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カテゴリ: その他
入院してすぐは『ここのお料理案外美味しいのよ』と言われていた病院食も
次にお見舞いに行った時には
『野菜ばっかりだしお醤油味ばかりでね。
私、お肉も結構食べていたから…』と寂しそうにされていたので
ほんのちょっとずつでいいから、出来る範囲で差し入れしようと思い、
その後のお見舞いの時には、やわらかめのものを持っていくようにした。

子らのお弁当に入れたハンバーグを取りわけてちょっと、
シュウマイ、レバーの煮たの、甘酢の肉団子…etc。

この日は行きつけのお店でランチだったので、

骨から外して数口分とりわけて入れてほしい、と
タッパを渡してお土産にしてもらった。

病室には冷蔵庫がないので、
持っていけるのは、食事時のちょっと前に訪問できる時に限られるし、
すぐに食べられるものを少ししかおいていけないけれど
食べることくらいしかきっと楽しみないよなぁ~と思うと、
私にできることはそれ位しかないし、
この間の○○、本当においしかったよぉ~と嬉しそうに言って下さるのを見ると
何を持っていこうかな?と考えるのもちょっと嬉しいし、で
せっせせっせと運んでる。

あれから、休日・週末と、時間が許せば

短い時間で帰ろうとすると、さびしそうに話を続けて引き止められるので
後ろに用事のない時、ゆっくりと腰を落ち着けて訪れられる時だけ、になってしまった。

無理をすれば続かないから、
負担に感じない範囲で、でも、できるだけ顔を見せに行きたいから。

きっと長い入院生活になられるから。


訪れるごとに弱気になられて、元気がなくなられているのが辛い。

ボケないように日記を書くことにしたのよ。
読んでもいいわよ。

と言って下さったのでページを開いたら
“なぜまだ私は生きているのだろう。
あのまま死んでしまった方がよかったかも…”などの苦しい胸の内が
たくさんつづられていて、いたたまれなかった。

チェロの奏者だったご主人は数年前に亡くなられていて、
その後は一人娘のお嬢さんと二人暮らし。

日記の中は、苦しい胸の内と、
お嬢さんが心配だ、ということばかりがつづられていた。

訪れるたびにおばあちゃまの口からは明るい話題が減り、
最初は、ラジオでこんなことを言っていたのよ、なども話されていたのが
“入院は長くかかりそうなのよね…”
“あの家にはもう戻れないと思うの…”
(段差が激しくて、全治しないと確かに生活は厳しい環境なので)
などと暗い顔で繰り返されるばかりになってゆき…

それでも、お見舞いに行くと
一人で暗い顔で横たわれているその表情がパーっと明るく笑顔になって下さるので
あぁ、できるだけ顔を見せたいな、と思う。

そして、病室で感じること、知ること、
様々なことを思って、帰り道はいつもひとり車を運転しながら
ぼぉっと色んな問答を繰り返している…。

休日のひとときにはそんな時間が組み込まれるようになった。

おばあちゃまの病室は6人の大部屋。
他の方は、痴呆が進んですでに会話らしい会話を交わせない方や、
話すこともままならない位グッタリとされていて
いつ訪れても静かに眠ったままの方など…
それまで精力的に動き回れていたおばあちゃまがあの環境にいたら、
そりゃぁ気も滅入るよねぇ…と思う、そんな空間。

この日は比較的長い時間ベッドサイドに座って
色んなたわいもないおしゃべりをして、
さぁ帰ろう、と立ちあがったら
通路向かいの見知らぬおばあちゃまに呼びとめられた。

ご病気のためか、言葉がうまく出ない方。
それでも、出ない声を絞り出して
何かを私に伝えようとされたのだけど
口元をいくら一生懸命見ていても
私にはその“なにか”がわかってあげられなかった。

えっ?なに?
口元を凝視していたら
腕を両手でがっしりと掴まれた。

そしてまだ、
何かを言おう、伝えよう、ともがかれている。

何?
えっ?なに??

ごめんね… 伝えたいことがわかってあげられない…

そう言ったら、
言葉にならない声を必死に絞り出して
“ご~め~ん~ねぇ~”とおっしゃられた。

一体、何に対してごめん、と言われたんだろう???
何を私に伝えたかったのだろう??

あやまることなんてなんにもないですよ。
私こそ、
おっしゃられたいことをわかってあげられなくってごめんなさい。

また来ますね。

そう言って、
もの言いたげなその方のそばを離れて、
逃げ出すように、自分の日常へと戻っていった。

色んな人がいて
色んな人生があって
きっと色んなそれぞれの時間の蓄積があって…

考えにならない色んな思いを抱えて、
子らの待つ家へと戻った。

思った以上に時間がかかって、
休日なんで丁寧に夕飯作ろうと思っていたのに、
やっぱり手抜き料理になってしまった。

ゴメン。

でも、パッと短い時間ではあの場は離れられなかったんだよ。

病室での様子とともにそんな話をしながら夕飯を食べた。

食べたいものを、食べたい時間に食べられる幸せ。
話したいことを、伝えたい人に伝えられる幸せ。

知らなかった“老い”を現実として直視すると
せっかくのほとばしる『若いエネルギー』を持っているのに
ちゃんとそれを使わず、時間を浪費している若者を見ると憤りを感じてくる。

今がどれだけ幸せかわかってる??
今を大事に生きることがどれだけ大切かわかってる??

あ~、脈絡なくなってきちゃった(^_^;)。
今日はこれでおしまい。





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最終更新日  2012年07月15日 00時33分01秒
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