サウジが強いのは、アジアカップ準決勝を思い出せば理解できる。油断したA代表はサウジに完敗している。暑さで足が止まったところをカウンター攻撃するというのがサウジの作戦ならば、それを予防するしかない。1トップと3バックという奇妙な布陣は「失点しない」という意思の表明になる。水本、青木、伊野波というDFラインは有効に機能した。たしかに2人のセンターバックよりも、3人のほうが日本人選手に慣れていて安心感がある。 1トップはU20の森島を登用した。(これは前線からの守備を重視するという狙いだろう)派手に動き回ると汗が出てバテてしまうという気象条件では、サウジの術中にはまらないことが第一になる。緩慢なサッカーも仕方がない。暴れまわれない気象条件を無視すると、中東では何が起きるかわからない。攻撃の中心は、水野と家長の2列目になる。森島、水野、家長の組み合わせはとても面白いのに、一度も試されていないというのが不思議な思いがする。確かに3人とも個性が強すぎて、五輪代表の枠に収まらない。勝手に好きなサッカーをやるという3人を封印していたけれど、さすがにサウジクラスになると策略を使うのはやむをえない。守るだけでは前半で疲れて足が止まる。相手も動かさないと引き分けに持ち込めない。サウジの守備陣を混乱させ、動揺させるには、この3人の予測不可能な動きが面白い。
機能した守備と機能しなかった攻撃陣とでは評価が分かれるだろう。久しぶりの3バックは安定していて、サウジに得点のチャンスを与えなかった。3バック作戦はいずれ見直されるはずである。(オシムサッカーの4バックは事実上2バックを意味し、カウンターに弱い側面を持っている)前に出てプレスをかけるという日本式サッカーは、熱風の砂漠地帯に向いていない。単純に守っていたのでは疲れ果ててカウンターを食らう。そういう意味では1トップ3バックの布陣も効果があったといえる。昨年度の韓国戦あたりに比較すると、さすが経験を重ねてに精神的にも進化している。あとは厄介なカタールに確実に勝つことができれば五輪出場は目の前に来る。サウジは1敗1引き分け、カタールは1勝1引き分け、ベトナムは1敗1引き分けを見ると、アジア全土を走り回ったU22の苦労が少し報われてきた気がして仕方がない。12日のカタール戦に気を緩めさえしなければ・・・。
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