2003年11月01日
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今日は珍しく真面目チックに書いてみます。


PTSDとは心的外傷後ストレス障害(Post-traumtic stress disorder)のことを言います。最近では阪神大震災を機に注目される用語となり、頻繁に耳に入ってくるものではないかと思います。強い情緒的衝撃を伴うような出来事(天災、交通事故、暴行、虐待など) の後に、その出来事について考えたくもないのにそのことを考えていたり、睡眠が妨げられたり、集中力が落ちたり、恐怖感・不安感などに悩まされるようになり、鬱病を伴うことも多く、日常生活に支障がでるようになる状態のことです。
外傷的な出来事があった場合、そこでの傷となる経験は、その経験が生じたときの映像、音や臭いなどの感覚、感情といった形で脳の記憶に貯蔵されます。通常は我々の脳がその記憶に働きかけ、知人や友人に話したり、考えたり、夢を見たり、文章を書いたりといった作業の中で、時間の経過と共に肯定的な意味づけをしたり、出来事をより小さく視たりすることで現在の意識に統合していき乗り越えることができるようになります。しかし、このような作業をしてもいつまでも悲しみや恐怖が弱くならない、前向きに考えられない、過去のその出来事が一向に過去にならないときには治療が必要となるのです。

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理/Eye Movement Desensitaization and Reprocessing)は、PTSDに対して最も効果的とされ、注目されている治療方法です。EMDRは、外傷的な出来事を考えてもらいながら、治療者がクライエントの眼の前で指を一定の速度で動かし(縦、横、斜めなど、その人に合った動かし方です)、それを眼で追いかけてもらうといった比較的単純な治療技法です。眼球運動は脳を直接的に刺激し、脳が本来持っている情報処理プロセスを活性化できるのです。よって、5年、10年かけて、心のどこかに落ち着いていくプロセスを非常に短時間に進めることができます。そして、その過程はクライエントの脳の本来の力を引き出すので、マインドコントロール(洗脳)される、治療者に操られるというような心配は全くありません。催眠療法とも異なります。また、止めたいときにはいつでも止めることができ、これまでの治療方法では起こった出来事の全てをこと細かく治療者に語ることが必要とされることが多かったのに比べ、大変ストレスの少ない技法とされています。しかしまだ日本では一般的に認知されておらず、PTSDを抱え苦しんでいる人たちが多い(と推測される)にも関わらずあまり知られていません。

今日あたしは2度目のEMDRを受けてきました。いきなり号泣したり、フラッシュバックしたりと、コントロールできない意識の部分の存在を改めて知りました。で、変化がありました。といっても劇的に変わったわけではないんです。自然と、です。自分でも不思議です。物事の考え方がこんなにもスムーズに変化するとは。。
なんでもかんでも自分が悪いんだ、と決め付ける事で納得してきたんですが、自分が悪いわけじゃない事もあるんだな、と。当たり前といえばそうなんですが、あたしにはそう考えるのはかなり難しい事だったのです。それほど自己否定がひどかった。鏡見るのも嫌なくらい自分を醜く感じ、ゴミの様に思っていましたから。
納得できないなら抗議すればいい、怒りたい時に怒り、泣きたい時に泣けばいい、そんな普通の事をしたくなりました。なんでも我慢し、自分をせき立てる事がいいわけじゃない。もちろん常に客観的な自己を存在させ、理性で制御する事も必要だし、自分を成長させるためには自己探求を厳しくやっていくことも必要だと思います。ただ、バランスの問題です。程度ってものがありますよね。

こうは書いていてもまだ少し混乱している部分もあります。「ほんとにあたしは悪くなかったのかな・・・」って。もう長い間自分だけを傷つけて責めてきたから。でもきっとここからは時間薬。「大丈夫」。そう思えます。



EMDRについてここまで書こうと思ったのは、実際自分がやってみて予想以上の効果に驚いたからです。そして出来るだけ多くの人にEMDRを知ってもらいたいからです。これを読んで下さっている方、どうかEMDRという治療法のことを頭の隅っこにでも置いてやって下さい。PTSDをお持ちの方をご存知でしたらそっとこんなのもあるよって教えてあげてください。また、PTSDをお持ちの方がおられたら、勇気を出して治療に行ってください。諸外国に比べ、精神科、神経科、心療内科などへ相談に行かれる方はまだ少ない方です。ここ何年かで多くなったように思われますが、敷居が高く感じる部分があるのでしょう。本などでは心、精神についてのものがベストセラーになりますし、関心が高まっている事がわかります。でもやっぱり実際には治療、相談には行かずに本などで得た知識をもって自分自身を「AC(アダルトチルドレン)だ」とか「〇〇恐怖症だ」とかうんぬん、、決め付けて自分から症状を引き起こしてしまっている人もいます。興味を持って、あるいは救いを求めて本などから自己診断するのは全然悪い事ではありません。しかし、それが事態を悪化させる事にもなり得るということです。
どうか、信頼できる(相性もありますよ、生身の人間ですから)専門家のもとへ足を運ばれることをオススメします。そんなもん必要ねえ!って方はいいんですけどね。

思うに(駄文始まり~)若くて経験がないから物事が理解できないとか、年を重ねているから経験豊富で物事を正しく捉えられるとかって、それは無いね。経験から何を掴み取って来てるかが大事なんじゃないの?数じゃなくて。年寄りでも「お前いくつやねん!?」って人いますからね。いろんなこと経験してきてても素通りしてたら人間成長止まりまっせ。そんなのより、若くて経験が不足してても小さな事からいろいろと考えをめぐらせて、試行錯誤して迷いながら生きてる人のほうがよっぽど人として素敵だよ。

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ああーすんごい普通のこと書いちゃったよ。。
お前は偽善者だよ!!ってツッこみましょうねw





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最終更新日  2003年11月02日 02時48分30秒
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