営業マンの備忘録

営業マンの備忘録

2012年05月09日
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カテゴリ: ピアノ

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イーヴォ・ポゴレリッチ
― The Legendary Romantics
<2nd Night - Solo Recital>
サントリーホール 2F8列真ん中辺
S¥15,000 A¥12,000 B¥9,000 C¥5,000

プログラム
ショパン : ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op. 35 「葬送」
リスト : メフィスト・ワルツ第1番

リスト : ピアノ・ソナタ ロ短調

ポゴレリチ。
彼のセンスは私の好みと合わないため二度と行かないつもりだったが、会場に会いたい人がいたので出掛けた。結果は予想通りの途中退席に至る。

コンサート後、多くの人が苦しみながら聴いたあの演奏に価値を見いだそうとしている。
私の好みはコンサートの帰り道、美味しくお酒が飲めるような素晴らしい演奏が好きである。
「そう仰るあなたの意見はきっと多くの人が思う感想でしょうが、私は応援していきたい」
みたいなウザイ論争はしたくないのだ。

これが15000円のコンサートだから、きっとあの中のどこかにお宝が隠されているのではないか?と思うのだろうか。
耳の肥えた日本人の皆様には、是非そんな貧乏人根性はやめてほしい。
あれが2000円のコンサートだったとして
「2000円だけど素晴らしいコンサートだった!」と言えるか?

「素晴らしい原石をみつけちゃった!」と自信をもって言えるのか。

もうこんなことを書くのも面倒なのである。

書くのも最後になろう。ポゴレリチ。
当ブログでも以前のリサイタルの際に紹介しているが、楽曲を歪曲した解釈、美しい弱音と汚い強音、呼吸をも躊躇わせる無音区間、ごちゃごちゃにかき混ぜたテンポ。
これらが相まっていつしか頭痛が耐えられなくなるのである。


ショパンの二番ソナタ。ゆったりした冒頭からスピードをあげつつテーマ。
彼にしては普通に近い演奏。これなら最後まで耐えられるかと思ったが、やはりところどころ顔を出す汚いフォルテ。
この座席位置でそれ以上に辛いのは想像できない加速、減速の繰り返し。脳ミソを手で鷲掴みにされて振り回されているかのようなピアノ酔いがツラくなってきた。
豪快な二楽章(荒い強音に頭痛い)からやや速めで許容範囲の三楽章。そして以外にもあっさりの四楽章。
あれ?、彼にしては普通。彼にしてはだ。

メフィスト。
前半は強音とテンポで揺さぶり、途中弾き直しもあったが耐えられる。
休憩で帰ろうと決断したのは中間部。その壮大な解釈、間延びしたテンポには、もはや何の曲を弾いているのかわからない。
震災直後、この曲で勇気付けてくれたベレゾフスキー、弦ブチ切りでフォートワースを沸かせた故スルタノフのトレードマークでもある(今夏追悼コンサートで奥様弟さんと会う予定がある)。
彼らの思いとポゴレリチの背景などを考えたりして、悲しくなってきた。
何でこんなパフォーマンスをしているのか、奥様が亡くなってからこんな演奏になってしまったらしいが奥様は浮かばれるのか?
など、頭の中がぐちゃぐちゃ。

拍手をせずに途中退席。

是非、丸ビルなどで無料コンサートをやると良い。
最後まで何人のお客さんが残るかが彼の価値基準だ。
ピアニストはピカソではない。今を生きる音楽がやりたければ現代曲か自分の曲をやれば良いのだ。
なにもロマン派の音楽で現代的な表現をすることはない。
バッハがジャズにアレンジされただけでも汚らわしく思う。それが私の価値基準だ。
ポゴレリチの音楽は作曲家だけではなくこれら楽曲を愛してきたすべての人を愚弄するものである。
もう二度とその名前を聞きたくない。それ以上にこんなくだらない彼の演奏のことで大事な仲間たちと議論をしたくないのである。





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最終更新日  2012年05月13日 18時48分23秒 コメント(3) | コメントを書く


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