ミステリの部屋

ミステリの部屋

2008年04月04日
XML

「大学の一年間なんてあっという間だ」

学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。
パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。
(「BOOK」データベースより)


主人公の北村が、大学に入ってすぐに知り合ったのは、ちょっと変わった仲間たちでした。
「やませみ」に似ている鳥井、突飛な主張をする西嶋、美人だけど愛想がない東堂、超能力がある南。

彼らが集まるきっかけとなった麻雀。麻雀をよく知らない私でも問題はありませんでしたが、知っていたらもっと楽しめるのかもしれません。

私の学生時代とは全く違うものの、あの頃を思い出します。これまで読んだ伊坂作品よりもかなり身近に感じられました。

音楽、麻雀、ボーリング、海。
くだらないこともたくさんやるし、悲しい事件もあったけれど、彼らはそれぞれ魅力的です。

特に、西嶋という男が面白い。
初めて登場したときは、空気が読めない変な奴でした。
ちょっと太めでメガネのイケテナかった彼が、読み進めるうちに、だんだんかっこ良く見えてきます。


熱く語る、説教する、とにかく行動する、人目を気にしない。
そのパワーを見ているうちに、何でもできそうな気がしてきます。

そう、空気なんて読まなくていいんです。

すっかり西嶋君が好きになっていたので、これまで恵まれたことが何もなかったという彼が、仲間ができた喜びをさりげなく語った時には、思わず泣きそうになりました。

「西嶋は臆さない。」

この言葉は、八方美人で意気地がなくて すぐ臆してしまう私に力をくれました。
これからは、この言葉を呪文のように唱えながら生きていこう、と本気で思っています。

いつもの通り軽妙な文体ですが、今回はひとことで状況をひっくり返すある「言葉」が憎らしいくらいに効いています。
それが何かは読んでみてのお楽しみです。

好きな作品の「チルドレン」ともつながりがあるらしいこともわかって、嬉しくなりました。





砂漠 : 伊坂幸太郎







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年04月05日 11時19分48秒
コメント(8) | コメントを書く
[ミステリではないがミステリ的要素を持つ本] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

バックナンバー

2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月
2025年11月

コメント新着

月見草@ Re:夜のピクニック:恩田陸(07/06) 「夜のピクニック」のご紹介ありがとうご…
アルビレオ@ Re:白馬への旅、2日目(07/30) 白馬 行って見たくなりました。ワタスゲ…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiadoさんの優しさがしみます。36ufh
アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…

お気に入りブログ

『私の謎 柄谷行人… New! shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: