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September 13, 2025
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カテゴリ: ホラー映画
​​​イギリス、ハマーフィルムによるドラキュラシリーズ第2弾。女教師はマリアンヌは、トランシルバニア地方の女学院へ赴任する道中で、ある古城に立ち寄ることとなった。城には好男子マインスター男爵が鎖につながれており、マリアンヌは男爵を解放する。しかし、マインスター男爵は吸血鬼なのだった。直後に村の娘に犠牲者が出る事態となってしまった。城から逃げ出したマリアンヌと行き会ったヴァン・ヘルシング教授は、そのいきさつを知るとともにマインスター男爵闘いを挑むのであった。
吸血鬼ドラキュラの花嫁
(リンクなし)​

この映画を初めて見たのは、1960年代、テレビの映画劇場でした。
その日は、お正月かお盆だったか、母の実家に親戚が大勢集まって、宴会をしていました。
だから、落ち着いて、じっくり見たわけではなく、タイトルを確認したわけでもなく、居間のつけっぱなしにされたテレビで流れていた吸血鬼ものの映画をチラッチラッと見ていました。

しかし、ある場面で、テレビのブラウン管に釘付けになりました。
なんと、吸血鬼ハンターのヴァン・ヘルシング教授が、マインスター男爵に喰いつかれてしまったのです。
こんなことがあってよいのか、吸血鬼に血を吸われた者は、吸血鬼になってしまう。
ゼットンに敗れたときのウルトラマンより始末が悪い。
吸血鬼退治の急先鋒であるこのおじさんがやられてしまっては、この先ほかの人々はいったいどうなるんだ⁈

そんな思いで見ていたら、さらに衝撃の場面が。
おじさん(ヴァン・ヘルシング教授)は、吸血鬼化しないために、自らの身に、とんでもない荒療治を施したのです。
およそ一般人にはマネのできない、激痛をともなう究極の対処方法です。
もちろんヴァン・ヘルシング教授本人は、のたうち回りました。
しかし、それによって、ヴァン・ヘルシング教授は吸血鬼化を免れて立ち直ります。
(ネタバレ厳禁)

このシークエンスは、脳裏に刻み込まれました。
そこまでに至る経緯が知りたくて、映画の全編をきちんと見たいという思いにかられました。
そして、その荒療治を何回も反芻しながら何十年も待ち続けて、やっとそれが叶いました。

『吸血鬼ドラキュラの花嫁』は、奥深い山、ひっそりと佇む古城とその内装などゴシック・ホラーの雰囲気に満ち満ちた映画でした。
しかし、ドラキュラ伯爵は登場しません。
前作(ハマーフィルムのドラキュラシリーズ第一作)、『吸血鬼ドラキュラ(1958年)』で、ドラキュラはヴァン・ヘルシング教授に退治されてしまったからです。
そのため、ドラキュラ伯爵ではない吸血鬼、マインスター男爵が登場します。
ドラキュラは(一時的に)いなくなっても、邪悪な吸血鬼の血脈は潰えていないのです。

吸血鬼ドラキュラ [ クリストファー・リー ]

この映画、まず、マインスター男爵に負けず劣らず女性陣が恐い。
まずマインスター夫人(マインスター男爵の母親)と使用人のグレタです。
魔女顔というのだろうか、2人は異なるタイプだが、映像に出てきた瞬間に恐い。
そこへもってきて、顔に陰影をつけたライティングの効果が、これまた十二分に恐さを引き出します。
マインスター夫人は、吸血鬼化したあとで、異常にのびた犬歯をかくすために、布で顔を覆う仕草がいやらしく禍々しい。
けど、グレタのほうはちょっとセリフが説明的でくどくて、しらけ気味になってしまったのが残念。
さらに、マインスター男爵に血を吸われ、吸血鬼化するジナ(もとは女学校の先生)も恐い。
吸血鬼化する前も独特な顔立ちですが、吸血鬼となって長すぎる不格好な犬歯を剝き出しにすると、ますます恐い。

さてさて、この映画で主役というべきはヴァン・ヘルシング教授です。
劇中で、教授は、医者であるとともに、哲学博士、神学博士として、さらに形而上学についても大学で教鞭をとっているとの紹介がありました。
きわめて博学なのです。
不死者(奇病)とは、つまり吸血鬼のことであります。

もちろん、ヴァン・ヘルシング教授は、医者として、または学者として、知性だけで不死者の撲滅に取り組むのではありません。
ハマーフィルムの、ピーター・カッシング演じるヴァン・ヘルシング教授は、吸血鬼との直接バトルも厭いません。
今回は、対決時に不覚をとって、マインスター男爵に血を吸われてしまうヴァン・ヘルシング教授でした。
しかし、先述のように自ら吸血鬼化を防ぐと、あらためて果敢にマインスター男爵に立ち向かっていきます。
マインスター男爵に聖水を浴びせかけて大きなダメージを与え、とどめをさすために風車小屋の大きな羽根に飛びつきます。
(どんなふうにとどめがさされるのか、それは見てのお楽しみ)
そして、風車小屋の高さ3mほどのバルコニーからひらりと柵を飛び越えて地面に降り立ちます。
(多分、撮影時には、地面にはマットか何か敷いてあったのでしょう)
ヴァン・ヘルシング教授(ピーター・カッシング)、驚くべき身軽さです。

事程左様に、宿敵ドラキュラが登場しない『吸血鬼ドラキュラの花嫁』は、ヴァン・ヘルシング教授が圧倒的な存在感を示すのでした。 

後年、映画『ヴァン・ヘルシング(2004年)』やドラマ『ヴァン・ヘルシング(2016~21年)』、その他が制作されます。
原作小説では後半から登場し、脇役的存在だったヴァン・ヘルシングが、映画やドラマなどの主役となっていったのです。
おそらく、ヴァン・ヘルシングのイメージが、原作小説や映画『魔人ドラキュラ(1931)』の知恵袋的な彼ならば、そうはならなかったでしょう。
ハマーフィルムの、ピーター・カッシングが演じたスーパーアクティブなヴァン・ヘルシングによって、超絶吸血鬼ハンターが目覚めたのです。

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Last updated  September 13, 2025 07:47:55 AM
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