青闇(あおやみ)

青闇(あおやみ)

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

何とかロック@ Re:ヘヴン。(10/02) お久しぶりです。 私もヘブン読みました。…
太鼓薔薇@ ちょwwwwwwww 今までデリ嬢に金払ってたのがバ力みてぇ…
馬卓@ ホントに金くれた!! tp://naraduke.net/vc/85r27tf キタ━━━━━━(゚…
酢こんぶ@ よっしゃぁぁぁ! ちょ!!なんか10万で童.貞買ってくれた!…
硫黄@ 3万げっとwwwwww やべぇwwwwwwwwww マジでヤれた…
2008年01月28日
XML
テーマ: たわごと(27605)
カテゴリ: カテゴリ未分類


私たちはオペラシティのくまざわ書店で待ち合わせをしていた。さほど大きくない本屋だけれど、品揃えは悪くない、と思う。君はいつものごとく遅れてやってきた。いいんだ、慣れっこだから。私たちは仕事がらみで観劇をする。その前に積もる話でもしたかったのだが、その時間もなくなってしまった。君があらわれる少し前に、私は書棚をなんとはなしに見渡して、そして見つけた。共通の知人の名前が文芸誌の表紙に載っているのを。私は君を手招きして、ほらほらほら、「あっ」と君は言って、その文芸誌を手に取った。「書いているんだね」「そうだね」って言う。

そういうわけで私たちは同じ雑誌をそれぞれが買う。
なんだかへんな感じだ。一度に文芸誌が二冊売れるなんて。回し者みたいじゃない? だけど雑誌だから印税にならないね。だがとにかく彼はこうして書き続けているのだった。

新国立劇場の喫煙スペースは、ガラスのドアを開けて、屋外に出る。
そこはビルの3、4階ほどの高さになっていて、道路の向こう側にあるテニスコートを見下ろすことができる。

それだけのことだ。

あるときは池袋の北口で地上に出る。
昔、この辺で発砲事件があったっけ。中国人の経営する中華料理店に彼は私たちを案内する。地下へと階段を下りて、私たちは昼の2時から酒を酌み交わす。客はまばらで、私たちの他はみな中国人だ。いや、それは定かではないけれど、中国語が店内を飛び交っている。そうして中国本国のバラエティ番組の映像が大型の液晶テレビから流れている。番組の出演者は大きな身振りで話をし、笑う。まるでそうしなければならないように笑ってみせる。


私たちをこの店に案内したもうひとりの友人は、UFOキャッチャーの達人で、戦利品を私たちに手渡す。だけどなんでそんなものの達人なのさ、どのくらい? 「まあ、ふつうに狙ったものははずさないかな、ちょっと無理をすると少し散財する」「だけどいったいなにをふつうに狙うのさ」
私たちは話す。転移とか免疫治療とか、そんな話を聞き出すころにはさらに違う友人が店内に入ってきたりもする。紹興酒を何杯か流し込んで私はみなより先に階段をあがる。外はまだ明るい。歩道に置かれた灰皿の周囲に男たちがたむろしている。そのうちのひとりが漫画喫茶のプラカードを肩に担いで携帯電話で話をしている。「いや、株でもはじめようかと思ってさ」

それだけのことだ。

私たちはまだこうして生きていて、背伸びをしたり、腰をかがめたりする。後ろを振り向き、それからまた歩き出したりもする。階段をのぼり、おりる。











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年02月01日 05時37分09秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: