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2010.10.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 私の中には、その時は彼女しかいなかった。
私に考えられる事は、彼女のことであった。
生きてくれと、私は手術中も手術室の前で、ただしたすら、
彼女の無事を祈っていた。
朝の九時から始まった、手術は夜の九時まで続いた。
私は手術室の前で、彼女との思い出が走馬灯のように、
駆け巡って行った。
 昨年、同じ時期に彼女の母親が亡くなった。
私は、落ち込んだ彼女を、黙って見ているしかなかった。

自分を犠牲にした部分もあった、それは彼女が小さいときから、
母親の苦労を見てきたから、
その恩返しなのか、色々と尽くしていた。
 こんな事を書いていいのか分からないが、彼女の母親は、
彼女の働いているところから、お金を借りていた。
彼女は月々の給料から、それを返済していたのである。
そんな状況の中でも、彼女は明るかった、皆と笑い、
楽しく会話する姿は、見ている私も心和んだのである。
 私と彼女の出会いは、前にも書いたが、彼女からの
アプローチからであったが、私は「友達としてなら」と
答えていたが、私は、彼女の魅力に、

彼女は美人ではなかったが、かわいいと言うのが、
合う女性であった。
それと、何か人をひき付ける明るさがあった。
だたひとつ、彼女は非常に焼餅焼きであったのは、私を悩ませた。
私が、他の女性と話していても、怒り出すことがあった。

時には喧嘩にもなった。
でも、そのときの私には、それも楽しい思い出として残っていた。
 彼女の母親がなくなったのは、前の年の十月であった。
私は次の年の正月に、彼女を連れて初詣に行ったときに、
彼女が「前の年に、親戚や親が死んだときは、
お宮参りはしないほうが、いいんだって、
その人が迎えに来るから」と言って、渋っていたのを、
私は「迷信だよ」と言って、強引に連れて行ったのである。
それが、思い出されていた、私は母親が迎えに来たのかと、
恨めしくも思っていた。
その時は、私は「違う、違う」と幾度も心の中で叫んでいた。
ただ、その事を打ち消すだけの力はなかった。
私は、何でも良いから、彼女の生だけを願っていた。
  続く

私のHPにもどうぞhttp://www.geocities.jp/ryuutarou1946/





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Last updated  2010.10.12 15:03:09
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