ミステリの部屋

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2007年11月15日
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様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。
〈城〉と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。
外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し……。
江神シリーズ待望の書き下ろし第4長編。著者あとがき=有栖川有栖
(出版社より)


この作品をずっと待ち焦がれていました。
やっと読むことができた『 月光ゲーム 』(  感想  )、『 孤島パズル 』、『 双頭の悪魔 』に続く江神シリーズの第4長編です。『双頭の悪魔』から15年も経つのですね。

あきらめずに待ち続けて良かった、と思える作品でした。

2段組みで500ページを超えるという大作ながら、地球外知性の探査に関する蘊蓄2~3ページを除いて、読むスピードが落ちることはありませんでした。

読み手にとっては決して短いとは言えない時間が流れたわけですが、作中のアリス達はあの頃のままです。時代はバブルがはじける少し前。



姿を消した江神さんを案じ、残された手がかりをもとに探しに行くことを決めた英都大学推理小説研究会の面々。
不安を打ち消すかのように、あれやこれや言い合いながら車を走らせるその道中から、すでに張り巡らせた伏線に飲み込まれているのです。

宇宙人と交信するという宗教団体の本拠地で立て続けに事件が起こり、しかも彼らは全員そこに留まることを要請されるという状況のもとで、事件の解決と脱出をめざして、メンバーそれぞれが冒険小説なみに活躍します。

とにかく思いつくことを言ってみるだけだったり、みんなとはぐれたり、センチメンタルになったり、迷える子羊たちはそれなりに懸命です。まさに青春小説としての一面を見ることができます。

そしてやっぱりかっこいいのは、堂々と論理で謎を解き明かす江神先輩です。

過去の事件も色々なできごとも、すべてが見事につながり、さらに最後には「あっ」と言わされました。
私には犯人も、それ以外のこともまったく予想できなかったからです。

相当に期待されていることがわかっている上で、そんなプレッシャーなどないかのように、のびのびと論理に彩られた本格ミステリを紡ぎだした有栖川さんはやっぱりすごい、と思います。

美しいミステリでした。楽しい読書でした。



女王国の城:有栖川有栖







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最終更新日  2008年02月27日 08時43分54秒
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