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カテゴリ: 白銀の炎
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「こんな形でおまえと再会するとはねえ」

 シイナはグレンの縄を解きながら言った。

「それはこっちの台詞だ。おまえ、なんだって門番なんかやってるんだよ」

「城にいても暇だからなあ。人の流れがあるほうがまだましだ」

 シイナはあっさりとそう言い、グレンを見やる。グレンも見返して、言った。

「……おまえ、老けたな」

「わるいか。……それで、何をやったんだ、おまえは」

 笑みを浮かべて言うグレンに、シイナは言った。グレンは短く溜め息を吐いて答える。



縄をかけられて城に連行される理由というのを」

 憮然とした様子でグレンは言う。シイナは笑って答えた。

「まあ、そう言うな。間違いは誰にでもあるさ。

俺はまた、サクッと何人か斬ってきたのかと思ったよ」

「するかよ」

「やりそうだが?」

 皮肉な笑みを浮かべてシイナは言った。

「してねえよ」

 グレンは額を押さえて、答える。そんなグレンをシイナは不思議そうに見た。


「それより、何だってここに? 内偵か?」

軽口を叩きあったのち、シイナが尋ねた。グレンはため息を吐いて答える。



「何がだ」

「この腐った平穏をどう思う」

 グレンの目が真剣だ。茶化すことはためらわれた。シイナは答える。

「……戦を求めているのか?」

「城下の腐敗の有様を、おまえは知らないのか」



 グレンはシイナの言葉に息をつき、頭を押さえた手で顔を覆った。

「おまえ、腕、どうした?」

グレンの右腕が先ほどから動いていないことにシイナは気づく。鈍いなとグレンは思った。

グレンはため息を吐いた。「斬られたんだよ」

「へえ……めずらし」

 シイナはあらためてグレンのことを、しげしげと見つめ、言った。

「白衣なんか着て、にあわねえなあ」

 俺だって似合うと思って着てるわけじゃねえよ。グレンはうんざりしてきた。

平和ボケしすぎじゃないか? 額を押さえたその指の隙間から覗くように、話しかける。

「シイナ、いずれ崩壊すると解かっていても、それでもおまえは今の平穏を望むか?」

「グレン?」

 苛立たしそうに、そして深刻そうに言うグレンに、シイナはためらう。

「この国は、破滅の足音さえ聞こえないまま、滅ぶだろう」

「なんの話だ」

 預言者のようなことを言うグレンを、からかうのも躊躇われるくらい、グレンの顔は深刻だ。

「俺はそういう国を幾つも見てきた……だいたい、ヨギのやつは何を……」

 語ろうとするグレンの耳が、こちらに近づく足音をひろう。

 視線を移すと、カイルが向かってくるのが見えた。

「カイル……」

 呟くグレンに、シイナも視線の先をを伺う。

「カイル様……」


「グレン!」

 カイルは二人のそばまで走ってきた。グレンは微笑む。犬コロみたいだ。

「シイナとは、よく会ってるのか?」

「ああ」 尋ねるグレンに、カイルは答える。 「昔の話を聞いたりしている」

「仲良しなんだな」

 冷めた目つきで、ため息を吐きながらグレンは言った。
「俺、帰るよ」

「おい、グレン」

 引きとめようとするシイナに、グレンは薄く笑って言う。

「問題は無いだろう?」

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最終更新日  2010.01.13 09:03:57
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