kittyのつれづれ☆ホスピタルランド

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混合診療、全面解禁見送りに思う



「混合診療」とは、保険診療と保険外診療の併用が、全額自己負担となることをいいます。
公的保険で認めていない製剤や手術法などを一部でも用いると、
一連の診療はすべて保険外診療として扱われ、自己負担になると言うわけ。

例えば、癌患者が、国際的には標準の抗がん剤治療を受ける場合でも、日本で未承認であれば、保険外診療になるため、混合診療となります。本来なら、保険診療になるべき、検査や入院費用まで全額自己負担となるのです。治療費は、1か月に百数十万円と高額になり、治療を続けることが難しくなります。もし、混合診療が認められたら、保険診療部分の費用は通常通り7割が保険から支払われるため、負担額が大幅に削減され、治療が受けやすくなります。患者にとって、有益であることは言うまでもありません。

現行の制度では、例外的に特定療養費制度が認められているように、決して出来ないことではないのです。
やみくもに、「患者の経済的背景により、医療に差が生じ、医療の平等性が損なわれる」という考えだけで禁止するよりも、公的保険の適用範囲の見直しと、新たなルールづくりが急務ではないでしょうか。

導入に反対している理由の中には、保険診療を保険外診療で請求する不正等、医療側のモラルによる理由があることも忘れては、なりません。また、公的医療保険制度の給付縮小や歯止めの無い患者負担の増大、経済力格差による医療の不平等など、問題も山済みではあります。

しかし、医療現場では、混合診療の禁止が、新しい診療技術の導入を妨げる、大きな壁となっていることは確かです。
全面的に、混合診療を解禁と言うよりは、特定療養費制度のように、対象にわけ、議論していくべきではないでしょうか。

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