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2010年01月24日
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カテゴリ: ウマく行く恋愛術


振り返ると、志波勝己君だった。
(あ。志波君。どうしたの?)

「今度の日曜日、空いてるか?」
心成しか、何時もより声が小さい気がした。

(うん。暇だよ、どうして?)
私は、野球部のマネージャーを務めながら殆ど知識が無い。
彼からは、登校・下校時等の何気無い会話に織り交ぜてスポーツ選手達の把握の仕方や管理に付いて様々な情報を与えて貰った。

相談事なら、乗りたいと思った。

でも、答えは余りにも意外な申し出だった。
「ああ。ライブ・ハウスに、行かないか?」

言葉の意味を理解した私は、自分の身体が上手く制御出来なくなってしまった。
顔の筋肉が、好き勝手に動くのをどうにもならない。

(うん!!是非)
嬉しくて嬉しくて、周囲までもが一気に熱くなる感覚だった。
それは、にやけ切った締りの無い表情ばかりか返事の声音にも現れてしまった。

「良かった」
志波勝己君は、ちょっと笑った。
私の態度が滑稽だったのだろう。

(じゃあ)
私は、照れを誤魔化した。
(今度の日曜日、駅前広場で、待ち合わせで良い?)

「ああ。日曜、晴れると良いな」
私は、彼を見上げて頷くや背が高い人影から逃げる様に教室まで駆け出した。

デートだ。
デートだ。
志波勝己君から誘われた、初めてのデートだ。

当日。
私は、慎重に洋服を選んだ。
彼が褒めてくれたお店のブラウスは、絶対に着なきゃ。
後は、花柄のフレアスカートとニットのショール。

張り切って到着してみると、やはり早かった。
(志波君。まだ、来ていないみたい)

人並みに紛れているつもりが、噴水の手前で立ったり座ったり”挙動不審”になっていた。
「はぁい!!彼女!!猛烈簡単アンケートに、答えて欲しいんだけど!!」
余り似合わないロング・ヘアに、海外旅行で焼いた様な肌の男性がニヤニヤしながら来た。

(困ります。待ち合わせしてるし)
返事を返したのが、逆にいけなかったらしい。

「すぐに、終わるから!!お茶もケーキも、ご馳走するから協力してよ!!」
人目にも付く身振り手振りで、食い下がる。
私は、中途半端な無視も出来なくなり小さくなっていた。

鋭い声が、空間を切り裂いた。
「アンケートに答えたら最後、何を売り付けるつもりだ?」

志波勝己君だ。

「当社自慢の深い眠りに誘う学習セットを・・・は?」
キャッチ・セールスの男性は、大木の様な彼を見上げて口を半開きにしている。

「はは。そりゃ、傑作だ。俺にも、見せてくれ」
「え。そ、それは」
「金なら、ある。連れてけよ。それとも?俺には見せられないのか?」

私は、さっきよりさらに不安になっていた。
もし、両者の間の口論が昂じて取り返しの付かない事態になったら。

「あ。いや、その」

彼に、近付こうとしたらナイフを思わせる強い目線が飛んで来た。
あれは、”自信がある”時の眼差しだと感じた。

私は、彼の内面を読み辛うじて踏み留まった。

「だったら、こいつはやれねぇ。俺が、貰ってく」
「ど、どうぞ!!僕は、消えまぁす!!」

いなくなった。
ふ、ふぅぅ。

私は、脱兎の如く消え去った後ろ影と目の前に残った志波君を小動物みたいに落ち着き無く見比べるしかなかった。
「大丈夫か?悪い。遅れたばっかりに」
(うん。ありがとう。志波君)

私は、少し余裕が生まれた。
(ね。さっき、最後に何て言ったの)

彼が、終わり掛けに何かを叫んでいたのが気になった。
「あ、あれは」

志波勝己君は、動揺したらしかった。
「大した事は、言っていない」

「それより。ああ言う奴には、気を付けろ。俺も、遅刻しない様に気を付ける。判ったか」
(うん)

”こいつは”の後が、ざわめきで聞こえていなかった。

(それで、さっきの)
「それ以上言ったら、置いて行くぞ!!」

人波に紛れながら、不思議な感覚が内面を満たした。
これからも、ずっとずっと2人がこんな遣り取りを繰り返して行く予感がしたのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・此処でのポイントは、(彼に対する)”返事”と”二度聞き”のタイミングと使い分けです。

男性は、女性との”問答・議論”を避けて会話します。
だから、初めから”断定口調”なのでしょう。

デイジーは、志波勝己君への答えに必ず「うん」と肯定し応じております。
これは、男性には大変”安心感”を与える態度です。

男性から、デートに誘われた時日付や場所に関して同じ事を繰り返し聞き返したり”理由”を質問したり挙句は”変更”させたりするのは無益であり障害とさえなります。

「行こうか」
「うんor駄目」
これで、十分です。

※これまでの”ウマく行く恋愛術”で明記した通り、急な呼び出し等一方的な”無理難題”はお断りしましょう。

緊急時を除き、あなたを”都合良く使おうとする”相手には愛はありません。
このゲームの男性キャラクター達も、デイジーが誘いに乗らない場合それぞれ予定を考え直しています。

また、上記と同じ理由から本来男性への”二度聞き”は厳禁です。
「何度も、同じ事を言わせるな」
あなたも、男性からそんなお叱りを受けた経験がおありでしょう。

一見、デイジーは珍しく”やってはいけない言動”をしています。
ただ、この時は”アクシデント発生時の雑踏だった”為に志波君には”質問”の形で受け入れられたのでしょう。






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最終更新日  2010年01月24日 21時30分49秒
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