前話

    -2-

「町の不良たちがどんなルートをたどって手に入れたか分からないが銃を手に入れて、その銃を使ってこの町に到着した列車を乗っ取った。そしてその列車をアジトにして時々村の中で好き放題やってまた列車に帰っていく、っと。話を整理するとこういうことですよね」
「ああ、大体そんな感じだ。ったく、軍のやつらはウエストエリアがどうなろうが知らん振りだ!いまだに60年前のことを根に持ってやがる」
「確かに、軍はウエストエリアをただ支配はしたもののそのまま野放しですからねぇ」
 ちょうどノウブからこの町で起こっていることを聞き終えたところだ。
 窓の外を見ると日が少し沈み始めている。
 ユウキは隣の部屋に入っていった。
 何をしているのかまではわからない。
「ではわたしは行きますね。そろそろ今日泊まる宿屋を探さないと」
 そう言ってカレノは座っていた椅子から立とうとする。
「茶ぐらい飲んでいけや。宿屋探すのなんてその後でいいだろ」
「そうですね、ではお言葉に甘えて」
 ノウブの誘いに乗ってカレノは再び椅子に座りなおす。
「じゃあちょっと待ってな。すぐ淹れてくる」
 そうするとノウブは席を立って隣の部屋に消えていった。


しばらくするとノウブが戻ってきた。その手には何も持ってなく、顔は引きつっている。
 何か焦っているような感じがする。
「あの、いったいどうしたのですか?」
「ユウキがいない・・・・」
「――――――っえ」
「ユウキがいないんだ。タンスのひきだしに隠してあった俺の拳銃も消えてる!」
それを聞いてカレノも少し焦りだした。
「きっとユウキは」
「列車に向かったんですね」
「ああ、それしか考えられん」
「わたしが連れ戻してきます。だからノウブさんはここで待っていてください」
 それだけ言い残すとカレノはノウブの家を飛び出した。
 背中に向かってノウブが何かを叫んだがカレノはそれを無視した。
(風よ。わたしに彼女の向かった道を教えよ)
 そう念じて、
「知らせよ」
 カレノはそう呟くと何の迷いもなく町の中を走り抜けていった。
 初めて立ち寄った町をまったく迷わずに。
 そして数分後。
 カレノは目的地に到着した。

次回

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