どこかで「チリリン」と硬い音が鳴った。遠い昔から記憶している懐かしさ。音のした方向に注意を向けた。早朝から店開きしているラーメン屋さんの軒先に風鈴が下げられているのを見つけた。そよ風に、チリリンチリリンと涼しい音を立てている。
手拭いをねじり鉢巻きのように丸め、祭りの男衆のような結びで髪をきりりと押さえた、トラックドライバーの客に食事を提供している笑顔の中年女性。店内で動き回っている。きっと彼女のアイデアなのだろう。
こころが救われ、これで今日も乗り切れる予感を得た。
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萌芽月さん