昼の顔・夜の顔・ホントの顔♪

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水物語20

お辞儀バニー
11/19(月)
檀家廻り・今に至るまで・目が廻る

23時過ぎになって、昔店が引けた後によく立ち寄っていた店のマスターが
ふらっと現れた。
彼の居酒屋は朝まで営業しているので、この界隈のお姉さん、ママ連中と
そのお客さんなどが、2時近くになってから立ち寄り、簡単な食事をして
飲んで帰る。
彼は自分の店が暇な時、よく来てくれているママの店へランダムに
遊びに行くようにしているらしい。いわゆる檀家廻りって奴だ。
うちの店にも2ヶ月に1度くらいの割合で顔を出している。
彼の顔を見て、私も少し檀家廻りをしなくちゃなあと思う。
以前は金曜日や土曜日の仕事の後は必ずお客さんと飲みに出かけ、ひどい時は
朝までカラオケをしたりしていた。
シフトが平日だけに変わったたため、自分かわいさのあまり、さっさと帰って
寝てしまうようになり、ここ最近どこのマスターにも挨拶をしていない。
私たちはある意味、持ちつ持たれつな仕事をしている訳だから、稼いだお金を
別のところに少し落として歩かないと、それこそバチが当たるように思う。
私が今のスナックに勤めるにあたって、口添えをしてくれたのも、今夜ここに
遊びにきてくれた、このマスターなのだし。

札幌に来てから2年ちょっと経つが、今の店に落ち着いてやっと1年くらい。
残りの1年は、昼間の仕事をしながら、夜はラウンジバーで働いていた。
女の子の数が多く、ママに力があり、いつも流行っていた楽しいお店。
そこで働くことが、私は本当に楽しかったし好きだった。
ある日ママが辞めることになり、後任のママとソリが合わずに、私は大喧嘩を
して店をクビになった。
どうしてもっと「うまいこと」やれなかったのだろう。と思う。
でも、そんな事件も起きたからこそ、今の私がいるのも確かだ。

お客さんと一緒にマスターの店に行き、クビになったことを怒り狂いながら報告。
まあまあと宥められながらも、くやしくて涙までもが浮かんでくる。
「○○の店で働いてみないか?あの店のママ女の子探してるんだよ。口利いて
 やるから、行っておいでよ。」
親切なマスターの勧めにも、「カラオケのあるスナックには行きたくない。」
「客層悪い店では働きたくない。」と散々無礼な口を叩き泣き喚いていた私。
わたしには、スナックで勤めるようになったらもう落ち目だという、ぺらっぺら
のプライドがいつも風にはためいていた。「根拠のない偏見」と書かれたその旗を
持って行進しないことには、自分がバラバラになってしまうような気がしていた
のだ。

あれから一年、私はスナックでのびのびと楽しく働いている。
癖の強いお客さんもいるし、下品な振る舞いをされることもあるけれど、
スナックなんて!!
という偏見や、そこで働く自分に対してのイジケたコンプレックスのようなもの
は一切ない。

ただ、クラブ系とは違い、カウンター内で立ち飲みをする為に、
最初は飲みすぎると頭がぐるぐると廻って大変だった。
今は立ち飲みにもすっかり慣れ、まるで大食い選手権の男の子が胃の下の方から
詰め込むために、立ってペットボトルをがぶ飲みするように
ビールをがぶ飲みしている。
そのせいか知らないが、私の 膀胱タンクも強靭になり
トイレの回数すら減ったような気が…。

毎日楽しく働けるのは、本当に素晴らしいことだと思う。
そして、そのお金をたまには行きつけの店に落とすのも必要なことだと思う。
しかし、そこで食べたり飲んだりしたものが、脂肪になって付着するのは
如何なものか??
うーん。太らずに檀家廻りってどうやればいいんだ?


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