ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年11月15日
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1920年代、恐慌前のアメリカ。どこか浮かれた時代のクラブ生活も垣間見る事ができます。



最初の話「シンボル」がプロローグとなっています。



腕に自信がある彼は、もちろんイカサマで勝つつもりでしたが、なぜか……。


その後は真面目な農夫となったビルが友人のトニーに泣きつかれては、出かけていって様々なイカサマのトリックを鮮やかに暴いていくという流れです。
でも、決してワンパターンではありません。
ポーカー、ルーレット、チェスと様々なゲームが登場しますが、相手のトリックを逆手に取ったり、いけ好かない依頼人の裏をかいたりと一作ごとに意外性があり、アイデアも冴えています。

友人のトニーがワトソン役で、ビルとの掛け合いが楽しいのですが、これがまれに見るダメ男なワトソンです。
何度カモにされても懲りずに賭け事に手を出し、「どらえも~ん」とビルに泣きつきます。
そんなトニーを心から愛している奥さんというのがなぜか賢く魅力的な女性。


パーシヴァル・ワイルド、
聞いた名前だと思っていたら、読んだ事がありました。
通信教育探偵P・モーラン物 の『  探偵術教えます  』です。
運転手のモーランが探偵になるための通信教育を受ける話ですが、とんちんかん(死語?)なやりとりと勘違いだらけの展開がとてもおかしかった覚えがあります。

この作者は欧米では世間的にはどちらかというと劇作家としての方が有名らしいです。
ミステリーの方はあくまで余技だったようで数も少ないのですが、これだけ面白いのですからもっと書いて欲しかったですね。

巻末にはギャンブルのことを知らない人のために、簡単な説明があります。
けれども、ほとんど詳しくない私でも、見なくても大丈夫でした。

ポーカーやチェスには興味がないからと敬遠するのはもったいないです。


本格ではないけれど、ミステリの醍醐味が味わえる良質の作品ばかり。

これはおすすめです。

同じくビル・パームリーが主人公の「堕天使の冒険」が『  世界短編傑作集(3)  』に収録されているらしいので捜してみようと思います。



悪党どものお楽しみ : パーシヴァル・ワイルド








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最終更新日  2006年11月15日 17時39分13秒
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