ミステリの部屋

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2007年01月03日
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そのなかで実力がありながらペースメーカーとして出場する市川。
彼もまたこの福岡にひとつの思いを持っていた。
レース途中に、有力選手の死亡事故があったが(それは殺人なのかまた事故なのか。先導する白バイの警官が、その謎に挑戦する)、白熱のレースは続く。
モノローグのように、各選手の過去が綴られ、次第に謎が明らかにされていく。勝負はトラックまでわからない。
そして最後の直線100メートルの激走がその答えを出した。


初めて読む鳥飼否宇さんの作品。
出てくる地名は、福岡出身の私にはなじみがある名前ばかり。

福岡国際マラソンはいつもテレビ見ていたし、実際に沿道から応援したりもしました。
以前は志賀島に続く海の中道を通るコースだったのですが、両側が海ということで風が強いため、最近変更されたようです。

作者の鳥飼さんは福岡生まれで九州大学卒です。
鳥飼は子供の頃住んでいた家の近くの地名。九大の近くですし、その地名からつけられたペンネームなのでしょうか?
と思ったら一気に親しみが増しました。

だからと言う訳ではないのでしょうが、私は序盤で作者の目論見がわかってしまいました。

それでも、最後まで面白さがそこなわれることはなく、やはりそうだったという満足感さえありました。

『激走 福岡国際マラソン』、まるでドキュメンタリーのようなタイトルですね。
この作品は、福岡国際マラソンのレースを舞台としており、スタートからゴールまでを刻々と描いています。
その途中に、選手や関係者の様々な思いが交錯して、誰が優勝するのかという興味だけでも十分読ませる内容になっています。
もちろん、それだけではありません。
ちゃんと仕掛けのあるミステリなのです。

臨場感があるので、読んでいるうちにマラソン中継を見ているよう、と言うよりは一緒に走っているかのような気持ちになります。
リズムに乗って一気読みすることも可能です。

多少都合のいい偶然も幾つかありますが、許される範囲内でしょう。
かなりユニークな設定の作品で、大変面白く読むことができました。


 激走福岡国際マラソン: 鳥飼否宇









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最終更新日  2008年02月13日 22時33分24秒
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