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nomination1103

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2004年06月26日
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昨年度の映画館入場者数が日本一だったらしい川崎チネチッタで、「トロイ」を観てきた、遅ればせながら。


インターネットで既に「トロイ」を鑑賞した方々の感想をさっと読ませて頂くと、「トロイ側の藍色の衣裳がきれい」「綿、麻使いが涼しそう」「ブラピ(ブラッド・ピット)の太腿があらわなスカート姿が印象的」といったコメントがかなり見られた。

藍染めについては私も気になったので調べてみたが、ネットや自分が所持している服飾史、テキスタイル史の本には予想通り出ていなかった。なんせ、紀元前1200年頃の話なので、完全に近い形で残っている衣服は発見されていないようだ。

但し、この時代、いわゆる歴史上「小アジアの時代」といわれる頃は、「革細工や金・銀・青銅の金属細工が盛んで、葬礼用の黄金のマスクや冠帯、銀杯や銀壺など優れた金工品が今日に残されている」(深井晃子監修『世界服飾史』、1998年初版、美術出版社)ようだ。映画の中で王や王子達が身に着けていたような宝飾品に近いものは実存していた訳である。

それから、素材の麻、は正しいが、この頃のヨーロッパには綿は存在しない。メソポタミア発祥の毛(ウール)ならば考えられるが。ちなみに綿の発祥の地はインド、絹は中国である。

ギリシア時代と言えば、服飾史の知識が多少ある人ならば、後世19世紀末~20世紀初頭のベルエポックからアールヌーボー、アールデコの時代のマドレーヌ・ヴィオネらや、更に1980年代の三宅一世、川久保玲、山本耀司に影響を与えたドレーパリー(ドレープ)使いの「ペプロス」や「キトン」という衣服が思い浮かぶが、これはもっと時代が下る紀元前6世紀以降のものである。

また、何かと話題を呼んだ、ブラピを始め男性陣のスカートだが、やはりギリシア時代は、それ以前のエジプト時代の「シェンティ」と呼ばれる腰衣に近いものを身に着けていたようだ。但し、前述の『世界服飾史』によれば、この時代のミュケナイ文明では、「男の衣服はエジプト風の腰衣からショート・パンツの形態に変化している」とある。スカート、パンツ双方存在したとしても、映画的には絵になるのはどう考えても腰衣だと私は思うけど。

映画「トロイ」の公式サイトには、映画衣裳担当のボブ・リングウッド氏の「世界中から必要な織物を集め、3000年前と変わらない織り方を研究、イラク、トルコ、インド、スリランカ、中国に製作をアウトソーシングし、4か月半で8,000着の衣裳と10,000足の靴を用意した」という趣旨のコメントが紹介されている。


http://www2.troy.jp/phase2/pnotes.html

製作が行われた国は全て現在の繊維、特に縫製の大国だが、この中に太古の昔の4大文明の地域がエジプトを除いて揃っているのが興味深い。





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最終更新日  2004年06月26日 23時26分01秒


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