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カテゴリ: 【滝が~】 関連
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「……ごめんなさい……もう……あたしったら」
 サラがほんとうにすまなさそうに、僕に謝った。
「ううん、見分けのつきにくいつくりをしている僕が悪いんだから……」
 われながら意味不明なことを言ったと思う。サラは両手を顔の前であわせた。
「ほんっと~に、ごめんなさいっ!!」
 一生懸命にあやまってる。
「いいよ、気にしてない」
「怒ってない?」

「怒ってないよ」
 僕は笑った。サラは両手の指を動かしながら言った。
「……だってね、あなた、すごくきれいだし……その……可愛いし……ああっ! 怒んないでねっ。あのね……シフと一緒に広場に来たときから、ずうっとあなたのこと、女の子だと思ってたの。髪も長いし……綺麗だし」
 ……ここに来て、ふたりめだ。この髪を 『綺麗』 って言ったひと。
「……僕なんか……全然綺麗なんかじゃないよ。ほら、シフの髪のほうがよっぽど綺麗」
 僕がそう言うと、サラはくすっと笑った。そして僕のことを見て、慌てて言う。
「ごめんなさい。あなたを笑ったわけじゃないのよ。あのね、昔シフが、おんなじようなこと言って、泣いてたなぁ……って、思って」
「……シフが?」
「そ。今でこそ、自分の髪の毛気に入ってるとか、 『俺の髪は世界一だな』 とか、バカなコト言ってるけど、昔はあれが原因で、よく泣いてたの。ぴーぴーぴーぴーと」
「どうして……」
 あんなに綺麗な金色なのに。

 ……みんなと、ちがうから、だから……。
「それで 『どうしてぼくだけこんな色なの』 って…… 『みんなといっしょがいい』 って、泣くの」
「それなのに……どうして?」
「あのね、あっちゃ……ええと、アツさんが怒ったんだよねぇ。 『おまえのその髪は、おまえの父ちゃんと母ちゃんが、おまえにくれたものなんだぞ! それをうとむ奴があるかっ!』 ってね。すごかったよ――あ、シフね、ちっちゃいころに両親なくしちゃってて――それ以来、ずっとあんな感じ」
 僕の頭の中で、誰かが微笑んでいる。胸がつまって。喉が痛い。涙が落ちた。熱い、涙……。後から後からあふれて、止まらない。

 サラが心配そうに僕を見ていた。
「……なんでもないんだ……ただ……」
 ただ、なんともいえないなつかしさを、感じているような気がした。
 そして、懐かしさと同時に、もうひとつだいじなことを思い出した。
 ……僕の、竪琴……。
 血の気が引いていくというのを、僕は今、自分の身をもって理解した。
 真っ青になっているはずの僕の顔を、沈んでいく夕日が、真っ赤に照らしていたに違いない。

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最終更新日  2010.05.10 10:37:17
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