MATRIX7

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2009.08.24
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カテゴリ: モータースポーツ
 最強の立場に戻ったと思われていたマクラーレンに不可解なミスが起こり、ブラウンGPのバリチェロが逆転勝利を奪った。2回目のピットに入ったハミルトンのために、交換用タイヤが準備されていなかったという信じがたい錯誤が起こって、ウォーマーからタイヤを取り出す時間がロスタイムになった。バリチェロは一気に加速していき、ガソリン補給からからコースに戻ったときには、4秒近いタイム差が生まれていた。
 マクラーレンはソフト・ソフト・ハードのタイヤの組み合わせを用いている。グリップ力のあるソフトタイヤを第1第2スティントに使うことで、タイムを稼ぐ作戦になる。磨耗しやすいのがソフトタイヤの弱点だから、ピット間隔は短めにせざるを得ない。ブラウンGPはハード・ハード・ソフトを選択している。ブラウンGPの場合、ソフトタイヤのグリップが急激に落ちるので、短い距離しか使えない。そこで、燃料を多めに搭載してハードタイヤの距離を稼ぎ、2ストップ目を遅くする作戦に出ている。ソフトタイヤを使いこなせるマクラーレンの弱点を突いた作戦になる。ハードタイヤは接地力を最後まで保てるので、ピット寸前までフルアタックでタイムを刻める。
 レッドブルのベッテルは、エンジントラブルを起こして脱落した。バレンシアで何と2基のエンジンを消耗してしまい、残っている新品エンジンは1台だけという立場に追い込まれた。1台で残りのすべてのレースを戦うわけにはいかないから、ペナルティ覚悟の交換戦術を覚悟するしかない。怒ったレッドブルはエンジンメーカーの交換を画策しているというから、ルノーには痛い失点になった。信頼性の高いマクラーレンとトヨタ、割高なフェラーリ、不安定なルノーと旧式なコスワースしかないので、エンジンの選択肢は限られている。
 バトンが7位に食い込んだことで、レッドブルはゼロポイントに終わり、優位だった立場を失っている。空力性能だけでなく、タイヤの使いこなしとドライバーの力量、さらにピットクルーの手腕がすべて揃わないとレースに勝てないことを露呈している。人間のやることだからミスは出るが、一瞬のミスがすべてを台無しにするのがF1レースだということを物語っている。周囲の失笑を買ったルカ・パドエルの遅さというのは教訓になった。フェラーリがシューマッハの復帰を狙ったのも無理はない。ルカのように熟達したテストドライバーでも、予選のタイムアタックとレース本番の勝負はつらく厳しいことを示している。
 ロス・ブラウンは会見でタイヤ温度の重要性を語っている。ブリヂストンタイヤの温度を高く保てるとグリップが安定する。冷えてしまうと操縦性が悪化し、タイムが大幅に落ちる。温度を高く保つセットアップを見つけないと、ロングランタイムが安定しない。重い燃料を搭載していても、バリチェロの速さは驚異的だった。10キロも余分にガソリンを積んで、ハミルトンと同レベルのタイムを予選で出せるならば、決勝での逆転が可能になってくる。理論的には可能でも、コース上でやり遂げるのは難しい。今回の結果で、バリチェロは契約を延長してもらえるだろうか。





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Last updated  2009.08.24 06:15:40
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