~*卒業TIME*~

~*卒業TIME*~

2011.03.03
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カテゴリ: *※小説2※*
きっともう二度と行くことなんてないと思っていた。
逃げてるって思われてもいい。二人がいないことを実感したくなかった。
また、行くことが怖くなった。でも、そんな時は修二の言葉を思い出す。
電話がかかった。
「もしもし、」
「久しぶり!莉花、俺、翔」
「か、翔!?うそ、久しぶり、びっくりした」
「ゆかりから聞いたんだ、一回忌行くんだろ。」
「う、うん…。」

「ううん、翔が謝ることなんて何もないよ。私もずっと逃げてきた。翔はそばにいてくれてたのに翔からも逃げてた…少しずつだけでもいいから成長したくて、二人に向き合いたくて…まだ怖いんだけどね。」
「うん、俺もずっとこのままじゃいけないと思う。時間はかかるかもしれないけど、少しずつ変わっていきたい。」
翔と話して心の中が少しだけ晴れた。

二人がなくなってから一年―
心の中はまだあのときのままだ。
「莉花、」
でも、今私のことを大切に思ってくれてる人がそばにいる。そのことは大切にしたい。
「行こうか。」
「うん、」
久しぶりにこの道を歩く。よく一緒に帰った。自然と足取りが重くなっていた。
「莉花?」

「大丈夫、うん、大丈夫」
莉花は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
《ここまで来た、もう後戻りしたくない。前に進みたい。》
平太の家に着いた。美優と二人同時に行うことになっていた。
「り、莉花ちゃ…ん?」

「お久しぶりです。長い間こちらに伺うことができなくて本当にすみません。」
「いいのよ、平太も喜ぶわ。修二くんもわざわざありがとう。」
平太の母に奥の部屋を案内された。遠くからでもそこに平太の仏壇があるのがわかった。修二は先に行き、線香をあげた。莉花は仏壇のある部屋になかなか入れずにいた。
「莉花、ゆっくりでいいから、平太にあいさつしよう。」
とても優しく修二はそう言った。莉花はうなずきゆっくり部屋に入り腰を下ろした。写真の平太は優しい笑顔で写っていた。
《平太、久しぶり。》
莉花は何を平太に言えばいいかわからずそのまま立ちあがった。
そのあと、美優の両親、ゆかり、翔、親戚の方がぞろぞろと部屋に入った。
莉花と修二は部屋の片隅に座った。一年経っても平太の家の香りを覚えていた。
《ああ、この香りだいすきだった…安心してた。》
平太がそばにいる気がした。
一通り終わったみたいで、人が動き出した。翔とゆかりが莉花のもとに来た。
「久しぶり、莉花」
「久しぶり」
「もう、終わったみたいだ、今日、まだ時間あるか?」
「大丈夫だよ。」
「外で話さないか」
翔の言葉に莉花は安堵した。この平太の匂いが強いこの場所に居続けるのはまだ莉花にとってはつらかった。翔は隣にいる修二に目を向けた。
「雪村翔です。」
「あ、北本修二です。莉花とは高校が同じで…平太とは昔…」
「知ってます。平太に聞いたことあります。いいライバルがいたって。まさか莉花と同じ高校でこんな風に会うなんて」
「平太が俺のこと…」
「またゆっくり話そう、莉花、行こっか」
「うん…」





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Last updated  2011.03.03 23:51:18
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