冒頭文

     -1-

「ふぅ、やっと着きました。」
つい独り言を言うカレノ。
「確か噂によるとこの町で列車が停止しているらしいのですが、いったい何が起こったのでしょうねぇ」
そんなことを言っていると突然銃声が聞こえ、それに続いて悲鳴が聞こえてきた。
「・・・・・・本当にいったい何が起こっているのでしょうか」
 カレノは音のした方へ向かった。


 駆けつけてみるとそこには・・・
 誰もいなかった。
「あ、あれ。いったい何が・・・」
 辺りを見回してみる。
 辺りの建物の入り口や窓が全て閉じていた。
いや、一箇所だけ扉がちょうど開いた建物がある。
 少女が一人、飛び出してきた。
「くっそー、あいつら好き勝手やりやがって、もう我慢できねぇ」
 そうやって建物を飛び出していこうとする少女を羽交い絞めにして抑える中年男性。
「よすんだ。行っても勝てっこないぞ」
「でも・・・」
少女が悔しそうに中年男性の方を向く。
「あのう、お取り込み中すみませんが、いったいどうしたのですか?」
 そこにカレノが割り込んで聞く。
 そうすると、少女と中年男性がカレノに気がつきそちらに顔を向ける。
「あんた旅人かい」
 暴れていた少女がおとなしくなったのでその子を放し聞いてくる中年男性。
「ええ、そうですが」
「俺はノウブ・アオイ、そんでもってこいつは―――」
「ユウキだ。ユウキ・アオイ、それがあたしの名前だ」
 ノウブが自分を紹介した後にそのまま隣の少女を紹介しようとしたが、それより先に少女が名乗った。
そのユウキという少女と目が合ったとき、カレノは自分の名前を名乗るのを忘れてしまっていた。
(――――――この子は・・・・・・)
「こっちは名乗ったんだ。だからお前も名乗れ、名前は?」
 考えを廻らせているとユウキが急かしてきた。
「・・・ええと、わたしの名前はカレノです」
 思考を一時中断して自分の名を名乗る。
 そこでカレノはもう一度彼らを見る。
 ノウブという男は、髪は黒くバンダナを巻いている。あまり背が高くなくあまり目立たないどこにでもいそうな風貌だ。
ユウキという少女はカレノより頭一つ分小さく、髪は後ろで縛っていてポニーテールにしている。その髪の色は青い。そして瞳の色が片方ずつ違っていて右が青、左が灰色をしている。
 たぶん苗字が同じなので家族なのだろうがあまりにも似ていない。
「・・・なあ、お前はいろんな町を旅してるんだよな?」
 何かを期待した眼でカレノを見るユウキ。
「え、ええそうですが、それが何か?」
「じゃあなんか武器持ってないか。できれば銃がいい、銃だったら何でもいいから持ってないか?」
「すみません。こんなものしかないのですが」
腰に吊ってあったコンバットナイフを見せるとユウキは肩を落とした。
「そんなのじゃあいつらには勝てない。せめてどんなのでもいいから銃がないと・・・」
「あの、何の話をしているのか分からないのですが。いったい・・・」
 ノウブの方を向き困った顔をしてカレノが尋ねた。
「今から説明してやるから中に入りな」
 ノウブは自分たちが飛び出してきた家に親指を刺して言った。
「はい、よろしくお願いします」

次回


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