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世間は何やらクリスマスなるものらしく浮ついておりますが、私は生まれてこの方この毛唐のお祭りとは全く無縁の生活なのであります。だいたいキックのジムは、毎年クリスマスの日は無言のうちに異様な熱気に包まれるのです。あれはタイに行ってはじめてのクリスマスの日の事・・・ 私の住んでいた安アパート(ここはアパートというか男性独身寮といったところで、住民のほとんどがホモかオカマという恐ろしいところでした)の奴らが、しきりに私に何か言ってくるのです。まだタイ語がほとんどわかりませんでしたが、どうやらどこかへ行こうと誘っているようなのです。そして口々に「キスマーク、キスマーク」と言うのです。「ははーん」私は思いました。これは私が日本からひとりぽっちで来てさびしいだろうから、そろそろ一発やりに行こうと言っているのだな。ここで断って日泰友好にヒビが入ってはいけません。私はチンポコをいつもより多めに洗って出陣しました。 「どんなイヤらしい所へ連れていかれるのだろうか」私はあんな事やこんな事、色々と想像して早くも下半身が熱をおびてくるのでした。ところが、着いたのは近所の屋台に毛の生えたような食堂なのです。「メシ食ってから行くのかな。腹が減っては戦は出来ずだな」ところが、それから一時間がたち二時間がたってもいっこうにその気配がないのです。私は「あっ!」と思いました。「キスマーク、キスマークってクリスマス、クリスマスってことじゃないのか」考えてみればホモやオカマが一発やりに行く訳がありません。(そうだとしたらそっちの方が恐ろしいですが)しかし、私は隣の私よりゴッツイ体したオカマにビールを注いでもらいながら、なぜだか「これでいいのだ」と思ったのでした。
2005/12/24
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検証その四 「進化の途中である」 タイでは朝、勝手に起きて勝手に走ります。当時、タイでもなかなか相手が見つからないくらい強かったグルクチャイは、ジムに友達がいないので朝走る時、私を起こしに来るのです。(もっともグルクチャイの南部なまりの早口は何言ってるのかさっぱりわかりませんでしたが)そのグルクチャイ先輩をよーく観察していると、その手足の長さや顔ごとキョロキョロあたりを見回す落ち着きのない様子、果物をブツブツ言いながらムシャムシャ食べる姿など「人間よりもチンパンジーに近いのではないか」と思ったものであります。 検証その五 「ミロが体にすごくいいと思っている」 試合前にカゼを引いてしまった私に、当時まだ子供だったワチャラチャイ(2000年MVP選手)は、「ちょっと待ってろ」と台所の方に消えていった。そして大事そうに暖かいミロを持ってきたのだ。「これを飲むと力がでるぞ」というワチャラチャイ少年のまっすぐな瞳に「何だよ。ミロかよ。ちぇっ」とはとても言えないのでした。 検証その六 「タイ式ランニング」 タイ人は朝走る時、ちんたらちんたら走ります。その後の激しい練習に備えているのか、たんにサボっているのか不明ですが、これが奇しくもLSDトレーニング(*注)になってしまっている。 *注 LONG SLOW DISTANCE の略。文字通りゆっくり長時間運動を行う事で、スタミナアップに最適なトレーニング 検証その七 「アイロン」 シャツはおろかTシャツやGパンにまでアイロンをかけてしまう。ピシッと折り目のついた501にチャンピオンベルトのようなでかいバックルのベルト、登山靴がお出かけの時の定番ファッションである。 ラジャやルンピニーでのビックマッチの地鳴りのような喚声。熱気。とびかう札束。冗談ではなくスタジアムがグラッグラッと震度7で揺れるのであります。なにより試合のレベルの高さ。こんな雰囲気よそじゃちょっと味わえません。タイへ行ったら女房を質に入れてでも見に行くべきだ、と思うのであります。
2005/12/13
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見るほどに、知るほどに「打倒ムエタイ」は難しいなと思うのであります。単純に歴史の長さ、層の厚さ、試合数(経験)の多さ、「子供の頃からそれしかやっていない」など理由は色々考えられますが、そればかりではない計り知れないものがあると思うのです。かつて男一匹タイに乗り込み、ムエタイに敗れた私がスルどく検証してみたいと思います。 検証その一 「ギャンブルの対象である」 ムエタイでは公然と賭けが行われているので、ヘタな試合をすると損した客からえらい目に遭います。当然、それで生活している「その筋」の人達もたくさんいる訳であり、「勝てば天国、負ければ地獄」のひじょーにキビシイ世界なのであります。タイ人がタイで試合するのと日本でするのとじゃ本気度が違うのは、この為だと思われます。接戦の末敗れた私は、リングから降りると、赤ら顔のおっさんが近づいて来て何やらまくしたてたかと思うと、丸めた新聞紙でポカッと殴られた事がありました。 検証その二 「自分で自分に賭けている」 賭けているのは他人だけではありません。ジムのオーナーやらトレーナー、ジムの仲間、場合によっては「自分で自分に賭けている」という事もあるのであります。私はシーソーゲームを演じたまでは良かったが、アツくなったセコンドが私のファイトマネー分も賭けてしまい、結局敗れた私は、「ヒロキ(私の本名)、ファイトマネーないよ」「・・・・・・」という事がありました。 検証その三 「カオニオ(もち米)を食べている」 私は「日本人のボディが弱いのはカオニオを食べていないからだ」とまじめな顔で言われた。 つづく
2005/12/12
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