淀風庵の酒詩歌日記

淀風庵の酒詩歌日記

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2006年09月23日
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カテゴリ: 酒本

 岩波書店 1997年 2,100円
(古本購入価格 1,200円)

 日本文化と言いながら海外も含めて古今の文学世界に登場する酒の文化について、48人の学者による学術的小論で編纂されている。今までにない格調高さ、これは貴重な書である。

 酒を飲みながらの「酒と日本文化」についての座談会の章まである。
  座談会「酒と文学的群像」においては、明治以降の作家と酒の関係について語られており、文壇に果たす酒の役割が時代によって変化する様が分かるようだ。

 下例のように、執筆者には女性学者も多い。男性もほとんど名前を知らない。
 ・源氏物語の酔い(三田村雅子)
 ・『徒然草』の酒談義(末木文美士)

 ・男色の美学と酒(佐伯順子)
 ・日蓮と飲酒(今成元昭)
 ・『青鞜と飲酒』(堀場清子)
 ・酒と歳時記(暉峻康隆)
 ・毛沢東、酒詩の系譜(竹内実)
 ・イスラームにおける酒(東長靖)
 ・「悪魔の酒」(アブサン)の詩人(斉藤一郎)

 男色の話は、雨月物語の「菊花の約」の段をテーマとしたもの。重陽節句に美酒と野菊を用意して相手の男性を待つが、再会の約束を違えぬため自ら命を絶ち、亡霊となって現れる、死して永遠の契りを得る妖しいエロスの世界です。菊花は男色関係の象徴。また、菊酒は不老不死の効があり、永遠の美少年の意味につながる。
 悪魔の酒はヴェルレーヌとアブサンという強烈な酒による破滅的な人生について記されている。彼も少年ランボーと同棲するなど男色だった。






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最終更新日  2006年09月23日 12時41分45秒
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