山田の酒のつまみ話

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サルエビ

サルエビ

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2005/11/03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昨日の酒が午後になっても体全体にまとわりついている。

何もする気が起きなかったが、

せっかくの休日をこのままだらだら過ごすのはもったいない気がして、

近所の床屋に行ってきた。



レトロな看板が以前から気になっていたのだが、入るのは今日が初めてである。

中に入ると入り口のカウンターのごしから

いかにも美容師といったオシャレなお兄さんが出迎えてくれた。


「いらっしゃいませ。お客様初めてですか?

 こちらに名前を書いてお待ちください」




カウンターテーブルの上にある順番待ちの用紙を見た。

そのとき、奇妙な光景が目の中に飛び込んできた。



そこに、既に俺の名前が書いてあったのだ。



初めて来た床屋の、テーブルの上に自分の名前が書いてある。

思わず目の前で笑っている店員の顔を見る。

この男はひょっとして俺が来ることがわかっていたのか。

店員はちょっと不思議そうな顔で、

「こちらに名前を。」

ともう一度同じセリフを繰り返す。


名前を、と言われても指差す先には既に俺の名前がある。

どうしたものかと思って店を見回すと、




それを見て、気が付いた。


ああ、この子も 山田 亮 なんだと。


つまり俺とまったく同じ苗字、名前の人間が

俺が来る直前に来て名前を書いていたのだ。



考えてみればありえないことではない。



店員の予言者疑惑は消えたが、

髪を切り終えたあとも俺の中に奇妙な感覚はなかなか消えなかった。










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Last updated  2005/11/03 11:25:20 PM
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