネルに近付き微笑んだ。
「我が名はカイル・シムアル」
アネルは目を見張った。一つは自分と瓜二つだと言うこと。そしてもう一つは
「カイルって…あのっ…神様の?」
「人は我を…神と呼びますか…。確かに…今生きていられるのは神だからでしょう。しかし、我も嘗ては人でした。汝のように出来の悪い。」
クスリと笑うと不図アネルを見た。
「頭の良し悪しは今からでも変われます。しかし聖なる力ばかりは変われません。貴方の聖なる力は計り知れない物ですたぶん我よりも強いもの。だから…汝の力で…此の世界を救って…我にはもう…力がない…。汝ならハゼス・キロアムを亡き者に出来るかもしれない…。頼みます。アネル…もう汝しか居ないのです…。」
アネルは何かを言いた気にカイルを見た。しかし言葉にならないのだ。
「此れを持って行きなさい。きっと汝の役に立ってくれます。我は…汝の傍にいます。」

再びさっきと同じ感覚を覚えた。まだ…まだ聞きたい事が在るのに…。

不図意識を戻した。変な感覚を覚える前の光景。ぁ…夢を見ていたんだな…と思ったのだが、手には確りとカイルに貰った玉が握られていた。
「(やっぱり…夢なんかじゃない!…カイル様…私に攻の力が…貴方の力が宿っているのならば…今…今使わせて…!此の村を救いたいの…そして…セルハを…)」


back next

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: