「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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2005.01.06
エロスとアガペー
(2)
テーマ:
恋愛について(2530)
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カテゴリ未分類
2日前、思いがけない人から電話があったというか、久々に電話をしてきた人がいた。
もう何年も会っていない気がする。
ここ2、3年前くらいは頻繁にかけてきた時期もあったが、一時期、意図的に電話に出ないこともあった。
終わったことなのに、振り返る気はなかった。
2日前も、久々に彼からの電話とわかると、一瞬、出ようか躊躇した。
久々に会わないかといわれ、わたしは断る。
もう同じことを何度もした。
とはいっても、わたしは、彼のことがきらいになったわけではない。
愛するなんていう情熱的なものではなく、“いい男だな”という気持ちはあいかわらず健在であったが、会うことはずっと拒んできた。
「会おうよ、たのむから会ってよ。このままじゃ駅に着いちゃうな~。無事、帰れるかな~」
明らかに酔っ払っている口調とわかったが、久々にわたしの心が動いた。
今回も、一度断ったが、会うことを承諾した。
翌日に、彼に会うとなった途端、約束の時間までにいろいろ考えた。
服はこのままでいいかな。
お化粧も、し直した方がいいかな。
普段、服装にも化粧にも無頓着なわたしを、そういった気にさせるという点では、ある意味すごいと思う。
だが、そういったわたしの気持ちの高揚すら踏みにじるかのように、彼はそういったことには全く関心がないようで、ほめられることもなければ、けなされることもない。
久々に会うその姿は、あまり違和感なかった。
最初のころは、この人はきっとおしゃれなイタリアンとかフレンチのお店に連れて行ってくれるタイプだろうと思っていたが、全く違っていた。
「オレ、結構しつこいんだ」
それは、いつの頃からか、わたしも感じていた。
これだけ拒絶すればもう電話などかけてこないだろうと思うのだが、また忘れたころちゃんとかけてくる。
この頻度が毎日で、本当にうんざりすれば、逆に嫌悪感だって生まれるだろうが、そうではない。
2年ほど前は一時、頻繁になり月に2~3度電話があった。
「いい男が、たのむから会ってなんて言葉いわないの。“いい男”の定義からはずれるよ」
会うのも久しぶりだから、話すことも当然久しぶり。
それでも、やっぱり“いい男”だなと思う。
それは、愛とか恋ではなく、好みの芸能人をみて“カッコイイ♪”という気持ちと似ているような気がする。
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「なんで、急に会ってくれるって言ったの?」
やっぱりな、聞かれるだろうと思った。
会う気はなかったはずなのに、久々の電話でいろいろなことを一瞬にして思い出してしまった。
「昔、あなたと最初に付き合った頃、わたしは、今とは別の意味ですごくつらかった。それがあなたにあって、気持ちが軽くなった。だから、もしかして今も、あなたに会えば、何か変われるかなっていう気がしたから」
わたしも、たまに彼のことは思い出していた。
どうしているんだろう、と。
そして、彼も思い出してくれていたということか…。
別れてもなお思い出す人、みんなそうなのだろうか。
こんなことも聞かれた。
「今の一瞬に、この人がいてくれたらなって思うことない?」
今の一瞬…。
「
hiroくん…
。そりゃあ、hiroくんだよ。設定がむずかしいけれど、たとえば、真っ白な雪の大地に青い空。この今の景色を見ているとき、となりにhiroくんがいてくれたらなっていう感じには思うよ」
そう、今の一瞬と限られれば、そこに出てくるのはあなたではない。
秋の深まりを感じていた晴天の日、小春日和の中、色づいた景色を眺めながら、hiroくんとここでお弁当を食べたり、おひさまの光の中で、他愛のない話でも出来たらいいなと思った記憶がある。
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「どうして、わたしにこだわるわけ?」
これは、ここ何年かで聞いてみたかったことだ。
女なんて、他にもいるでしょ?
わたしじゃなくたって、女の方から誘われるでしょ?
あなたが誘えば、女は断らないでしょ?
そう、思わなくもない。
「
小説
書いてたりさ、考え方もちょっと変わっているからな。話していてもおもしろい。だから、会いたいなって思う」
ふ~ん、そうか…。
わたしも自分のことは、ちょっと変わっていると思うけどね。
「わたしは、あなたには全部自分を見せていないから、だからそう思うんだよ」
絶対に入り込ませないわたしの領域があり、逆に絶対踏み込まない彼の領域。
わたしが、あまりにもクールに彼に接するから、だからこそ彼にとっては、また会いたいと思ってもらえる女でいられるのだと思う。
彼との関係は、束の間の陶酔になっても、決して癒されはしない。
それはもう結構早いうちに気づいていた。
わたしが彼に自分をゆだねたら、このバランスは崩れてしまう。
その点、hiroくんは、わたしにとっては自然にしていられる人だ。最も自然に、何を構えることはなく、無意識のうちに自然体になっている自分。
彼が感じるわたしと、hiroくんが感じるわたし。
多分、同じではないはずだ。
hiroくんの前では、あんなに冷めたような態度はとってないだろうな。
ふと思った。
彼に対する憧憬のような気持ち。これは、エロス的な愛からきているような気がする。一方で、hiroくんは、アガペーのような愛。
たして2で割ったような人が、目の前にいてくれればいいが、どうも今までの人生を振り返ると無理なようだ。
さらに、今まで彼に会うことを拒絶し続けていたのは、hiroくんに対する正真正銘の誠意の気持ちゆえだったのかもしれない。
束の間の一瞬の逃避的な時間より、おだやかでほのぼのした時間の日常の方が、いいんじゃないかと思うようになってきた。
それでも、なぜか今回の再会は、わたしの心を妙におだやかにしてくれた。
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最終更新日 2005.01.07 20:57:46
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