森から抜けると二人の目の前にあるものが見えた。
「塹壕、ですね」
「・・・そうだな」
「・・・・・・このまま東へ進みませんか?そうすればさらにむこうに政党軍側の塹壕があります」
「別にいいけど、何でいきなりそんなこと言い出すんだ。いつもはすいすいと自分の行きたい方向に行くだけで、どこに行くかなんてなにも言わないのに」
 気になってユウキカレノを見上げてが尋ねる。
「今回は、目的地が決まっているので先に知らせただけですよ」
「本当にそうか」
 不審に思いさらに問う。
「そうですよ。まあ、他の町を経由して行きますけどね」
 ユウキは塹壕のそのまた先の塹壕のさらにその先に目を向ける。
「次であたしが旅をし始めてから六つ目の町だな」
「そうですね」
「次はどんな町に行くんだ。決まってるんなら教えてくれよ」
「いやです。まあ、着いてからのお楽しみってことで」
 悪がきのような表情で笑うカレノ。
「相変わらずケチだよなお前」
 分かっていましたと言わんばかりの表情をするユウキ。
「まあまあ、さっさと行きましょう。時は金なりですよ」
「りょ~かい。じゃ、さっさと行きますか」
 そして二人は次の町へと足を運ぶ。
 革命軍の塹壕を飛び越えながら、東へ。

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