安定したバランスを備えたデザイン、高い演奏性を誇る製作技術、クオリティの高いサウンドにより「第三のブランド」と名高いポールリードスミス。テッド・マッカーティー氏に敬意を表し製作される24.594インチ・スケールのネックを採用した「McCarty 594」のご紹介です。

エレクトリック・ギターの歴史に於いて多大なる功績を残したテッド・マッカーティ（Ted McCarty）。Gibson『レスポール（Les Paul）』や『ES-335』などの開発に携わりギブソン社をトップの地位に築き上げるなど、その後もあらゆるミュージシャンやギター・ビルダーに多大な影響を与えた伝説的な人物で、その名を冠した「McCarty」モデルは、同氏によるアドバイスも含め、ポール氏が理想とするヴィンテージ・テイスト溢れる仕様が特徴的なモデルです。そんな中、あのジョン・メイヤー（John Mayer）が自身のインスタグラムに画像をアップし実際にステージで使用するなど話題の高まっている2016年ニューモデル「McCarty 594」が登場いたしました。

少々厚めに設計されたボディのトップには上質なフィギュアド・メイプルをセレクトし、バックとネックには中音域豊かで上品な甘いトーンをアウトプットするマホガニー材、バインディングが施された22フレット仕様の指板には倍音豊かで優れたサスティーンを生むローズウッドを採用しております。何と言っても本モデルの最大の特徴はモデル名に付けられた24.594インチ・スケールのネックで、ミディアムスケールの24.75インチやPRSでも採用されている24.5インチに比べるとややテンション感が増した印象で、生鳴りも非常に良好な仕上がりです。またネック・シェイプにも新たな試みが施されており、新ラインナップとなる「パターン・ヴィンテージ（Pattern Vintage）」を採用。このシェイプはパターン（Pattern）やパターン・シン（Pattern Thin）と同じネック幅ですが、パターン・シェイプを基にやや厚みを持たせつつ、高音弦側を少し削り、低音弦側に厚みを持たせた非対称カーブが特徴的です。そのため現行で最も太いグリップに仕上げられておりますので、厚みがあるゆえ芯の太いサウンドをアウトプットしてくれています。

ピックアップ・システムは新たに開発された「58/15」のローターン・バージョン「58/15 LT」に、ワイヤリングの見直しを行ったチューンド・キャパシタンス・アンド・インダクタンス（TCI）仕様の「58/15 LT」を搭載し、ミッドレンジを強調したヴィンテージ・スタイルのサウンドが特徴的です。ピッキング・ニュアンスの再現性や乾きのあるドライブ・サウンド、煌びやかなクリーン・トーン、ハリのある明瞭なサウンドを絶妙な具合でアウトプットし、様々なジャンルで対応可能となっております。完全なるヴィンテージの再現ではなく、ヴィンテージのエッセンスを持ちながらもモダンなトーンニュアンスと融合したPRSならではのピックアップと言えます。また2つのトーン・コントロール部にはコイルタップも搭載しておりますので、幅広いサウンド・メイキングを実現。さらにダブルカッタウェイ・モデルにして初となるセレクター・ポジション（トグルスイッチ）を確立し、2ボリューム＆2トーンの4ノブ・スタイルなどレスポールを彷彿させてくれるトラディショナルかつ馴染みのある操作性が魅力的です。そして2020年から（1）クルーソン・タイプのヴィンテージ・チューナー（2）TCIチューンドされたピックアップ（3）ニトロ・オーバー・セルロース・フィニッシュ（CABラッカー）（4）ネックセット角の再調整（5）ブリッジの素材などがアップデートされております。ジョン・メイヤー曰く「最高のニューギター」と言わしめる実力を備えたPRS渾身のモデル。『モダン』『ヴィンテージ』『トラディショナル』と様々な要素を融合し、美しいルックスともマッチングした素晴らしい1本です。進化を遂げ続ける「McCarty」、これからも進化の過程が楽しみなモデルでございます。

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