ミステリの部屋

ミステリの部屋

2007年07月04日
XML
雪に閉ざされたニューヨーク州スパータの町は、殺人鬼HOGの凶行に震え上がった。

不可能としか思えない状況でも、確実に獲物をとらえる。そして巧妙に事故や自殺に見せかけたうえで、声明文を送りつけるのだ。
署名はHOG―このおそるべき連続殺人事件解決のため、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授が乗り出した!
アメリカ探偵作家クラブ賞に輝く本格推理の傑作。

(「BOOK」データベースより)

ウィリアム・L.デアンドリアはアメリカの作家。
エラリイ・クイーンに憧れてミステリ作家を目指しました。
大学卒業後、工場やミステリ専門書店勤務を経て、1978年に『視聴率の殺人』で作家デビュー。
これがMWA賞最優秀新人賞を受賞、翌年発表の『ホッグ連続殺人』も同最優秀ペイパーバック賞受賞と、2年連続の栄誉に輝きました。


昨年、米澤穂信さんの講演会に行くことができましたが、そこで米澤さんが好きな海外ミステリ3冊は、という質問に答えられた中の1冊がこの作品でした。
講演会についての日記は→ こちら


ある日、高速道路を走っている車に、陸橋から吊り下げられた標示版が落下して直撃し、乗っていた若い女性が二人死亡するという事件が起こります。
警察が表示板の金具を調べたところ、あきらかにボルト・カッターで切リ取った跡がありました。



どうやって犯人は目当ての車がきたときにに表示板を落とすことが出来たのでしょうか?

以後も不可能としか思えない殺人が続き、困惑した当局は世界的な犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授に調査を依頼します。

教授はまず自分からお金を出そうとしないし、急に部屋にこもって絵を書き始めたりします。なかなか個性的ですが、優秀な頭脳を持っています。
彼は元助手だった探偵と、精神科医の女性と共に、真相をさぐります。

巧みな言葉遊びもたっぷり楽しめて、最後の一行に向かってぐんぐんサスペンスが高まっていく作品です。

ところが、米澤さんは「もしかしたら、スレた読者がいま読むと、一発でしかけを見抜かれてしまう」かもしれないと言われていました。

その通りでした。
残念なことに、早い段階で私にはすっかりわかってしまいました。

この作品を読むのなら、スレた読者になる前に読んで、ぜひ一級のサプライズを体験してほしいと思います。



ホッグ連続殺人:ウィリアム・L. デアンドリア








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年07月05日 22時04分41秒
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

バックナンバー

2025年03月
2025年02月
2025年01月
2024年12月
2024年11月
2024年10月
2024年09月

コメント新着

月見草@ Re:夜のピクニック:恩田陸(07/06) 「夜のピクニック」のご紹介ありがとうご…
アルビレオ@ Re:白馬への旅、2日目(07/30) 白馬 行って見たくなりました。ワタスゲ…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiadoさんの優しさがしみます。36ufh
アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…

お気に入りブログ

『バベル』買 shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: