クリムゾン3



「ここ、どこだよ」
 青い髪はポニーテイルにしていて片方ずつ色の違う瞳の少女が呟いた。
 それは隣にいる赤い髪に赤い瞳をした青年にだけ聞こえるように言ったようだった。
 といっても、周りにあるのは木だけで人影はない。
 二人は森の中の小道を歩いていた。
「・・・・・・」
 青年は黙っている。
 風が吹き、青年が羽織っていた真紅のマントの先が翻る。
「任せとけって言ったの誰だよ」
 そして少女は再び呟いた。
「・・・・・・」
 青年はまだ黙っている。
 チュンチュンと、鳥のさえずりが聞こえる。
「道に迷ってんじゃねーかー!!」
 少女が突然怒鳴った。
 それに驚いて木の枝にとまっていた鳥たちが一斉に飛び立っていった。
 バサバサと、大きな羽音を立てて。
「ははは、そうみたいですね」
 乾いた笑い声。
「そうみたいじゃなくて、そうなんだよ!!」
 再び怒鳴った。
「さっさと引き返そうぜ」
 呆れたように言った。
「でももうちょっと行ったら―――」
「ない!絶対無い!!」
 少女が否定したがスタスタと道を進んでいく青年。
「あっ」
 すると突然青年が声を発した。
「なんだよ」
「何かありました」
「嘘!」
 少女が青年の近くまで駆け寄ると町が見えた。
 とても古く、ぼろぼろになった町の石でできた防壁。
 その防壁には蔦が幾重にもなって絡まっていた。


クリムゾン
~忘れ去られた町~


一話
二話
三話
四話

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: